037.ドロシア帝国(1)
もう一つのパーティーも無事にクリア報酬をもらって、翌日我々は帰路についた。
ぱかぱかと走る馬車に飛龍が突っ込んで来た、ドーラだ
どうやら私とアルスに緊急連絡らしい。
手紙を開くと、緊急招集と書いてあった
ステライズ帝国の皇帝直々に呼び出しがかかった。
何事だろう、教師に連絡して授業を抜ける事を告げる。今回はもう帰るだけだし修了で良いそうだ。
アルスのティムした飛龍もやってきた、この場から2人は直接帝国に向かうことにした。従者ズは待機だ、追ってきても彼らが帝都に辿り着く前に我々が王都に帰ることになるからだ。
途中エルフ農園で休みを入れてから帝都に向かった。
もちろんエアロ商会の件の相談もした。結構乗り気の様だ。
帝都に着くと面会の場が設けられた。公式ではなく非公式の面会らしい、何だろう。
「緊急の呼び出しで申し訳ないな、早速用件だが
実は、ドロシア帝国から同盟の打診があった
これが意味することは分かるなエラン」
「はい、ドロシア帝国は我がドジデス王国とステライズ帝国双方に面しています。
おそらくは王国に侵略戦争を仕掛けるつもりでしょう、
2国を相手にするのはリスクがあるためステライズ帝国を一旦仲間にして参入を防ぎ
王国を占領してしまう、そしてその後同盟を破棄して今度はステライズ帝国を侵略する
と言った筋書きでしょうか」
「エラン、そんなことはないだろう」
「いや、エランの考えで良いと思うぞ、よくわかったな」
「図書館の本をすべて読んで歴史的観点から判断しました」
「どうしたもんかの」
「私の意見でよろしいでしょうか」
「かまわん、言ってみよ」
「ドジデス王国はドロシア帝国の宣戦布告前にステライズ帝国と同盟を交わしたいと思います
ステライズ帝国はドロシア帝国への回答は保留したままが良いでしょう
ドロシア帝国は私が処理します」
「帝国の手は借りないと申すか?」
「万がいち、いや億がいち私が負けた時にご迷惑がかかります、また過剰戦力になると思われます」
「手柄も渡さぬと?」
「王国が勝てば弱体化したドロシア帝国は狂ってステライズ帝国を襲うかもしれません、その時に存分に手柄を立てれば問題ないでしょう、ステライズ帝国から仕掛けても良いかもしれませんね」
「わかった、働きによっては褒美をとらす」
「ありがたき幸せ」
ーーーーー
大変だ、すぐに王国に帰ろう
「エラン、戦争をする気か?」
「アルス、当然でしょ、侵略を受ければ滅亡よ、全力で対処するわ」
「俺は・・」
「あなたに戦力は期待しないわステライズ帝国の見届人になってちょうだい
私は先に行くわ」
さて忙しいぞ、転移で国王のもとに駆けつける
「父上お話が」
「なんじゃ?」
「実は、ステライズ帝国からの・・・・」
事情説明し早急にステライズ帝国との同盟を進めてもらった。おそらく猶予はない。
「侵略戦争に対抗するために私が出るわ、総司令官に任命して」
「おまえはまだ未成年だろ、駄目だ」
「どうしても戦わなくてはならないの、私の大切な国と民達を守らなければならないの」
「それは儂も同じ気持ちだ、だが駄目だ」
「兵を一人も傷つけないと約束するわ」
「無理だろ、多大な被害は免れない、だから諦めろ」
「じゃあ、兵を一人も死なせないと約束するわ
将軍と一騎打ちして勝ったらお願い」
「騎士団に勝ったからと言って、あれは手加減してもらっているんだぞ、勘違いするな」
「なら将軍と一騎打ちは私が負けると思っているのね、だったら勝ったら総司令官になってもいいでは無いですか」
「もうわかった、ジャラルド将軍を呼べ(王国最強の戦士だから大丈夫じゃろ)」
場所は闘技場、武神と将軍の勝負は見ものだと大勢の人が集まった
「エラン様、騎士団での噂は聞いておりますが私が不在の間、武神などと祭り上げられて、少々おいたが過ぎますな」
「ジャラルド将軍、総司令官の座は私がいただく、兵を傷つけないと言ったが将軍は兵ではない覚悟」
国王はもしエランが勝ったら司令官を任命しなくてはならなくなるので、どちらを応援していいのが戸惑っている。
審判がルールを説明する
「武器の使用は可能、魔法も許可、体術も可能、ただし一対一だ、
戦闘不能と判断された場合、または降参した場合は負けだ
相手を殺してしまったら負けだ
いいな、はじめっ」
『オールウェポンフリー』心のなかで唱える
武器はドラゴンソード、バリアの魔道具を起動
将軍の武器は普通の大剣、問題なし。
ガシン、ガシン
結構重い攻撃だが、動きが遅く当たりはしない、土を掘っている。
そう言えばドラゴンソードって素振りはしているけど対戦に使ったことは無いな
「えいっ」
しゅぱん
大剣が半分になった。もう一度
しゅぱん
将軍の手には柄しか残っていない。投げつけてきたがさっと避ける。当たってもバリアがあるし大丈夫。
「さあこちらからも行くぞっ」
しゃんしゃんしゅぱん
将軍の防具が次々と崩れ落ちていく
ドラゴンソード強いな
〈当然じゃ、儂の分身じゃ〉
まあそうなるよね
しかし将軍はまだ負けを認めていない、油断して手を緩めてはいけない
次は魔法攻撃だ
「そこまで」
「えっ」
審判からストップがかかった?
よく見ると将軍は恐怖のあまり立ったまま気絶していた。下が湿っているのは見ないであげるよ武士の情だ
大勢の目撃者がある国王は引けなくなり、私が総司令官に就任した。
将軍よ悪いな、こんなことがなければ私がしゃしゃり出ることは無かったんだ、恨むならドロシア帝国を恨むんだな。




