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彼女達がヤラニャイと誰がヤル?  作者: 山手みなと
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学園の闇。

[第1話] 学園の闇。


今では聞かない裏口入学。

富裕層は資金を積めば入学可能になるシステム。

その実態は、テストを受けて不合格だった場合、裏では

成績優秀な在学生が答案を書き換るという不正が行われていた...。


そんな不正を暴くため瞳は、金田女学園に入学をした。

教室に入るなり早速、任務遂行に向けて兆しが!


あの子、あまりいい中学出身じゃないよね?

あの子、地元では不良で有名な子だよね?

あの子、引きこもりで中学では数日しか登校してなかったよね?


入学初日から妙な違和感が漂う雰囲気。


そんな子に限って、制服のスカーフの色が白ではなくピンクだ。

校則では白だが、成績が優秀な生徒にはピンクのスカーフを身につけてもらっている。

入学試験で既に差をつけられているのか...。と戸惑う生徒もいた。

白い子にはピンクを身に付けられるようがんばってもらいたい。


初日からなんだか世知辛いな。


次の日、彼女は生徒会長に立候補した。周りは手を挙げる勇気がないのか挙げたのは自分だけだった。

生徒会に入れば何かと動きやすそうだな。


彼女の任務遂行は着実に動き始める。


ある日の昼休み、任務連絡が入った。

「校長室へ潜入し、様子を探ってくれ」

何やら入学試験の答案用紙のファイルを探し出す任務のようだ。

生徒会長だし、人間のまま行けそうだと踏んでいたが、セキュリティが固くて入れそうにない。

とりあえず潜入ルートだけを確認して校内を回った。

人間のままだと、盗聴器を仕掛けるのは厳しそうだ。

やはり犬になって接近するしかないか。

そう決めた瞳はトイレに駆け込んで変身した。

昼休みだから教室以外は人がいない。

まずは校庭に出て騒いでみるか。

やはり思惑通り騒ぎになった。

騒ぎに乗じて校内へ戻った所で校長に出くわす。

校長は犬が大好きみたいで、撫でられた上、抱き抱えられたまま

一緒に校長室へ。

計画通り潜入できた。

可愛がられている間に校長の机に

盗聴器を仕掛けた。

そしてバレないように仕込んだカメラで室内を撮影する。

何やら怪しいファイルを発見。

首輪(ネックレス)からの骨伝導で本部からの連絡を受けると、ある程度の目星をつけることに成功した。

任務はここまでだ。

犬(瞳)はとりあえず逃げるように部屋から出た。トイレに駆け込み無事に誰にもバレずに人間に戻り昼休みを終えた。

校長はまだ気に入った犬を探し回っているみたいだが、私はここだから見つからないよ。とネックレスが光った。

授業に戻ると彼女は校長の話を盗聴していた。本部も通信機能で聴いている。しばらくすると、答案を書き換えた在学生を招いてお礼をしている会話が聴こえてきた。また来年も宜しくな。在学生はある賄賂を受け取っていたのだ。それはセンター試験の点を水増しするというもの。入学だけではなく、進学まで生徒を巻き込むとはとんでもない輩がいるもんだ。盗聴された会話は全て証拠として記録されことに。

数日が経ち、放課後に指令が入った。

今度はファイルを奪う任務だ。

すでにファイルの位置は確認済みだ。怪しい物は普通なら隠すが、敢えて普通に置いてある。

カモフラージュがうまいな奴みたいだ」

彼女はまたトイレに駆け込んで犬に変身。

思惑通り、前回と同じく校長に見つかり連れ去られるように校長室へ。

しばらくすると、来客があり、校長が席を立つ。その隙にファイルを奪うことに成功。

それを咥えながらゆっくり校長室を出ると急いでトイレに駆け戻った。

席に戻った校長はファイルが消えた事に気づいたようで騒ぎになっていた。

防犯カメラをチェックすると犬が咥える瞬間が映っていた。

トイレに逃げた所もバッチリ映っていた。入って来れないから今は大丈夫だ。少しして別の教員が探すもファイルは見つからない。

見つからないのも当然。ファイルは手元には無いのだ。トイレの窓から投げ捨てたし、今頃、仲間の鳥が持って行った筈だし。

任務は成功だ。

ファイルは無事に受け取ったぞ。

よくやった。

そして彼女は、お腹の調子が悪いフリをしてトイレを出た。

後日、ファイルと会話の証拠を元に教育委員会の調査が入る事になり、校長は解雇。


学校に不正入学した生徒は何も知らなかったとして処分は無かった。来年度から入学資金は第三者機関によってきちんと管理することが決定した。

しかし、実態は表向き。入学資金は見直されたが、闇を引き継ぐ者がまだ教員の中にいるらしい。

まだ彼女の任務は終わらないみたいだ。

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