918.再び異世界(12) ナルハヤ帝国(7) 黒幕(1)
「なぜ早く見つけてくれなかったの、
私からは探せないんだからね、
なかなか来ないから忘れられたのかと心配しちゃったじゃない」
「おっ、おうすまんな、見つけられなかった」
私のアドバイス、まんまである。 でも役に立ったようだ。
「それでは、報告を聞こう・・」
すかさず大師匠が黒幕を迷宮に取り込んだ。
「えっとね、ナルハヤ帝国への侵略はナダルが捕まってね、失敗に終わったぁ。
それでね、私も捕まってぇ、
更に、あなたも捕まった。
以上報告終わりぃ」
気づいたようだ
“鑑定”
『種族:?、名前:?』
鑑定は失敗に終わった。私のレベルでは不足している様だ。
「お前たちは何者だ?」
“鑑定”(大師匠)
『種族:亜神(暗躍神)、名前:ヤミヤ』
あるんだ・・・暗躍神・・・
「私はこの世界を管理する神、デストラ、と、その仲間たちだ。
お前こそ私の世界で何をしている!」
「もちろん、暗躍さっ」
ふっと姿が消える・・が、
「痛てっ・・・」
何処かにぶつかって姿を現した。
どうやら大師匠の迷宮の壁に脱出を阻まれたらしい。
「迷宮神エランからは逃げられないよ」
「ならば、・・・」
ガツン
「痛てっ・・・」
私が既にバリシールドで囲んでいる。
すると彼の姿がぼやけて・・・黒い霧になった
気体ならバリシールドを抜けられるとふんだようだ。
でも残念、このバリシールドは酸素と窒素と二酸化炭素しか通さないんだよね。しかも二酸化炭素は出ていく方にしか通れないというすぐれものだ。
バリシールドの形を小さく丸めてみた。
「ぐぎゃあ」
どうやら元の姿に戻ろうと足掻くが、今のバリシールドの形状では実体が収まりきらない。
黒い霧になったまま元に戻れないようだ。
おそらく霧の状態では他の魔法が使えないのかな。
大変だね。
そしてそれをそのままニアニウム製の中空の球体に転送する。
暗躍神玉の出来上がりだ
『おいっ、ここから出せ』
「なんで?」
『このままでは魔力が尽きたら実体化して死んでしまう』
「それで?」
『ええぃこのわからず屋め』
「だって亜神だったらそうそう魔力尽きないでしょ、
騙されないよ」
『・・・』
黙ってしまった。
「よし、このまま太陽に放り込んでおくかな、ニアニウムケースは壊れないし封印だね」
『交渉しよう』
「なにを?」
『出してくれたら、黒幕を教えてやる』
「黒幕はお前じゃないの?」
『他にいる、亜神程度ではこんなだいそれた事は出来ない』
「それ教えたら消されちゃうんじゃないの?」
『お前たちが黒幕を封印すれば私は助かる』
「でも、亜神って事は師匠が居るんだよね、黒幕ってそいつじゃないの?」
『・・・』
こいつはこのままでいいか。
「また交渉ネタがあったら交渉するね、考えておいて、
黒幕の弱点を教えてくれるとか・・・ね」
当たりの様だ、ヴィーナルス姉さんなら知っているだろう。デストラ姉さんは引き籠もっていたらしいから知らないよねーーと視線を送ると。
何故か自慢げに、無言で胸を張り“うん”と頷く。 デストラ姉さん可愛いっ。
『新米亜神のくせに』
居直っちゃったよ
「そう、新米だから加減がわからないかも・・・ごめんね」
少し暗躍神玉を小さくしてみた。
『むぎゅう、わ、わかった』
「何がわかったの?」
『えっと、マイ様はとても素晴らしい亜神様です』
「どこが?」
『えっと、その、あの・・・』
「何も知らないのに素晴らしいってなんで分かるの?
適当に言ってるだけね、口先ジジイ?」
『あ、それ師匠にも言われた』




