064.獣人国(14) 獣人国視察(6) 遺蹟
早朝に出発して遺跡と思われる場所に来た。ほーじいちゃんの言っていた様に、古城があるわけでもなく、山の中腹に穴がぽかりと開いていた。
鉱山の様にも見える。
洞窟に入ってしばらく進むと少し広いホールがあった。そこからいくつかの方向に穴が開いていた。ダンジョンみたいだ。穴の横には親切に行き先が書いてあった「行き止まり」「祭壇」「ホール」「行き止まり」「階段」・・・誰かが調べて貼って行ったのだろう。
信じて良いものかわからないので探索をかける。標識が正しくても罠が残っているかもしれないしね。
次々と見ていく。うん正しい、正しい・・・階段って何処に繋がっているのかな?
そもそも行き止まりにあるトンネルの意味は何だろう?
まず祭壇まで行って調べてみよう
皆でまとまって祭壇に続くトンネルを進む。
祭壇の間に来ると中央に祭壇があった、何処かで見覚えがある。ダンジョンのコアホルダーだ
死んだダンジョン?死んでいればグランドマスタールームで存在の確認は出来ない。
壁画があると逝っていたので周囲を見渡してみる。大陸地図みたいだ、ダンジョンのある所に印がついているみたいだ、私の知っているのとは少し違うか。多くのダンジョンの情報があると言うことはグランドマスタールーム?
しかし今のグランドマスターは私のはずだ。
という事はダンジョンマスターが複数存在する、あるいは存在したかだ。
あと年代が違えば、このダンジョンを放棄して移転した。とも考えられる。
ダンジョンコアが壊されたら破片があるはずだし、持ち去られたか、何らかの理由で移転したかだろう。
〈主、ここ覚えがある〉
エンドラ?
〈大昔に壊したと思う〉
何らかの理由というのはエンドラに壊されたから。なにしてんのエンドラ、
〈てへぺろ〉
可愛くないし。
行き止まりはダンジョンの階層に向かう通路で行き当たりに階層の入口があったんだろ。
転移石があったのかもしれない。
どのみち機能していないのでわからないけど。
そうすると階段ってなんだろう。
「みんな、ここは昔ダンジョンだったみたいだ」
「そうなのか、この祭壇は?」
「それはおそらくダンジョンコアが置かれていたのだと思う」
「よく分かるな」
「賢者の書に挿絵があった」
「俺も見たい」
「残念だけど今は禁書扱いになってしまっている」
「エラン様、ロマンですね」
「そうだね、太古の昔どんなだったんだろうね、思いが膨らむわ」
「この壁画は何だ」
「大陸の地図みたいね、印は昔のダンジョンがあった場所かしらね」
「いくつか大陸があるが、俺の記憶とは少し違うな」
「私の記憶とも違うわ、でも賢者の書にあった地図には似ていると思う」
わいわいと皆自分の意見を言い合う。
「皆、階段ってなんだと思う?」
「階段は階段だろ」
「何処に繋がっているかって事よ」
「下か上?」
「別に階段の定義なんて聞いてないわ」
「行ってみれば? 行くだけなら既に誰かが行っているから安全だろ」
「罠が残っていなければね」
エンドラ、次の間の階段ってわかる
〈昔過ぎてよく覚えておらんな〉
仕方がない、行ってみよう。
「とりあえず私とマギドラが先に様子を見てくる、安全そうならば呼ぶわ」
数十メートル進むと、小さなホールが有り、地下へと続く階段らしき者がある。探索を掛けて安全を確認しながらゆっくりと下っていった。200段ぐらい降りた所でまた小さなホールらしき所にたどり着いた、そこから先にまたトンネルが続いている様だ、トンネルの入口にはご丁寧に『怖いので未調査』と張り紙がしてあった。行かなかったのか、見なかったことにしたかったかどちらかだな。
その先に100メートルほど進むと大きなホールの様な場所に出た、今はプチライトの魔法で照らしていたが、とても広そうで、光が届かない様だ。「ライト」まだだめだ「ビッグライト」ほんのりと明るくなり広さがだいたい分かる程度だった。「ヒュージライト」ホール全体が明るくなった。
そこで見たものは、巨大なドラゴンの形をした岩であった。
〈主、思い出した、これは儂じゃ〉
なんと、自分の本体忘れとるんかい
〈ここで岩にされて、魂を封印されていたんだった〉
なるほど
なるほどじゃなーい、何してんのほんとに
それで戻れるの?
〈むりじゃな、完全復活するには体を再構築するしか無いな
主なら出来るじゃろうが儂は今のままが気軽で良い〉
依代を作ればよいって事か、まあそのうち考えてみよう
周りを探索すると、オリハルコンの鉱石が山のように
〈そうじゃ、主よ、ここには主が言うところの貴重な鉱物が沢山あったはずじゃ〉
なに、その情報、涎が出そう。
〈儂はこれを食べていたらなんか人間に怒られてな、無視していたら封印されたんじゃ〉
残念な情報だ、食いしん坊エンドラ食欲に負けて封印された?
人間って多分ダンジョンマスターだよね、人族では無いだろう。
それにしてもオリハルコンが美味しいって意味がわからない
まあいい、私は第2のエンドラになったかの様にオリハルコンを山のように採取するだけだ。
小一時間して
よしっ、充分採取した、見えるところにはもうオリハルコンは無い。採取に関してはもう超熟練プロと行っても過言ではない。ヴァルハラ鉱山で鍛えたからね。
まだ深いところには沢山あるみたいだからオリハルコンが欲しい時にはここに来よう。
さて戻って報告だ、
「安全は確認した、一番奥には巨大なドラゴンの岩があっただけだった」
「よし、みにいこうぜ」
皆を連れてエンドラの抜け殻を見に行った。
皆事情は知らないので、「すごいなー」で終わった。
帰る時にホールの入口はバリアで封鎖しておいた。私のオリハルコンを取られない様にね。




