072.獣人国(22) 獣人国視察(14) 『妖狐の香水』
約束通り鼠人族から大量のチーズをもらいアイテムボックスへ。これでいつでもチューズフォンデュを食べられる。これはチーズフォンデュじゃなくてチューズフォンデュだと自慢できる。
さて、鼠人族の街より南にも沢山の種族が居るが、街というより集落なので大人数で訪問するのも迷惑であろうことから、今回の視察はここまでにする。
と思っていたら、新しい国王が来たと言う噂から、そういった少数集落の族長達が鼠人族の街に集まってきていた。ヤマアラシ族とかマングース族とか一見で分からない種族達の族長と立食パーティーを行った、アイテムボックスに入っているいろいろな食材を放出した。皆、ここらでは食べられない珍しい食べ物に感激していた。
彼等の集落に特に困った事は無いようだが、やはり物の入手が難しいとか現金収入の難しさとかの問題はあるみたいだ。何か特産物が無いのか聞いていると、胡椒とかバニラとかの香辛料が手に入るみたいだ。
鼠人族の街経由で購入することにした。収穫量はそこそこ増やせるらしいが、遠方のため高くなる、高いから使わない、使わないから売れない、売れないから作らない。という悪循環で収入にならないそうだ。あれば嬉しいが無くても死ぬわけではない事からしかたが無いのだが、やはり食文化は発展させたい。
飛龍便があれば問題解決するが、この大陸に飛龍は居ない。
あっ鳥人族を巻き込めば流通革命できるかも、鳥人族は今回の失態から信用回復をしなくてはならない、なんと言っても国王暗殺未遂のあった街だ。
従来は高いプライドのため荷物運びなどしなかったが、名誉挽回のため、流通に関与してもらおう。
さてヨウコを弧人族の街に送り届けて、王都に戻ろう。
後期長期休暇ももうすぐ終わる。
と思ったが、ヨウコは王都の親戚の所に行きたいそうだ、素材の調達とか新しい販路の開拓とか王都で色々とやりたいそうだ。弧人族の長の香水は良いのかなと思ったが、長用の香水のレシピは覚えているので作って送れば問題ないらしい。
視察は終わったので獣人国王都に転移で全員移動した。これで次回からは転移で来れる。
学園に帰る前に弟子の門出にと、獣人国王都に小さい店をプレゼントする事にした。
店名もプレゼント、店の看板もプレゼント
国王公認の店『妖狐の香水』
貴方のための貴方だけの香水
貴族街の近くなので客が着けば儲かるだろう。個人対象の店なので陳列棚は必要ない接客の部屋だけで良い。内装は清楚で清潔感があり、壁は純白で照明の明るさと色を自由に変えられるようにした。
目に映る色でも香水の印象は変わるはずだ、想定したシチュエーションの明るさと色にしてから本人に確認を取ってもらうと良いかなという配慮だ。部屋自体に匂いがついてしまうとまずいので、部屋の内側にバリアを張って、都度更新する様にしよう。一応消臭の魔道具も準備しておこう。放火に合うかもしれないから、店の外側にもバリアを張って、強盗対策でパニックルームも居るかな。制服はバリア標準装備で、ポーションも一通り準備してっと。
そうして目標とする香りとのマッチングを確認出来る安全な店を作り上げた。
自分の店ではないのにちょっぴり凝った作りにしてしまった。
あとヨウコへの課題として「存在しない新しい香りの創造」を指示した。今の方法は実在する香りに近づけるものだが、目標を「現存しない良い香り」にする事だ。
種族によって好む香りは異なるだろうし難しいとは思うが、難しいから課題の意味がある。
ヨウコは喜んでくれたが
「嬉しいけど過保護です」
と言われてしまった
「弟子が成功したら師匠としての実績になる、安全第一で頑張るんだよ」
と言っておいた。別に他に弟子を取るつもりはないので実績は関係ないんだけどね。
弟子と言ってもだいぶ年上だから受け取りにくいかもしれないが、これは国王命令である。




