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第3話 異形のゆりかご

第3話 異形のゆりかご



【夢:深度6(最深部)】

「……。……観測。……ここ、世界、終わってる。……人、いない」

「うわぁ……何これ、空がひび割れてボロボロ落ちてきてんじゃん……」

「……ココ、さびしい。……あの、女の子の、こころ。誰も、いない、から。……ワタシ、かなしい、です」

「はっ、バカじゃないの? 誰もいないなら好都合じゃん。誰も傷つかないし、誰も死なない。最高の楽園だよ。今すぐ全員消えちゃえばいいのに」

「ウソツキ。お前、この壊れかけた世界を見て、一番泣きそうなくせに」

「泣いてない!! 早くその減らず口叩く頭を、上から降ってくる空の破片でカチ割られろ!!」

(ドォォォォン!!! と、少年の悪口が響いた瞬間、レンの背負う魔導具が、闇を切り裂く【光の巨剣】へと姿を変える。バイバイアースのような圧倒的なスケールの武器が具現化する)

「へへ、サンキューな! 武器つるぎなら、もうここにある!」

「……警告。上方より、悪夢の王、襲来。……識別名、【孤独のっぺらぼう】」

(ゴオォォォォォ!!! と、顔のない巨大な白い影が、世界を飲み込もうと降りてくる)

「ワタシ、いきます。……あの、女の子、まわり、誰も、いなかった。……だから、ワタシ、かわりの、ウツワ、なる。……寂しさ、ぜんぶ、ここへ、おいで……!」

(ズズズ……と、カタコトの大男が両腕を広げ、街一つを覆うほどの巨大な「異形の盾」となって、白い影を真正面から抱きとめる)

「……。……システム、限界。……プログラム、破損。……ウ、あ……」

「ちょっとお姉さん!? 限界を超えて魂まで機械になっちゃうって!」

「……ちが……う……。……ワタシ……ニンゲン……。……トモ……ダチ……、独りぼっちに……サセナイ……ッ!!!!」

(お姉さんのマシーンの声が完全に引き裂かれ、生々しい人間の絶叫に変わる。彼女の想像力が、カイの盾を【悪夢を噛み砕く大顎】へと変貌させる)

「いっけえぇぇぇ、カイ!! 終わらせてやろうぜ、この長い夜を!!」

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