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うさんちゅ

◆◆


 朝、目が覚めると……設定した時間より一時間前に起きていた。寝起きだというのに、昨日の高揚感がまだ少し残っている。


 ハクトがどうしているのか気になった私は、ログインすることにした。


 ログインすると、ベッドの上で昨日――相棒になったばかりの白い兎が寝ていた。少しその様子を眺めていると……。またお腹を空かせるのではないか。そう思った。


 だが、ハンバーガーしか作ることができない……。私は味付けを変えることにした。


 ハンバーガーをお皿にのせ、ラップをかける。喉も乾いているだろうから取っ手付きコップも必要だ。それらをテーブルの上に置き、置き手紙を書くことにした。


『ハクトおはよー またハンバーガーだけど味付けは違うよん♪ 君にはこの違いに気づけるかな?』


 まだハクトは起きない。私の中で《チャンス!》のカットインが入る。


――採寸しよう。


 珀斗兄はアバターを一度も採寸させてくれなかった。いつだって――『俺はアロハシャツと生き、アロハシャツと死ぬ』と、採寸を断り続けていた。


 ハクトは採寸の途中……起きることなく、無事に採寸は完了した。


「よしっ! 戻ってハクトの服でも作ろっと」


 私はログアウトした。


 アバターの服を作るならパソコンの画面を見ながら作るのが、結局のところ一番楽だ。


 「確か……。珀斗兄の作ったアロハシャツ専門店は海沿いの町だったか。あそこは年中、夏なんだよな」


 私は新しく自分用の服も一緒に作ることにした。


~~~


 「完成――――!」


 パソコンの画面には、『うさんちゅ』と胸元にグラデーションブルーでプリントしたお揃いの白いTシャツと、お揃いの麦わら帽子が並ぶ。


 また私…………舞い上がってるな。一旦、アバターの服はエプロンドレスに戻して置こう……。


 冷静になった私はそう思うと、画面を見ながら服装を変更した。

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