019.学園(3) ダンジョンマスター
長期休暇が終わり新学期が始まった。
2ヶ月も経つと前期何をやって居たのか思い出せない。
たしか悪徳貴族の排除はした。Sクラスの生徒補充は無いそうだ、最低レベル基準があり、繰り上がりも結構難関だそうだ。
廃嫡された貴族の子息、勉強の頭は良かったんだろうな、精神的にはバカだけど。
そして現在残った10名は比較的良好な関係を持つようになった。人数が減って結束感が強まった様だ。
巷では冒険小説『エレンとエランの大冒険(帝都編)』が人気になっていた。エレンは文才のなかった私と違い小説家志望みたいだ。スポンサーになろう。帝都編ってことは次回作もあるんだろうか。
エレンの名が先に書かれているが、主に冒険したのは私エランのはずだけど『エランとエレンの大冒険』のはずだ。まあ小説だからいいか。
冒険者ランクは無事にAランクに昇格した。帝国の推薦もあった事でSランクも間近だ。魔道具工房も準備が進んでいた。
マギドラは武術の練習相手には最適だった。剣の実力はほぼ互角だ。魔法を加えると私のほうが強い。本物の魔王が出てきても大丈夫そうだな。
そして平穏な日常が続いた。
「今日の授業はダンジョンだ、5人パーティーでトライする。4階層までの予定だ。
2階層で採取を行い、4階層へ降りて討伐実習を行った後帰還する。」
ダンジョンは最近行った、つまんない。
メンバーは私エラン、エレン、アルス、従者1と2の5人だ。
パーティーリーダーはアルスに任せる。
「エランは来たことあるのか?」
「入学前に来た」
「アドバイスをくれ」
「4階層までなら危険は無い」
「いや、もっと具体的な」
「薬草の群生地は全て把握している、4階層の魔物はツノウサギだけだよ、ドロップ品に肉と角」
「ワクワク感ゼロだな」
「初心者向けダンジョンだからね、でも最下層のラスボスの出現率が極端に操作されていたみたいだから
意外な事が起きるかも」
「ラスボスは何だった?」
「普通はB級魔物まで、私の場合は普通のS級ドラゴン、ドロップ率は低く、レア品は取得済み」
とドラゴンソードを見せてあげる。
「アドバイスをもらう意味がない事がわかった、ありがとう」
「きゃぁ〜〜」
悲鳴だね、先行しているもう一つのパーティーだ
2階層に魔物?
遠目でも分かる、あれはA級の弱っちいドラゴン
なんで?
エンドラわかる?
〈おそらく儂を封印するために出現率を操作しすぎた事でエネルギーが溜まり歪みが発生したとかだな
封印のための力が必要なくなったことで、余ってしまい更に階層を破り出現したんじゃろ〉
ドロップ品が欲しい。
エンドラ、やるよっ
〈任せなさい〉
ドラゴンソードを抜きドラゴンの下へ
「任せろ、お前たちは逃げろ」
生徒たちを逃がし、あっ先生も居た
「エラン、無理はするな」
Vサインを送り・・、
ぶぅん
おっとドラゴンは待ってくれなかった
しっぽ攻撃を受けるところだった
「ドラゴンスラッシューーー」
そんな技があるのか知らないけれどカッコ付けで叫びドラゴンソードを振り切ってみた。
不可視の刃がドラゴンを両断していた、ドラゴンの体は切断面で、ずれる様に崩れていった。
〈主、それオーバーキル、特異種の魔物に使うやつじゃ、普通に切るだけでいいはずじゃぞ
そんな技、普通のやつが使ったら干物になってしまうほど力を消費する〉
あるんだドラゴンスラッシュの技、
エンドラよ、お前の能力を詳しく聞いておいた方が良さそうだな干物にはなりたくない
さてドロップ品は?
ドラゴンナイフか、微妙だが伝説級のレアアイテムらしい。ひよっとして取り放題か?
こいつは喋らないみたいだな
〈このダンジョンに溜まったエネルギーも尽きたのでもう当分レアアイテムは出ないみたいだぞ、レアアイテムが欲しければ別のダンジョンに行くといい〉
大勢の冒険者が集まってきた、ドラゴン出現の報告がいったらしい。討伐完了を報告すると皆緊張が途切れて座り込んだ。命がけの緊急招集だった様だ。
国家的な危機でもなかったが準ずるミッションをクリアしたとみなされ、以前の功績と合わせて評価され
晴れてS級にランクアップした。
これで学園在学中にほとんどの目標をクリア出来た。あとは弱点克服のためにレベルアップを図るのみ。
弱点に関して説明すると
デバフ系の攻撃には弱いという事だ
デバフはステータスに掛け算で効いてくるので弱体化する。対策としてはレベルアップする事でデバフ自体を受けなくすること、レベルを上限突破する事でデバフされても大きな影響が出なくする事だ。
〈主は何と戦おうとしておるのじゃ? 最強の儂が付いておるのに〉
エンドラ、お前封印されてたよね。
それって負けたんだよね。
〈ぐぐく、悔しい、反論できん〉
何にやられたの
〈ダンジョンを潰しまわって遊んでいたら、ダンジョンマスター達が結託して襲ってきたのじゃ
あいつら一人じゃ何もできんくせに群おって〉
それお前が悪いんじゃないの?
ん?ダンジョンマスター居るの?
〈おるぞ〉
封印解いちゃったので挨拶しとかないと
〈あんなやつほっておけ〉
そういうわけにはいかないでしょ
「ちょっと行ってくる」
ところでダンジョンマスターってどこに居るの?
〈最下層の下じゃ〉
それ最下層っ言うの?
一気に10階層に来た。
またラスボスか、面倒だな
ミノタウロス?
A級魔物だよね、
今度はドラゴンソードで普通に真っ二つにする
ドロップ品は?
肉と角とミノタウロスシールド、盾だ
〈ちくしょー〉
盾が喋った
いや違う
下の階層からちょっと残念な感じの少女が湧き出てきた
ダンジョンマスター?
〈最後の力を振り絞ってラスボス出したのに瞬殺だなんて〉
いや、ドラゴン討伐したの見てなかったの?
A級じゃ無理でしょ
〈封印は解かれちゃうしもう駄目、ダンジョン消えちゃう〉
魔力あげるよ、とにかく話そう
ダンジョンマスタールームに連れてきてもらい、ダンジョンコアに魔力を注入する
〈助かった、すごい魔力量だね
封印に力を使いすぎて10階層までしか出来なかったけど、これならもっと階層増やせそう
ありがとう〉
ところでエンドラ封印解いちゃったけどごめんね
〈大丈夫あなたが管理してくれるなら
他のダンジョンマスター達はひどいんだよ、私一人に封印をまかせっきりで自分たちだけ自由にして。
腹が立つから出来たら潰してきていいよ〉
とりあえずエンドラの封印を開放したのは問題ないみたいだ。良かった。




