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78.白の正義

 第八層の守護者、神族のルチフエロが配下のコウモリ族たちと共にノンたちを待ち構える。


 ルチフエロが言う。「白は正義。」

 彼自身は白い肌を持ち銀髪の髪をなびかせ、白い人型機械武装(欺くもの)に搭乗している。

 配下のコウモリ族たちには、ペンキで表面を白くした機械武装兵(メカアーマー)に、ペンキで黒い毛まで白く着色したコウモリ族たちを搭乗させる。

 周囲の壁も地面も全て白い色に統一している。

 これは色を白に統一して視覚による識別を難しくする効果を狙っている。

 つまり、白い背景の中で白い物は識別し難い。

 更に機械武装兵(メカアーマー)には、太鼓を持たせている。これは敵に幻聴を引き起こす為に使う兵器だ。

 ルチフエロが独り言を言う。「来たら色と音で殺す。」


 彼は闇ミトラ教会の熱心な信者である。

 彼は白いイエシユアの絵に感動し、イエシエアの信者になったのだが、イエシユアの言動とは、全く一致していない異端討伐(現実)には目を背けて闇ミトラ教会の為に戦っている。

 闇ミトラ教会には、神父の服も教会も白いグループが存在する。彼はそれこそが闇ミトラ教会の本来のあるべき姿だと信じている。

 ルチフエロが言う。「白こそ正義。」



 ノンたちが現れる。

 彼が叫ぶ。

 「教会の敵よ。地獄へ堕ちろ!」

 白い紙吹雪が送風機から噴き出す。

 白い紙吹雪が舞う中でコウモリ族たちの機械武装兵(太鼓持ち)たちが洞窟内を音で震わせる。そして白い機械武装兵たちがノンたちに接近する。


 

 ノンが言う。「暗視装置(温度探知)ワン。」

 マティス犬族が搭乗する機械武装(メカアーマー)からレーザー砲が発射する。


 コウモリ族の機械武装(太鼓持ち)が破壊される。

 彼が言う。

 「ダメなやつらだ。」

 ノンが言う。

 「騙された男もダメワン。」

 彼が叫ぶ。

 「悪魔。嘘を言うな!」

 ノンが反論する。

 「嘘を信じているのは、お前ワン。」

 彼が人型機械武装(欺くもの)で斬りかかる。

 人型機械武装(欺くもの)の特殊能力である幻覚と幻聴がノンを惑わせ、避けることはできないはず。

 しかし、ノンが十字剣で彼の大剣を受ける。

 偶然だろうと、彼は一度離れ再び後ろからノンに斬りかかる。

 しかし、ノンは再び大剣で受け止める。


 彼が叫ぶ。

 「なぜ、幻影と幻聴が効かない?」

 ノンが言う。

 「ウソは言わないワン。」

 ウソつきは、大ウソつきに騙される。

 ウソを自分と他人に言わない者は、深層意識まで表面意識を連結してウソが分かる。

 彼が怒鳴る。

 「おれが嘘を信じているだと。」

 ノンが言う。

 「自分に嘘をついているワン。」

 イエシユアは清貧の人であり、金と権力を持たなかった人だ。

 闇ミトラ教会は、イエシユアの言動と死体を利用しているだけだ。

 彼が叫ぶ。「白い教会の異端狩りは正義だ!」

 ノンが言う。「白い教会が嘘つきワン。」


 異端討伐を無視してきた彼が動揺し、叫ぶ。

 「ウソだ。ウソに決まっている。」

 めちゃくちゃにノンに斬りかかる。

 ノンが言う。

 「信じる者は足元をすくわれるワン。」

 ノンが十字剣を彼の足に突き刺す。

 ノンは臭いで接近を感知し、足元の影を見て動きを予想していた。救われたいから信じる者は、ほとんど救われない。

 なぜなら、救いを説く者のほとんどは、自分の財布を救う為に、商売(救い)をしているだけだから。

 ルチフエロが最期に言う。「白だけが正義」


 ナナ子が言う。「正義は白だけじゃないコン。」

 ノンが言う。「外見を信じる者は救われないワン。」


 

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