251.第5惑星ニア(4)
「任務完了おめでとうございます」
彼らはもう此処の環境に慣れてしまっていて、こちらに来るには辛いだろうから私が彼らのもとに訪れた。
「「「こちらこそフォローありがとうございました」」」
「さて、全体を通して何か言っておきたいことは、・・ニアルファ」
「はい、私の考えでは人数を少し増やしてもう1年継続してみてはどうかと。
1年では継続生存が可能かの判断は難しいと思います」
「そうね、最初から長い期日を切ると参加者が居なくなると思って1年にしたけど、そういう声を聞くのは嬉しいわ」
「私はなかなか馴染めませんでした、もう1年頑張ってダメならリタイアしたいです」
「そう、でもここの滞在が長くなりすぎると戻るのも辛いわよ。
途中でも無理だと思ったらリタイアしてね。
じゃあこのメンバーにもう6人増やしてもう1年継続で良いですね
そうね前回の試験の残りの上位から5人、最下位の者を1人採用します」
「「「お願いします」」」
ハウスは同じものを少し離れたところにもう一つ増設した。医療ポッドは最初の一台で大丈夫だろう。
生存性調査の2年目が始まった。
最初の1年は採取が中心だったが、今回彼らは本格的に畑を拡張する様だ、小動物から畑を守るための柵作りもしている。柵の機能と罠の機能を兼ねているので効率的だ。捕まえた獲物は干物にして保存食にしている。
伊達にサバイバルダンジョンを生き抜いてきたわけではないみたいだ、変に仕切りたがる者やマウントを取りたがる様な不要な者は既に淘汰されてしまっている様だ。聞いてみたら、群れる奴らは群れが維持できず破綻したらしい。
平等を謳う群れは人の数だけ増えて破綻し、差別化して群れる者たちは内部崩壊していった。残ったのはソロと数人で構成されたパーティーぐらいだったそうだ。
それが原因で生存者もだいぶ減ったらしい。死んだ者はダンジョンに還元されていったそうだ。南無
・・私のせいか。
残ったものは優秀ということだね。そう考えると優秀なものがたくさん居るな。
1万人は移住を希望しているってことだ。・・・残り2万人は・・・?
一度に移住するとリスクが大きい、問題がなければ、倍々で増やしていこう。
国?と呼べるものではないが街の統治は当初のメンバーの議会制とした。以降は彼らに任せることにした。
もちろん此処にも教会と女神像は配置した。実際に御利益があるからね。そして、エラン教信者は増えていくことになるだろう。
教会はすごく便利だって・・しまった、あまり便利なものを与えるとその後際限なく要求されそうだ。
トイレとか浴室とか色々便利な機能を備えているから。
・・・要望書が来た。公衆トイレと公衆浴場を作ってくれというのだ。衛生管理は大切だなぁ、病気とか流行るといけないな・・・仕方ない。作ろうか。
ある程度の規模の街になった所で彼らからまた要望があった。ダンジョンを作って欲しいというのだ。
もちろんオッケー、私の本業だからね。
獣人国の魔法人族に作ったダンジョンを参考に作った。あそこも自給自足を前提にしたものなのでそれで大丈夫だろう。
結局私は良いように使われている・・。




