908.再び異世界(2) エランモンク神聖帝国(2) 0タイムシフト
結局、彼らはエランモンク神聖帝国に保護され、時空の歪で15年にやって来たと正直に報告され、エスタージアに帰還させることになった。 そして彼らはエスタージア歴史上初のタイムトラベラーとなったのだった。
彼らは15年寿命が伸びた・・・のかな? それとも15年失ったのかな?
大師匠によるとタイムトラベルは簡単だと言う、但しややこしいからしない、という事だ。
別に禁忌でもないらしい。
タイムトラベルをするとその度に新しい世界が自動的に生まれてしまい、自分の管理する世界が増える・・
つまり、面倒なのだそうだ。そして新たな世界が生まれる事で大量の力を消費してしまい弱体化する。
だから一番使われるのが“0タイムシフト”?
正確に言うと“時間差無しの異世界間転移”?だけどカッコ良さげに言ってみたかった
世渡りで異世界に行って過ごし、0タイムで戻る、または同じ時間経過後に戻る。
そして次は連続した未来にしか行かない。
この条件を守っていたら存在が重複しないので新たに世界が生まれることもない。
私が異世界魔王のところで修行で使ったのもこの方式だ。
これは眷属や、亜神、神などの様に無限の寿命を持つ者しか有効に使えない。逆にそういう存在のことを神というのかもしれない。
「昇格記念に皆で異世界探検に行こうか?」
大師匠から提案があった、もちろんオーケーだ。
大師匠の行っていた宇宙怪獣調査も行き詰まって・・・そろそろ終わるらしい。
結局わかったことは宇宙怪獣とは、地上生物の巨大化版、逆に宇宙怪獣の縮小版が地上生物というぐらいだった。・・・進化の過程で変化はあるだろうけど概ねそんな感じらしい。
それもデストラ姉さんから教えてもらったことを確認出来ただけだった。
私達は学者ではないので、その程度のことがわかればそれで良しとしてしまう。
シリルは優秀である、その事を知っていればシリル自体の構造を知っていなくても問題は無い。それと同じだ・・・え、違うって? でもまあそれに近いってことだよね。
師匠のリーン(霧濃礼子)も私(皇舞亜)も異世界は初めてだ。
まず大師匠の故郷へ行き、そこから探検に向かうことになる。
今回も0タイムシフトで世渡りをするので、帰ってきたら一瞬後。
この世界の人とは別の時間軸を探検して来たとは誰にも思われず、レジャーランドの計画を継続することになる。
自分自身の経験値だけがいきなり上昇する奇妙な現象に思えるだろう。
よくある修行時間を短縮する“時の部屋”ならぬ“時の世界”ただし歳は取るので永遠の寿命を持つ者以外は浦島太郎になり、あまり役に立たない。便利なようで便利でない手法である。
シリルとランダも一緒に行くことにした。向こうで便利だからね。
もちろんランダには師匠と大師匠の入室を許可してもらった。この二人はブリッジ入室もオーケーらしい。
良かった。どういう判断基準化は知らないけれど、これで一緒に作戦行動を取ることが出来る。
ちなみに、亜神になったことで、異世界間の直接召喚も出来るようになったらしい。
シバ達は契約召喚異世界だから異世界間でも直接召喚できるけど、見たことのない異世界生物とかも召喚できる。ただし魔法生物は魔力のない私の世界では長時間活動できないから魔力変換ジェネレータをもたせないといけないので契約召喚しかしない。
契約召喚なら私から自動的に魔力供給されるしね。
だから異世界の友達も増やして、契約召喚出来る様にしよう。
でも、異世界間の召喚ができるのに、なぜ自分が世渡りできない?




