168.魔人国(50) エシックスの冒険(25) 冥界(2)
「おいっ、そこの最後の男、お前は足手まといだ、帰れ」
「なんだと、これでも元将軍だぞ」
「元何かはしらんが、最弱も最弱、他の奴らの1/1000以下じゃろう」
こんな事もあろうかと、いや、あると確信していたが、桃ゴーレムを借りて来ている。
「アーク、ライドオン・ゴーレム〜」
どすんと桃ゴーレムを出現させ、アークに搭乗させた
「それでも1/100以下じゃなぁ、まあいいか、何かあったら逃げるんだぞ」
そう、アーク以外は力を抑えるためにゴーレムを使う。アークは強くなる為に使うのである。
6人のチーム名を考えなくてはいけない。
「『え(エラン)え(エリック)そ(ソーダ)ふ(ファイ)あ(アーク)の(ノワル)』?
『EESFAN』?
『イースファン』?
並べ替えて『ファニース』、『ファニーズ』?」
「こら、頭文字取っただけじゃないか、おかしな奴らという意味ではあってそうだが」
「じゃあ『エランズ』」
「なんでもいい! 早くしろ」
我々は、ホーリーケイジをするっと通り抜けて入った。
「なんじゃぁ〜?お前ら通れるのかぁ?」
「はい、先程ホーリーフィルターの設定をしましたので、我々『エランズ』は出入り自由です」
「ずるいぞ」
「開発者特典です」
「まあ通れなくても問題ないから良いか、
では行くぞ、
まず冥界樹で冥界へのゲートを開く、その先は我々冥界人の住む街、冥界樹の街だ
城壁で囲まれいて、その外は魂の冥海が広がる。ここは冥界の冥海の孤島だ
冥海樹を通して魂はこの冥海に溶け込んで一つになる。
この冥海を糧として天界にある生命樹が育ちその実が新たな生命として各界に発現するんだ
魔界から侵入した奴らはこの冥海を盗んでいる
殆どは捕らえて封印したんだが、どんどん強力になっていって最近手に負えなくなってきている」
「なるほど、初めて知った」
「それで、門番から聞いていたお前たちの力を借りようというわけだ」
「いちゃもん付けて言うことを聞かせようと言うわけですね」
「ちがうわ! ちゃんとお礼もするわ」
「ありがとうございます、それを期待していたんです」
「正直すぎるだろ」
「期待していると知っていただけた方がより良いものをもらえるかと・・」
「意外とせこいやつじゃな」
「がめついだけです」
「自分で言うか?」
「言われる前に言ってしまった方が受け入れられやすいので・・」
「知っていると思うが、今回の討伐対隊長の『メイズ』だ」
「この前は世話になったな」
「我々のせいで申し訳ないです」
「気にするな、私が弱かっただけだ」
「今回は協力させていただきます」
「まずは状況説明だ」
地図を広げた、冥界樹の島の周りの冥海がある。
少し離れて大陸がある。そしてまたその先に島が有り、魔界の魔界樹とつながる魔界樹がある。
向こうから見たら冥界樹だなややこしい
大陸の中心には天界につながる天界樹がある、これは魔界や人界には無い物だ。
そして何より違う所、それは此処は丸い星の表面上ではなく、丸い球体の内側である事だ。
なので魔界樹は頭の上、遠くに見える。変な感じだ。宇宙コロニーみたいだが重力が全方向に効いているのはおかしい。不思議空間だ。球体の中心は無重力状態かな?
さすが冥界、非常識だ。
「今、我々はここに居る
これから、ここの大陸に向かう
残党共は、海岸線上の何処かに潜んでいる
それを探し出して捕らえる
私の他に5名の騎士が同行する
」
「質問! 残党の数は分かっているのですか?」
「魔界樹から侵入した人数から、捕らえた人数と死亡した人数を差し引くとおよそ20名だ」
「冥海を取り込むことで変質し強力な個体になっている
冥界人の街もいくつか襲撃されて壊滅している。それがここに印を付けた場所だ」
「時系列でつなぐと?」
「海岸沿いに西から東に向かっている」
「拠点を構えては居ないようですね、そしてまとまって動いていると」
「ああ、だが目撃情報がほとんど無い」
「では、海上は? 船で移動しているとか?」
「えっ?」
「いや、船は?」
「我々は船は持たない、冥海は魂の海だ、船を使えば魂を冒涜する事になる」
「じゃあそこだね
私達の船は空中戦感だから大丈夫だよね、冒涜したことにならないよね」
「ああ、空中なら問題ない、・・たぶん」
「そこ大事だから、確認してきて」
また叱られたくはない。




