青い国からの手紙
お空の国がありました
街は雲でできていました
街には住人たちが静かに暮らしていました
コンビニも電気もガスもありましたが、互いに顔を合わせることはありませんでした。
ある日、青年が目を覚ましたら
朝の郵便受けに
青い国からの手紙が一通
届いていました
緑の葉の紙に
文字は雫の手紙でした
封筒を開くと
透明な六角の雪の結晶が一枚
花びらのように入っていて
傾けた紙の上からてのひらを滑り落ちて
地上の世界まで
きらきら輝きながら
降っていくのが見えました
真っ白な雲の世界には
天まで続く階段がありました
階段を登った先には
雲の小さな絨毯の上に
青いテーブルがあって
雲の浮かんだお茶がグラスの中で
白い湯気を立てていました
「お久しぶりですね。お茶を一杯いかがですか」
「いい香りですね。どうも、ありがとう」
青い国のお茶は風の香りがして
草むらを思い出させます
「それで、次はどちらになりますか?」
「草原の国などはどうですか? 馬に乗って駆けたりできますよ」
「ああ、悪くないですね。それでお願いします」
「ご幸運を」
そうして青年は街を去っていきました
何千何万もの青年や乙女らが、異世界を旅して旅立っていく、青い国はその中継地点でした




