096.獣人国(26) 獣人国視察(18) 虎人族
翌朝クマさんたちに見送られて街を出る。
士族長達からは、「いざとなれば馳せ参じます。ぜひ我らを頼って下さい」と、下賜した鎧をまとい跪かれた。「もちろんです」と答えておく。戦争などはしたくないが仕掛けられれば応戦せざるを得ない、そのときは役に立ってもらう。
馬車でぱっかぱっかと進む。熊人族からは大量の蜂蜜をもらった。朝はパンに蜂蜜を付けて食べる。こうやって少し食べるのは美味しいな。それにしても何から何まで蜂蜜の料理だったな。香草料理が流行るといいな。
色々思い起こしながら、次の街を目指す。次は虎人族だ、王族の街なので少し緊張する。
街に着くと、前王と前々王に出迎えられた。両名とも王の座を降りたことから少し丸くなった気がする。
王位にこだわる必要がなくなったので闘争心が萎えた様だ。
必要はないのだがこれまでのことを報告しておく。私のやり方はこれまでのものと違い違和感はあるものの良い方向にはあるとの評価だ。積極的に否定はしないが積極的に協力もしない傍観する様だ。
もちろん国の危機になれば協力は惜しまない。そういったスタンスだ。人族が王となる事自体に忌避感は無いようだ。強いものが王となり国を良く統めてくれるなら文句はないのだそうだ。
「お前俺と勝負し・・・ぐぼひょあぐぇ」
なんか面倒なのが来たのでボコっておいた。ちょっと壁にめり込んだ
みんな見なかったことにしようと目をそらした、誰かに引きずられていった。
会話が一瞬途絶えたが何事もなかったかのように会話が続いた。
まあ自由な雰囲気はいいな、堅苦しくなくて良い。
先程のは、前王の息子らしい、才能はあるらしいが実力が伴わないらしい、だめじゃん。
修行のため同行させてやってくれと頼まれた。井の中の蛙大海を知らずでは困るのでいろいろな見聞を広げてほしいのだとか。あれでも虎人族の次期リーダーらしい。
本人の意思次第と答えておいた。
翌朝、顔をぱんぱんに腫らした虎人が頭を下げて来た。
「俺を同行させてほしい」
「ごめんなさいは?」
「ごめんなさい、俺を旅に同行させてほしい」
「目的は?」
「俺、街から出たことがなくて世間知らずで、他の街や世界を知りたくて」
「貴方何か役に立つ?」
「戦えます」
「弱っちいわ」
「荷物を持てます」
「アイテムボックスがあるからいらないわ」
「案内します」
「街から出たこと無いんでしょ」
「わかった、私は何も出来ないが、同行させてほしい、いつか役に立つ様に努力する」
「そう、自覚した?威勢がいいだけでは何の役にも立たないの
同行を許可するわ」
「それから、前回南の弱小種族の街を回ってきたけど貴方より役に立つ人は多かったわ」




