表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビビり魔王、冒険者になる  作者: 藤谷 葵
初稿(第八章)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/24

第一話

 勇者達にお礼の食事会をしようと、魔王城へと招いた。


 来客である勇者達を、ダイニングテーブルに座らせ、給仕担当の部下たちに、幹部経由で失礼のないように対応することを指示してある。


 「最高のおもてなしをするから、ちょっと料理長と話をして来ますね」とだけ言葉を残し、厨房へと向かった。


 厨房のドアを開けると、色々な料理の香り。それと湯気や煙も漂っている。



「みんな! ご苦労様! 料理長、何の料理を出す予定?」

「はい、ビーフシチューをメインとしたコース料理にしようかと考えています」



 それを聞いて、我は両腕でバツを作る。



「だめだめだめ! 勇者達には、人間と魔族の共存の為に頑張ってもらうんだから、最高のおもてなしをしないと!」

「はあ……と言いますと?」

「『アレ』だよ! 『アレ』!」

「『アレ』だけでいいんですか?」

「うん、『アレ』なら美味しいし、お腹いっぱいになるまで食べられるしね」



 料理長は顎を手で撫でながら考え込んだ。



「う~ん。わかりました! それじゃあ『アレ』にしますから、ちょっと食材を獲ってきますね」

「うん、よろしくね」



 我のおもてなし企画が通り、嬉しさのあまり廊下をスキップして戻る。



(これで、勇者も人間との和解に頑張っちゃうだろうね)



 自分も席について、勇者達と談笑をして待つ。


 メインの食材を獲りに行っている間、ちょっとしたおつまみとワインで時間を潰す。


 すると、給仕の者が我の耳元に口を近づけて囁く。



「メイン料理の準備ができあがりました。お運びしてよろしいですか?」

「うん、頼む」



 給仕係はドアの外に出る。その後、大勢の給仕係が料理を部屋に運び込んだ。


 部屋の片隅で、そのメイン料理を切り分ける。その後、給仕たちは、勇者達や我の目の前に、料理を置いて行った。



「おお~! 美味そう!」

「いい匂いがしますね」

「香ばしさがたまらないですね」



 食べる前から好評である。



「それじゃあ、料理も並び終わったし、食べましょうか!」



 我がそう言うと、みんな食べ始めた。


 みんな、がつがつと食べる。アランとオルガなんて、お替りもしている。


 そこそこ食べると、アランに質問をされた。



「これ、美味いですね。初めて食べる感じですが、これって何魚の蒲焼ですか?」



 誇らしげに我は答える。



「リヴァイアサンだよ!」



 アランとオルガは、盛大に吹き出し、女性三人はむせた。



「ちょ! マオさん! なんて物を食べさせるんですか!」

「え? 最高級の食材だけど?」

「いや! リヴァイアサンは食材じゃなくて神なんだけど!?」

「あ……」



 そう言えば、以前そんなことを聞いた気がする。すっかり忘れていた。



「……もう食べちゃったし、知らなかったってことでノーカンにならないかな……?」

「ならないよ! これから人間と和解する予定なのに、人間の神を食べちゃってどうするの?」



 我は冷や汗をかきながら、一言呟く。



「きょ、共犯ってことで上手く和解に持ち込んで……」

「「「……」」」

いつも読んで頂きありがとうございます。


応援や感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いつも楽しく拝読させて頂いています。 レア食材をちょっと獲って来ますって感覚が…。 もう締めちゃって料理にされちゃってるから 大事な命は頂かないとね! 人間と魔族の感覚の違いがわかりますね。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ