201.オリンポス国(2) 秘密結社
その後、奥の休眠室で眠らされていた妖精達20人を起こし妖精の里に送った。
フールは里においていけないのでノワルに監視させる。
「妖精たちよ、大精霊と行ってもピンからキリまで居る、こんなやつに長を任せるな」
「「「エラン国王、ありがとうございました」」」
王と認めてくれたみたいだ。
村連合議会にも参加してくれるそうだ。よかった。
ちょっと遠いからリモート会議システムを導入しようかな。
妖精の里での話から、他にも山に住んでいる民族が居るらしい。行ってみよう。
ーーーーー村連合議会
「議長、どうだった?」
「国王は基本的にはとても優しいが、それは仲間限定らしい、山に住む妖精の仲間を救ったが、その原因となった者を仲間の頼みで許した、その原因となった者は隷属化されたがな。
新生ドロシア帝国の戦線では戦鬼の様だったという噂もあるし
優しさと非情さ、どちらも持っている」
「俺たちはどうなんだろう?」
「今の所は仲間の範疇だろうな」
「無税だから良い国王だな」
「いや、無税と言うことは我々は居なくても良いって事だ、山の管理をするなら無税って事は、山の管理をしなければ不要物として排除されるって事だ」
「つまり我々は?」
「国王に嫌われない事、山の管理をする事だ。
幸い管理のための見張り塔などは国王が準備してくれるから、我々は人員を確保し不法投棄などを取り締まるだけだ、取締りの荒事は国王がするらしい」
「拒否したら?」
「この国には居られない、逆らえば、隷属化されて国に入れないと命令される、新生ドロシア帝国に行けば圧政に苦しめられるから今以上の環境は何処にも無いな」
「俺は国王に従っちゃうから問題ないな
なんか自分の娘みたいで可愛いし」
「お前の娘は可愛く無いだろ」
「それ、本人の前で言えるか?」
「言えるわけ無いだろ、本当の事を言ったら冗談では済まない。息子の嫁だぞ」
「税金を取ってもらったらどうだ?」
「受け取らないだろ、国王は国民は必要ないらしい、我々は住み込みで雇ってもらえている様なものだ、家賃の代わりに働いているだけだ、
だから兵役も無いし我々としては嬉しいことばかりだ」
「よしっ、国王に迷惑を掛けたり、逆らったものは村八分にする。国家反逆罪みたいなものだからな」
「村連合の決まり事は、国王に連絡しておいた方がよいよね」
「そうだな、村もしっかり管理しているって姿勢が必要だな」
「国王のファンクラブ作ろうか」
「国内はだめだ恐らく嫌がるだろう、国外で秘密裏に結成するんだ、国外でも国王の人気が上がれば我々の立場も安定する」
「妖精の里も村連合に加入するということだが・・可愛いか?」
「なぜ質問が可愛いかどうかなんだ・・・可愛いかった
国王も気に入っているみたいだから失礼の無いようにな」
「早く会いたいなぁ〜」
「残念だがリモート会議で参加らしい、遠いからな」
「なんですか?リモート会議って」
「国王が遠距離で映像や声を伝えてくれる魔道具を貸し出してくれるらしい」
「そんな物があるの、すごいな」
「道中すこしだけ話を聞いたんだが、国王は魔道具師だそうだ
そして、女神様(仮)であり獣人国の国王で、各国に領地を持っているらしい」
「だから特に此処に国民は要らないんだな」
「別荘国?みたいなものらしい」
「税金を受け取ってくれないんだったら何か違う形で貢献すれば良いんじゃないか?」
「例えばどんな?」
「そうだな、なんか国の存在感を高めるとか、知名度をあげるとか・・」
「とは言っても国王の考えはわからないし、下手に何か気に入らないことをしてしまって迷惑をかけるより
直接聞いてみるか?」
「そうだな、村連合議会として提案してみよう」
「あっ、ファンクラブのことはくれぐれも内密にな、
秘密結社『女神の微笑み』として活動する良いな!」
「「「おーー」」」
「あっ、こらぁ、あほかお前は、議事録に書くな! 消せ!」




