028.学園(12) 後期長期休暇(5) 飛龍
帝都ダンジョン探索結果は、皇帝と第2皇妃とアルスのみに全て報告した。
私の別荘地になったことも。ここに引きこもって一人でまったりと過ごそう。
『暁の星』には既に活動を停止したダンジョンで何もなかったと報告した、嘘ではないよ、入った時は何も無い廃墟だったのだから。「残念」テヘペロしておいた。
ジークの家にはそこそこ財産があったので、その没収された財産から今回の依頼の必要経費が支払われることになったので赤字にはならなかった。バリアの魔道具とかは買い上げみたいなものだから利益は出たのか。
『暁の星』に貸与した魔道具はそのまま下賜になったので、彼らが一番特をしたようだが、急作りのためアホみたいな魔力が必要でそうそう使えないだろう。
アルスからの指名依頼料は金貨100枚とケチ臭かったがまあいい、学友が救われたのだから良しとしよう。
私は引きこもり用の別荘地も手に入ったしめでたしめでたし。
おまけだが、皇族を救ったことで勲章と貴族の爵位をもらった、王都に領地を持つ身なので領地なしの名誉男爵ではあるが、帝国の一員でもある事を公式に認めた形で二重国籍になってしまう。人材取り込み作戦とも言える。
まあエランダンジョンの別荘を領地と考えると非公式には領地持ちとも言える。
戦争になった時どちらにつくか困るな。その時は私が間を取り持たなければいけないんだろうな。
それより我が領が心配だな、テコ入れが必要だろう、前代官は放置したのがまずかった。次はもっと介入しよう。引きこもりのために全力で取り組もう。
ダーシン教の動きなど気になることはあったがそろそろ王都に戻らないといけない。
〈主、飛龍がたくさん来るぞ〉
エンドラの警報だ
「え゛ー終わってなかったの?」
飛龍とは会話できないよね
〈出来るぞ〉
どうして来たのか聞ける?
〈わかった・・・・住処にしている洞窟から追い出されたらしい
前に一匹さらわれたこともあるし、また人間の仕業だと思って来たらしい〉
洞窟って? 最近の心当たりではダンジョンしか無い
ひょっとして飛龍は活動を停止した帝都ダンジョンに住み着いていたのでは
そしたら、ダンジョンが再起動することで追い出されたのかも
私のせい?
もしそうなら、「そこはダンジョンマスターの持ち物だ、少し留守にしていたら彼らが勝手に住み着いただけ」という事で通そう。
エンドラ、そういう話の流れで交渉してくれ。
〈交渉するが、落とし先はどうする主よ〉
「ダンジョンを変更してまた洞窟に戻すから、そこを住処として貸してやる。
その代わり、人間の物流に貢献しろ、報酬として食べ物は渡す。
人間に雇われるのだから、これから人が襲うことは無い、良い関係を築けよ」
とかで交渉して
異世界あるある、飛龍便が実現できる。
〈主も、悪よのう〉
エランダンジョンのマスタールームに行ってダンジョンコアさんに聞いてみる
「教えて
ダンジョンを再起動して1階層を作った時、どこに作ったの?」
〈山の中腹にある入口を閉ざして、ダンジョンの入口の階に作りました〉
「そこには何か居なかった?」
〈飛龍が住み着いていたので追い払いました〉
やはりそうか
「1階層の入口は要らないから別のところにそのまま移して、その場所を飛龍の住処に戻せる?」
〈可能です、ダンジョンの各階層は実際には同じ場所にはありません、マスタールームがちょうど帝都の下にあっただけです〉
「そうなの、じゃあやって、別荘は大丈夫?」
〈問題ありません〉
よかったよ、せっかく隠れ家を作ったのに。
「エンドラ、元に戻したよ」
〈飛龍達は納得しました〉
あとは飛龍便の設立のために皇帝と交渉しなくっちゃ
「アルス、皇帝と交渉したいので取り次いでもらえる?」
「なんだ急に、また暗殺者か?」
「いいえ違うわ、ビジネスの話よ、実は飛龍と交渉したら、餌を与える代わりに物流を手伝ってもらえるみたいなのよ」
ものは言いようだな
「本当か?」
「ただし飛龍は山の中腹に住んでいるから通いになるんだけど」
「その事業、俺にやらせてくれないか?」
「もちろん良いけど、関係各所へはちゃんと話を通してよね、それとリベートも」
「がめついな」
「失礼な、口出しはしない代わりに利益の10%で良いわよ」
当面の交渉はエンドラを通じて私がやるけど、事業化したあとはどうしようかな?
アルスが念話なんか出来ないだろうし。
「エンドラ、何か良い方法ある?」
〈従魔契約という方法はあるが、主は飛龍たちとはビジネスパートナーとして扱いたいのだな〉
「そう、人間のわがままが通ってしまう関係は良くないと思うのよ」
〈(主のわがままは通り放題だがな) では一匹だけ従魔契約して通訳にしたらどうだ?〉
「その一匹の処遇を良くすれば立候補してくれるかもね」
「アルスは魅了が使えるのでひょっとしたらテイマーの才能もあるかもしれないね」
「アルス、テイマー出来る? 出来るなら飛龍に通訳をさせられる」
「さあ、わからん」
「よし、訓練しよう、それまでは私が通訳をするわ」
「ところで学園はどうするの?」
「お前だって領地運営に口出しするんだろ」
「飛龍に送ってもらうから可能よ(風精霊の羽を使えば自分でも飛べるけど内緒)」
「俺もそうする」
「じゃ早くスキルを習得してね
まず小動物からいくわよ」
「お前はスキル持っているのか?」
「私にはこのエンドラがついているから大丈夫、
けど直接話したい、一緒に覚えましょう」
それから地獄の特訓が始まり、アルスとエランはテイマースキルを得るのだった。
「負けた、エランに先を越された」
「当然よ、私は賢者エランだからね(女神の加護のおかげだけどね)」
そして私は美飛龍のドーラを専属としてゲットしたのであった。
〈ドーラ、よろしくね〉
〈こっちこそよろしく主、なんか従魔契約したら力がみなぎってきた、主すごい〉
〈人化って出来るの?〉
〈普通の飛龍じゃ出来ないけど従魔契約した今は出来そう〉
〈やってみて〉
くるっとでんぐり返しをすると、可愛らしい美少女になった、そしてかっこいい容姿。
でも人化するのにでんぐり返ししないといけないの?〉
〈ちょっとやってみただけ〉
〈人化の時のポーズを考えようかぁ
例えば片足を軸にスピンしていると人になっているとか
片手を上げて『変身』とか言って光の効果を入れて人化するとか
ポージング〉
〈主、飛龍でスピンできない〉
〈じゃあ高速で回転して・・〉
〈目が回る〉
〈じゃあ光の効果だけにしよっか〉
〈光の効果必要?〉
〈あなた今すっぽぽんよね〉
〈飛龍だから〉
〈人の姿の時は服を着てね、光の効果に紛れて服を着たり脱いだりするのよ
人前で人化しなければならない時に着替え姿を見られたらカッコ悪いでしょ〉
〈わかった、服はどこに持っておくの〉
〈任せなさい、私は賢者エランよ、サイズ自動変更のチョーカー型マジックバッグをあげるわ〉
〈やったー、主から物を貰えるのは嬉しい〉
「アルス、サイズ自動変更のチョーカー型マジックバッグ買わない?」
「どうして?」
「そりゃあ・・・」
説明すると納得したのか2つ買ってくれた
「もう一つは?」
「自分もほしいから自分も使う」
このチョーカー型のマジックバッグは実はスグレモノなので
クビを切られそうになったら、刃物をそのままマジックバッグに入れてしまえば大丈夫なのだ。
さあ買った買った、今なら1つ金貨50枚だよ。
ーーーーー
ドーラの住処に行ってみた。
なにかゴソゴソとうごめくものが
Gだ
殲滅対象だ
「ドーラ、あなたは此処に戻ってはいけない、そして、徹底的に洗浄するわ」
「えーかわいいのに、うんち食べて綺麗にしてくれるし」
「駄目です、ぜーたいに駄目」
「洗浄、百回の刑よ」
ぴっかぴかにしました
「よしっ」




