275.破壊神デストラ(1)
私は破壊神デストラ、『破壊神』と言われて恐れられているが、『破壊と再生の神』だ
そんな私の所に数少ない友神のヴィーナルスがエランという新たに神になった『迷宮神』を連れてきた。
そのエランからすると私は『発展の神』なのだそうだ、スクラップ・アンド・ビルドとか言っていたな。
私はどちらかと言えば恐れられ、嫌われている。 なのに彼女はおかしい、「デストラ様尊い」とか言ってぎゅーと抱きついてくる、鬱陶しい・・・が嬉しい。 私が怖くないのだろうか?
彼女自身は自分は『迷宮神』だと言っているが、私のように星も気軽に壊せるし、ダンジョンで新しい世界も創造できる。 彼女こそが『発展の神』と言えるのかも知れない。
創造神は居るがやつは世界を創造した後に出来る残渣でしかない、私はその世界の新陳代謝として生まれた。 会ったことは無いが『絶対神』がそれらを司っているらしい。
精霊から神になった者はいる、だが彼女は違う、人種から神にまでなったらしい。 かなりレアなケースだ。
エランは何故か私と同じ姿を模して、『デストラシスターズ』を結成した。そして私を姉として慕う。
私達2柱が居ればこの世の終わりとも言える破壊の限りを尽くせる。 だが彼女は破壊自体は嫌いみたいだ、壊すのはすぐ出来るが作り出すのは大変だと。 そう言われると私がすぐ破壊したがる子供のようで、彼女のほうが姉っぽい。 が、彼女は妹役が良いみたいだ。
デストラシスターズが何をするユニットなのか知らないが、彼女も知らないらしいので聞けない。ただつるみたいのだろう。 ヴィーナルスは彼女の恩神だそうだが、「ヴィー〜」と慕って姉のように接している。
シスコンなのだろうか?
なんにしても賑やかで嬉しい。 誰も寄り付かなかった自分の過去が疎ましい。 ヴィーによると私の表情が以前より明るくなったそうだ。 ただ、他の神々は不気味だと私を更に避ける様になったが・・・
魔王神とも仲良くやっているようだ、知り合いに魔王が居るらしい、というか彼女自身魔王だという。当初魔王神という存在自体にも疑問を持っていた時があったが、魔王が悪であるわけではない、おとぎ話による風評被害に過ぎないと思い直した。
彼女はそんな魔王の悩みまで解決してあげている。 弱体化しつつある魔王という存在を本来の姿に戻すための「魔王養成ダンジョン」を作ったのだ。その事は同時に魔王神の助けにもなっている。 多くの神は自らの守備範囲にしか気にかけない、最悪それすら無視するのに、彼女は自らのことだけでなく他の神にもを気を配ることが出来る。
彼女が新たに手をかけている星で、住人に名付けをしたそうだ、神が人族に名付けするのは眷属にするに等しいが、人族であった時の調子で気軽にやってしまっている。 名を失った者たちを呼びづらいと言う単純な理由からだそうだ。 一応これ以上名付けは止める様に注意した、影響力が大きすぎるからだ。それからは名付けはその眷属に任せたが、それだって従僕になってしまっている。 まだ神としての自覚がないから仕方がない、先輩として神の常識をヴィーといっしょに教える事にした。
そんな私にも困ったことが起きた。私の管理している星に問題が生じたのだ、エランに相談してみよう。




