087.学園(44) 領海侵犯
訓練を終わり、ユグエンドーラ領主邸で改善策を考えていると。訪問者があるとの事。
予定は無かったが、どうやら旅の吟遊詩人の様だ、吟遊詩人は案外影響力が大きいため、一応権力者には大切に扱われている。場合によっては領主邸に宿泊してもらうらしい。訪問となれば会うのが慣例だ。
まあ下手に扱って吟遊詩人ネットワークで変な噂を流されたくないから、というのが本音だけど。
何の用だろう、私は既に被害者なので大切に扱わなくても良いような気がするが、悪気があっての被害ではないため、おそらく彼等は良い噂を広めてあげました、えっへん、なのだろう。私は羞恥死しそうな被害を受けたと思っているんだけどね。
「応接室へ通して、この書類に目を通し終わったらすぐに行くわ」
「承知しました」
えっと、なになに、漁村の村長さんからの嘆願書だ、ドロシア帝国との漁業権で揉めているらしい。ドロシア帝国というか隣街の漁船の領海侵犯が多発しているそうだ、以前からもあったが、最近増えてきたそうだ。
「代官さん、隣街へ通達、
『今後、領海侵犯した船は海賊船とみなす、
拿捕もしくは撃沈し、船舶及び積荷は没収、生存した乗員は強制送還する。
抵抗は無意味だ』、
これで頼む」
「わかりました、随分強硬ですな」
「甘く見られたく無いから、最悪ドロシア帝国との戦争をも物怖じしない姿勢でいくわ
本気で戦争をも辞さないから、またちょっと学園を休んで補習を受けないといけないけど」
「戦争って学園の方が気になる程度の事ですか」
「学園生活はあと2年も残っていないのよ、それを奪うなんて、命知らずにも程があるわ」
「最後の『抵抗は無意味だ』はどういう意味でしょう?聞き慣れない言い回しですが」
「物語の引用よ、気にしないで、言ってみたい言葉ってあるでしょ。蹂躙する時に使う言葉よ」
これで戦艦の実地訓練が出来る。
あっ、船を沈める機能はあっても、乗員を助けて捕縛する機能とかは考えて無かった。
まあ別に助けなくても良いんだけど、船に乗っている人が悪いとは限らないからね。
シーサーペントとかクラーケンを獣魔にして、餌にして証拠隠滅でも良いけど、もし政治亡命して来る人とかだったら悪いし。
とりあえず、戦艦には浮き輪を排出する機能をつけておいて、捕縛は警備艇を作って対応させよう。もちろん武装しておく。閃光弾とか爆裂弾とかバリアも付ける。
警備艇または漁船が不審船を発見したら、警告。退去しない場合は戦艦出動、問答無用で撃沈。
生存者は捕縛し強制送還。ただし亡命者の場合は帝都に移管。
紛争、もしくは戦争状態の場合、撃沈のみ。泳いで帰ってもらう。
この方針でいこう。
巡視船作って巡視船の乗員を雇わないといけないなー、もう余計な仕事を増やしてくれちゃったねー
この恨みはいつか100倍にして返すから、ふふふふ覚えていなさい
いけない、吟遊詩人さんを待たせているんだった、吟遊詩人さんに会ってみようかな。




