030.学園(14) 新学年
新学年が始まる。
前に試験がある。
といっても、Sクラスで落第するものは居ない。排除したため人数は半分に減ったけど。
最下位のEクラスのみ進学試験がある。その他はクラス分け試験になる。
座学と実技。もちろん何の苦も無くクリア。
Sクラスには1回生の時のメンバーに加えて新たに2人加わって12人になった。良かった偶数を確保。パーティーメンバー数は4人になるのかな6人になるのかな。
4人だったら従者その2は別のパーティーになる。どっちだろ?
従者2人がそれに気付きびくつく。がんばれ従者ズ。まあ居ても居なくても変わらないけど、どちらかと言うと新しいメンバーが気になる。興味を失って新しく加わった2人の方を見ると従者ズは更にびくついている。
もし4人パーティーになったら私と、エレンとその2人という選択肢もある。アルスよさようなら。
新しい2人は男女。Sクラスでは珍しく平民で商家の兄弟だそうだ。元Aクラスらしい、この1年で実力を上げたのだろう。離れ離れになるのは可愛そうだから、4人の時は私とエレンとその2人。6人の時はそこにアルスと従者の1人になるかな。
結果、パーティーは6人になる様だ4人では少なすぎて危険なのだそうだ。もちろん予定通り新規2名をゲットした。まあ他のパーティーが平民がメンバーに入るのを嫌がっていたので、ちょうどよかったみたいだ。これから自領の立て直しには商家の伝があるのは嬉しいので歓迎した。
「ようこそSクラスへ、私はエラン、そしてこちらがエレン、隣国皇子のアルス、とその従者1よ」
「お前が仕切るのか?」
「他に誰が?エレンはちょっと引っ込み思案だからダメだし、えーと他に適任者は居ないわね」
「俺が居るだろ、1回生では俺がリーダーだったはずだ」
「そんな気もするけど、帝国の件で失墜したわ、残念ね」
「泣くぞ」
「どうぞ」
「皆さん仲が良いのですね、私はロレイン商会のロン・ロレイン、そしてこちらが妹のラン・ロレインです。よろしくお願いします。」
「ラン、名前が似ているわね、親近感が湧くわ、よろしくね。ロンも
あなた達のほかは皆貴族だけど、学園内では身分は関係ないわ、友達感覚で良いわよ」
「はい、賢者エレン様とお近づきになれて嬉しいです、既に魔道具師として認められ数々の魔道具を開発なされているとか」
「必要に迫られてよ、それにしてもロレイン商会だったら人脈も広そうなので頼りにしているわ、私の領にもたしか支店があったわよね」
「はい、前領主と前代官のもとではかなり厳しい税に悩まされましたが今は新しい代官になり状況が良くなりつつあります、これもエラン様の力によるものと聞いております」
「新しい事業の相談があるんだけど、こちらのアルスとロレイン商会に紹介してくれない?」
「はい、是非・・・」
「おい、授業は始まっているんだぞ、静かにしろ」
怒られちゃった。
午後は実技の授業。彼らは座学は問題なかったが実技は少し苦手らしかった。と言ってもSクラスなので一般レベルよりは上である。2週間後には隣領にある中級ダンジョンでの授業がある。シーランドダンジョンではない良かった。
それまで王都ダンジョンでの自主練に誘った。彼らは商会には色々な経験が必要である事から冒険者としての活動もしていてダンジョンも初めてでは無いようだ、なので主に連携の訓練だ。
2人は既に連携が取れているので前衛を任せた、後衛をアルスと従者その1、私とエレンはその間で楽を・・じゃなくてフォロー役だ。
一気に4階層まで行き小動物魔物狩りで連携の確認をする。小物であれば前衛2人でほぼ完結する。ただしさすが商会の人間、いつもならドロップ品はスルーするのだが、私達が回収役をやらされた結構忙しい。
私はアイテムボックスがあるから良いようなものの他のパーティーだと大変だろうな。
よく考えたら私はダンジョングランドマスターで全ダンジョンの統括者になったんだった。ダンジョンでは何も心配することは無い。お気楽な授業なのである。楽勝だ・・・
「きゃあーー」
またか、前回はドラゴンとかミノタウロスが出たんだったっけ?もうここのダンジョンマスターは無茶しないはずなんだけどなあ。
叫び声のした方に向かって行くと数人の冒険者が見えた。駆け寄って話を聞くとメンバーの一人が穴に落ちたらしい。見てみると階層間を繋げる階段のものとは違う穴が空いていた。覗き込んでみると真っ暗で底が見えない。
ダンジョンマスターに聞いてみよう
〈ダンジョンマスター、4階層に穴が空いていたんだけど〉
〈お久しぶりです、この度はグランドマスター就任おめでとうございます〉
〈挨拶はいいから状況の説明してくれない?〉
〈あのですね、実は前回の無理がたたってダンジョンにほころびが出はじめてて修復に追われる毎日なのです。たすけてーー〉
〈落ちた人はどうなるの?〉
〈ここは洞窟に投射された空間なので洞窟とこの空間の狭間に落とされているかと〉
〈救出出来る?〉
〈もちろん出来ますが、今ちょっとコアの魔力が足らなくてですね、 魔力ちょーだい〉
〈わかったとりあえずマスタールームに行くね〉
「ちょっと行ってくる」
隠密スキル発動して姿をくらまし、ショートカットキーを使いマスタールームに来た。
ダンジョンコアは枯渇しかかっていた。まだ余裕があると思っていたのに。なんで
〈説明してくれるかしら〉
〈調子に乗って階層を増やしていったら足らなくなっちゃって、維持管理に問題が出てきちゃった
10階層が最下層と思っているので皆来ないし〉
〈なんと計画性のない、で今何階層まであるの〉
〈50階層〉
〈あほか、これ以上階層を増やしたらダメよグランドマスター命令よ〉
〈わかりました、どうか解任しないで下さい、私ここを追い出されたら行くところがないんです〉
泣き落としか
〈コアは10%だけ充填してやる、後はやりくりするんだぞ〉
〈はい、落ちた人はぽいって戻しておきます〉
ダメマスターしか居ないのか?前グランドマスターの分体のまた分体かな弱体化しているのだろう。
「ちょっと行ってきた、落ちた人は戻って来るはず・・」
ぽん
穴がふさがり、落ちた人が出てきた、3人も
以前にも落ちたやつがいたのか。
我々は連携確認も出来たので、ダンジョンを出てギルドで精算した。大量のドロップ品だったから一人金貨1枚になった。私のLUKは近くにいれば有効みたいだ。
「ギルドマスターに話があるんだけど、取り次いでくれない?」
美人の受付嬢にお願いすると応接室に通された。
やばい話なので私一人だ
しばらくしてギルドマスターが部屋に入ってきた
「エラン様どの様な件でしょうか」
さすが、武神、賢者ともなると対応が丁寧みたいだ
「新情報です、王都ダンジョンは50階層まで拡張した様です」
「なにぃー」
ちょっと怖い
「えっと新情報です」
「それが本当ならすごいことになるぞ、階層の情報はあるか」
ダンジョンマスターに教えてもらえるだろうが、それではつまらない
「今のところありません」
「ではなぜ50階層と?」
しまった、どうしよう、
「私は賢者エラン、ダンジョンの様子が変わっていたので階層を検索で検知してみました。」
「そんな事が出来るのか?」
「賢者ですから」
本当はグランドダンジョンマスターだからだけど、それは言わないほうが良いよね
「わかった、A級パーティーに緊急調査依頼を出そう、確認できたら報奨金が出るぞ」
「ありがとうございます」
ダンジョンはちゃんと運用しないとダンジョンコアに充填されていかないんだわね。探索者の魔力とか何かが消費されることで循環されるらしい。グランドマスターなのに細かい所は知らない。




