080.学園(37) メニュー開発
マリナハーバーの村長の次男と商業ギルドの職員を巻き込んで、メニュー開発をした。
あの美味しい漁師汁は外せないとして。あとはエラン領と同じ様な寄せ鍋と一夜干し焼きか。
もう一つなんか欲しいなぁ
ここはエビが豊富に捕れるので、エビフライとか、すり身とか、あっそうだエビ餃子いいかも
ラノベだとエビチリが出てきそうだが私はやらない。とろみのあるものは好きではない。
味が纏わりつくのが嫌なのだ、後味の切れが欲しい、後味のキレがあれば、次の別の料理が美味しく食べられる。
美味しい料理とは、見た目が良く、口当たりが良く、食べていると味わいが広がり、そして飲み込むと味が消える。味のリセットが要らないのだ。そして次の料理が進む。
一品だけ食べるのなら後味のキレが無くても良いんだけど、それでは店が儲からない。
味のリセットと言えば塩ガリも欲しいところだ。生姜は獣人国に確かあったと思う。
海老天も2種類準備しよう。価格は同じで大きめの海老に薄い衣『えびの天ぷら』だ、もう一つは、小さい海老に分厚い衣、えびの天ぷらよりも大きい『海老入り衣の天ぷら』だ、海老を楽しむ人はえびの天ぷら、ボリュームを楽しむ人は海老入り衣の天ぷらを食べる。儲かるのは後者だ。そして後者が大半を占める。前者は私のためのメニューだ。だし醤油が欲しいところだが今はない。塩をメインにしよう。
そうだ、酢も欲しいけどあったかなぁ、商業ギルドで聞いてみよう。味噌も欲しい。
ここもエラン領と同じく庶民向けと貴族向けでメニューを組み立てる事にする。銀貨1枚コースと金貨1枚コースだ。初めはコース料理のみにして、味を知ってもらい、後に単品メニューを追加していく作戦だ。
海産物以外のドロシア料理ってなにかあるのかな。と村長の次男に聞いてみた。ピロシキみたいな料理があるらしい。惣菜入り揚げパンみたいなものか。昔、人気のない道にピロシキの自動販売機があったのを思い出した。懐かしいなぁ。
よしっ、彼が作れるそうなのでこれもメニューに加えよう。
さてこれらをドロシア料理と言ってしまうと戦争をイメージしてちょっと抵抗があるかもしれない。
ユグエンドーラ料理と言うことにしよう。
ピロシキは学園でも食べたいなぁ。たくさん作ってもらってアイテムボックスに入れておこう。
そうだ食堂で試食会でもやってみるかな、漁師汁もたっぷり寸胴鍋に作ってもらって持っていこう。
ーーーーー村長次男の視点
おれは漁村で食堂をしている村長の次男だ、兄はこの食堂を継ぐ事になっている。また小さな漁村の食堂だ、大したことは無い。おれも今は手伝って修行しているが、いつか街に出てやる。
と思っていたら、なんと急に話が持ちかけられた、街では無く隣国、いや今は普通に帝都か、新しい領主がそこで店を開きたいから料理人をしてくれというのだ。街の商業ギルドに行き応接室に入ると、ギルド員と少女が座っていた。なんと、その少女が新領主だという。
少女が言うには、ドロシア料理、特に海鮮料理を中心とした料理を出す店を帝都に出店したいのだとか。
食材の鮮度が持た無いと言うと、問題ないそうだ、戦争の時ちらっと見たのだが、魔人族が操る飛龍を使って運ぶのだという。食べられてしまわないかと思うのだが、その少女も飛龍を操れるという。
恐ろしいことだ。私は大丈夫なのだろうか。飛龍の餌になるのはごめんだ。
それから漁師汁がえらく気に入ったようで、メニューに加えるという。適当にぶち込んで煮るだけなのに。
そういった荒々しさが素朴で良いのだとか、とにかく海産物を領の売り物にしたいらしい。そして税収を増やしたいのだとか、がめつい少女だ。
他にも惣菜をパン生地で包んで揚げた料理を教えてやったら、なんか故郷の味に近いとかで、また気に入ったようだ。
試食会をしたいとかで、たくさん作る羽目になった。お金をもらったから良いけど、疲れた。
なんと金貨1枚くれた。
がめついと思った事を心のなかで詫びた。
彼女は、香辛料も持っているらしく様々な香辛料を提供してくれた、これで新しいユグエンドーラ料理を開発しろと。なんでも獣人国から取り寄せたのだとか、聞いてみると獣人国の国王でもあるそうだ。畏れ多いことだ。
少女だと見くびっていたことを、心のなかで再び詫びた。
だが今回の話は、漁村としても嬉しいことだ、村が発展すれば村を離れる若者は減って村にも活気が出るだろう。仕方がない、協力してやろう。俺も家から独立して店が持てるのだ。チャンスだ。




