291.御神幸(7)
巨大な食材をゲットしたが、これは一匹だけ・・・だよね。
食材発掘したとは言えない。
湖畔でのキャンプはそのまま拠点とした。 湖は広くて調査するには時間がかかりそうなので、とりあえず洞窟調査をする事にした。
その時、エマージェンシーボタンが押されたみたいだ、何処かな?
どうやら地球のようだ、地球へ行ってきたとしてもここでの経過時間は0なので、トロを連れて地球へ行くことにした。
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「法皇、エマージェンシーボタン押した?」
「はい、実は大変なことになりまして」
「どうしたの?」
「A国とC国が連邦に宣戦布告しました」
「なんでまた連邦に・・・核兵器がなくなったからか?」
「おそらくそんなことだろうと思います」
「連邦は賠償金払ってないよね、ということは連邦は私の担保品よね。
つまり、A国とC国は私の担保品をかすめ取ろうとしているって判断で間違いないよね」
「そう考えても大義はあるかと」
「A国とC国に通達をお願い、『連邦に入った窃盗団は排除します』と」
「了解しました、が、両国は既に境界の柵を超える橋を建設して軍隊が入り込んでいます」
「問題ないわ、想定内よ」
「どの様に?」
「柵は上に伸びるのよ、ずーーとね
・・・
よしっ、伸ばしたわ、橋は寸断されたみたい
あとはいつもと一緒、物資を没収、武器を没収、人は連邦がなんとかするでしょ
身ぐるみ剥ぐから・・今、冬かしら・・・大変ね」
・・・
ちょっと頑張って没収してきた。服とか靴とか私は要らないので連邦の人にあげた。とても喜ばれた。
また戦車とかロケット弾とか不要物が増えてしまった。不要物保管惑星でも作ろうかな。
「法皇、盗賊団の処理終わった」
「エラン様、A国とC国から抗議が入っています」
「なんで?、盗賊団を処理しただけだよ」
「敵対行為だと言っています。空爆を実施するとか・・
捕虜を開放しろとか・捕虜の扱いがどうたらとかも・・」
「そうまでして、武器弾薬の消化をしたいのかしら、消耗品の更新が必要な時期なのかな? 軍需産業からの圧力かな?
じゃあ私が協力してあげる
それから、私は捕虜を獲っていないわ面倒だから、それに単なる盗賊団だし、捕虜条約もないし」
「そうは思っていないと思います」
「そうなの? じゃあご自由に、武器弾薬の消化だけは手伝ってあげる」
爆撃機を押収した・・・乗員は・・落ちていくね・・優しい私は助けてあげる、パラシュートは返してあげた。
「爆撃機は押収したわ、これで解決ね」
「両国が賠償金を払えと言ってきました」
「なぜ?、窃盗団に賠償金を払う必要はないわ、払わなければどうなるの」
「宣戦布告するとか・・」
「じゃあ問題ないね、連邦の二の舞いになるだけなのに・・・馬鹿ね」
「両国とも謝罪はしない国なので、戦争は避けられないですね」
宣戦布告はなされ、私はまた忙しい日々を送った・・・
こういうのは長引かせると双方に負担がかかる、『即断即決』一人で多人数に勝つ手段らしい、中学校の先生に教わった。・・ちょっと違うか。
「お腹すいた」
「準備は出来ております」
何日か食べ続けた・・
「ふぅ〜〜、流石に手間がかかったわ」
物資・武器・弾薬が半端なく大量にあったのだ。
金塊が結構あったので色々使えて嬉しい。
色々枯渇させちゃったけど大丈夫だよね?
「両国とも天の裁きと悲観にくれた国民が数多く居るそうです
当然両国とも首脳陣は国民に排除された様です。」
「資金あげるから市国が手を差し伸べてあげたら?
こういう時こその宗教でしょ?
私もこういう時は、炊き出しなどして人々を救ってきたわ。 ・・・ちょっと違うかな。
・・もう帰って良いかな? これでも色々忙しいの」
「お任せ下さい、世界平和は私達の願望です」
「大げさだなぁ、じゃあね」
もちろん帰っても経過時間は0なので忙しいと言ったのは精神的な負担の話。
速く帰って洞窟探検をしたいというのが本音である。
ーーーーー法皇視点
女神様は色々やりすぎてしまうことが多くて困る。でも戦争は避けられた・・・が、良いのか?
色々疑問符が頭の上で渦巻いているが、他に良い策はなかった。
軍の力関係による支配は意味がないことが知れ渡った事と思う。 これからは国のあり方も変わってくるだろう。 今回の結果が吉と出るか凶とでるかは誰にもわからない。 いや、女神様はわかるかも知れないが、未来は見ないことにしているらしい。 無限にある未来の一つを見ても意味が無いからだとか。
女神様は異世界に帰ると言う、・・・私も何処かへ帰りたい・・・が、帰るところは無い。
私も女神様の世界に行ってみたい、前須が羨ましい、ここに居る時よりも明らかに表情が明るくなって活き活きとしている。




