848.番外編(3) 皇舞亜の場合(59) ロントロの末裔(51) コンパス帝国(19) コンパスζ(2)
代表はすぐにでも辞任したがっていたが、私達の視察の後にして欲しい。
そんなに焦っても、視察が終わらないと出発できない。
街に入ると、流石にコンパスαの帝都よりも技術が進んでる感じがする。
帝都は、歴史を感じさせる建造物が多かったが・・・・私が破壊してしまったね・・ごめん。
副帝都も帝都の歴史を感じさせる建造物がかなりあった。
ここ、コンパスζは、いわゆる近未来都市風である。ビルが立ち並び、立体的な交通網が張り巡らされ、いろいろな施設が機能的に配置されている。
・・風情はないね。
都市以外の場所は意外と自然豊かで、深い森もある。
ここに住んでいる人たちは、他の主要惑星からの移住者が殆どで、元々この星に住む原住民は少ない。
原住民は古代ロントロの末裔らしく、代表が独自に行なっているロントロ遺跡の研究に助力してもらっているらしい。
だからあんなに遺跡文書の解読が正確だったのか。
代表が原住民と触れ合える場を設けてくれた。
今日は、年に一度のロントロ祭りの日らしい。
深い森と平原の間に暮らす、ロントロ人の末裔が暮らす。 ヘルムン村だ。
遺跡にも近い。
原住民の殆どは都市には住んでなく、こういった遺跡近くに村を作り住んでいる。
他民族が集まってできた星であり、住むところが違うため、あまり差別の対象にはなっていないが、好かれてもいない。
彼らを街中で見かけると珍しがって見るが、話しかける様な事はしない程度だ。
彼らは森の恵を都市に供給する事でお金を得て、街で買い物をして村に帰る。
車で、ぎりぎり1日で往復できる距離。
車は持っている。車というか森の恵を運ぶためのトラックだけど。
トラックは村で共用で使っている。
村と言ってもここは大きな方で、人口は500人ほどいる。
主に自給自足だけど、外貨を得ることで色々便利なものとか入手している。
だから普通の生活で困る事は無いが、エンターテインメントは無い。
従って、“祭り” と言うのは都会では廃れてしまったが、ここでは一大行事である。
まあ、キャンプファイヤーを囲んで、歌、踊りなど騒ぐだけだけどね。
そんななかに気になる演し物があった。
ロントロ劇と呼ばれる戯曲で、古くから受け継いで演じられ続けたものらしい。
そこに登場するキャラクターは、神と民・・神は賢者神? 民はロントロ人? の二人劇だ。
民は、街が栄え、技術が発展し、世界(宇宙)を渡るようになる。
そして世界と世界を繋ぎ、更に時までを制する様になる。
神は、それを神に歯向かう危険な行為と捉えて、天罰を降す。
民は全てを失った、1から出直すことになるが、技術が発展しすぎていて文明を再現出来ない。
かろうじて残った物からある程度の文明を回復した者達もいる。
だが、我々は今を生き抜いている、そして未来も、それこそが我らの力である。
そんな内容だ・・・賢者神さんやり過ぎ。
そこに付け加えるとしたら、“古代ロントロの技術を受け継いだ者も現れた。”
私達のことだ。
だけど、よく考えたら私達は “民側” では無く、“神側” の存在だ・・ロントロ技術を受け継いだものと言えるかはわからない。
下手なことを言って、神が技術を奪ったって事になってしまうと嫌なので何も言わない。
単純に歌と踊りを見て祭りを楽しんだ・・3日間も。
ちなみに、ロントロ祭は年に一回だけど、収穫祭とか新年会とか・・・色々あるらしい。
ぜひ来てくれと言われたが、そんなに暇でもないし、・・・実は、祭りはそれほど好きじゃない。
「神罰は降りなんだか?」
「神に逆らわないようにな」
「神は恐ろしいぞ」
「科学技術など発展させたら神の怒りを買うぞ、帝都も破壊されたとか」 ・・それ私がやった。
とか色々言われたけど・・・“大丈夫、私達、神の使いだから”・・とはとても言えない。
そんなちょっと居辛い雰囲気の中、私達の歓迎会が始まった。
・・居辛い・・




