907.再び異世界(1) エランモンク神聖帝国(1)
そのまま舞亜視点での新章となります
これは直接皇帝(大師匠)に報告しておいたほうが良さそうだね。
「大師匠ーーー、来てーーー」
呼んだら来てくれる便利な大師匠・・・◯グマ大使みたい。 笛でも吹こうか・・・それは叱られるな。
「不思議ね、調査が終わるまで彼らとのコンタクトは控えましょう」
『マイ様、データの修復が終わったよ
失われた情報もあるけど概要はだいたい分かる、
記録のタイムスタンプや星図データなどから判断して、
15年前に行方不明になった巡視船クリムゾンに間違いないでしょう。
船は攻撃を受けたと言うよりも、一部が消失しちゃってます。
時空の歪に囚われて迷い込んで船体の消失はその亀裂によるものじゃないかなぁ
』
「マイ、話していなかったことがあるんだけど、
この世界って不完全なのよね。
元々神の作る“世界の基本セット”は魔力ありきのものなの、
だから魔力のないこの世界は、いわば失敗作で不安定なの。
とは言ってもあと何億年かは問題ないはずなんだけど・・・
既に時空の歪が生じ始めているなんてね」
「それって終末思想?」
「そもそも永遠なんて無いから、短いか長いかの違いだけよ、
それに世界が崩壊したら消失してそれで終わり・・・再生は無いわ。
神々の気まぐれで、因果関係がなく全く別に新たに作られるだけ」
ま、何億年という長い期間の話、気にしてもしょうがないか
「・・って、思ってるでしょ、
あなた、神の眷属だからそのぐらいのスパンで考えないと駄目よ」
げっ、そうなの、何億年を気にしないといけないの・・・大変
「そんなマイちゃんに嬉しいお知らせが・・・
女神ポイントが貯まって、亜神に昇格できるわよ。
おめでとう」
な、に、
「それからあなたの師匠も複数の女神によって承認されて亜神から女神に昇格よ。
それでね、亜神からは神の名前が必要なの、
あなたの神の名前を考えてほしいの。
私は迷宮神エラン、という様にね」
「召喚神マイ?」
体が光り、神界に亜神として登録されたみたいだ
「サモン神はあるけど、日本語の召喚神なら問題ないわ、
私もメイズ神はいたけど、迷宮神で登録したからね、
別に他の神と能力は被っても構わないけど、呼び名が違えばいいみたい
その能力が特化されるだけだから」
じゃあ、今までもちょっと異常だった召喚能力が更に強化されるって事?
・・・面白そう
めでたく亜神になれたみたいだ。
亜神では世渡りは出来ないけど、大師匠は出来る。師匠はまだこれからレベル上げをしないと使えない。
眷属の状態では、この世界で魔法を使うのに魔力ジェネレータの助けを借りないといけなかったけど、亜神となった今は不要。そしてもちろん魔力のある世界でも順応出来るので、異世界で生活も出来る。
「シリル、自空間の歪みが発生したと思われる場所はわかる?」
『はい、でももう消えちゃってるよ』
そうか、歪が戻ったことで船体が切れちゃったのか。
クリムゾン艦のクルーたちはどうしようかな・・というかこれは大師匠の勢力範囲の出来事だから、私が考えることでは無いか。
もし、彼らを15年前に戻したら、ややこしくなる。 ・・だって既に行方不明艦だったからね。




