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60.ゴリラとモンセギュール砦

また、長くなってしまいました。

 

 |新長十字軍≪ネオ・アルビジュア≫のゴリラ族の千人隊長たちが|亜喪利≪アモーリ≫の前で報告している。

 「食料は、あと四日分です。」

 報告したゴリラ族の千人隊長が|亜喪利≪アモーリ≫に殴り殺される゙。

 「昼夜兼行で、僅かな仮眠を取れば四日でモンセギュール砦に到着します。」

 この千人隊長は殺されなかった。

 「死傷者はどういたしますか?」

 この千人隊長は聞いただけなのに|亜喪利≪アモーリ≫に殴り殺される゙。

 |亜喪利≪アモーリ≫が怒鳴る。

 「モンセギュールに四日で到着できない信仰不足の者に、神の加護はない。」

 つまり、ここに置いていくから勝手に付近の村から寄進を受けろと言うことだ。

 千人隊長たちがゴクリとツバを飲む。


 |亜物利≪アモーリ≫が長十字架の前に跪き祈りをあげる。

 その祈りが終ると|新長十字軍≪ネオ・アルビジュア≫が進撃を開始する。

 

 


 

 残されたゴリラ族たちのうち、重症の者はそのまま、死者と共に残され、やがて死者になる。

 重症ではないが四日でモンセギュールまで到着できそうにないゴリラ族たちは、付近の村へ寄進という強奪する為に向かう。

 

 彼らは最初、数百人を超える人数だった。

 しかし、彼らは三日もの間、食料もなく無人の村を彷徨うとことになる。

 その結果、彼らの人数は十数人まで減っていた。

 そして、足を怪我していたゴリラ族の千人隊長はあるロバ族の老人が一人いる゙村に到着する。

 村を襲うハイエナ族たちを待ち伏せするヨブだ。

 「わしの身内を返せ! 人殺し!」

 ヨブは一人、持つ武器は鎌一つ。


 「ぶっ殺す!」

 叫ぶと同時に走れる者がヨブに向かう。

 もちろん、ヨブの前の穴に落ちる。

 しかし、彼らは全身を鎖で覆っているので、落ちても落とし穴に設置してある槍では串刺しにならない。

 穴には油が撒かれた藁が敷き詰められて、その藁から槍の穂先が出ていた。

 

 ヨブが穴に近づき、背負っていた幼児用の鉄の棺桶を開き、中から火のつく酒の瓶を出す。

 ヨブが瓶のふたをとり、代わりに巻いた布を差し込む。

 「まあ、そこで餓死するよりは早く死ぬのでな。」

 瓶に差し込まれた布に火をつける。


 穴の底からゴリラ族たちが叫ぶ。

 「待ってくれ。」「俺たちは言われただけだ。」

 ヨブが火のついた瓶を投げ込む。

 「待った事など無かったのじゃろ。」

 穴の底で火がまわる。

 「助けてくれ。」

 ゴリラ族たちがのたうちまわり、叫ぶ。

 ヨブが呟く。

 「助けた事も無かったのじゃろ。」

 

 落とし穴に落ち無かったゴリラ族たちは、いつの間にか現れたレーモンたちと元々の村人たちに長い槍で次々と電気火花を散らして動かなくなる。

 長い槍には、電極がありゴリラ族たちの鎖に接触すると致死レベルの放電が起きる。

 その結果、ゴリラ族たちは次々と動かなくなる。

 槍の先からの放電がレーモンたちの武器の特徴だと理解した千人隊長が怒鳴る。

 「槍の穂先から電流だ。全身の鎖を外して、槍は包帯で掴め!」

 ゴリラ族たちが鎖を外し、包帯を使い槍を掴む。

 しかし、槍を奪う事は出来ても電源は奪えない。

 鎖を捨てたゴリラ族たちに矢が飛ぶ。

 その上、唐辛子などの目潰しを投げられてゴリラ族たちは戦闘不能になる。

 千人隊長も目潰しをくらい、何十という矢が刺さり意識を失う。

 

 最後の千人隊長が動かなくなり、槍で電流を流しても動かなくなってからレーモンがヨブに近づき言う。

 「大活躍だな。」

 「また、生き残ってしまった。奴らはバカか?」

 「ああ、奴らはバカさ。」

 レーモンは心の中で呟く。

 (バカでなければあんな酷いことはできゃしない。)





|新長十字軍≪ネオ・アルビジュア≫の本部になっているテントの前に鎖に巻かれた膝の擦りきれたズボンをはいた神族の男、アクスペリオスが連れて来られた。

 

 彼はモモ子が操作する鉄の塊を阻止するために、|亜物利≪アモーリ≫が阿鼻の地下牢からここへつれて来たのだ。


 |亜喪利≪アモーリ≫が言う。

 「鉄の塊を使わせるな。」


 アクスペリオスが自らを巻いている鎖を見ながら言う。

 「鎖を外してもらえたらな。」

 鎖はアクスペリオスの霊力を縛る呪文が書かれた特殊なものなのだ。

 偽帝から決して外すなとアスペリオスを護送してきたゴリラ族の兵士は言われている。

 |亜喪利≪アモーリ≫が後ろで鎖を握る護送してきたゴリラ族の兵士に言う。

 「外せ。」

 ゴリラ族の兵士が言う。

 「この鎖を外すなと命令されました。」

 次の瞬間、|亜喪利≪アモーリ≫がそのゴリラ族の兵士を殴り殺す。

 その様子を見ていた他の護送してきたゴリラ族がアクスペリオスから鎖を外す。


 |亜喪利≪アモーリ≫が言う。

 「鉄の塊が動けばきさまを殺す。」

 アクスペリオスが|亜喪利≪アモーリ≫を見返し言う。

 「分かった。」


 


 ゴリラ族の|亜喪利≪アモーリ≫は、ゴリラ族たち約八千を率いてモンセギュー砦を攻撃している。

 ゴリラ族たちは前日に渡された布を片腕に巻き付けている。布には呪文が書かれており、この呪文がモモコたちの霊力を押さえ鉄の塊を使えない効果を持つ。

 ゴリラ族たちはこの砦にたどり着く前に、鉄の塊との戦いと攻城兵器へのマサヒロたちの攻撃によって既に二千名近い死傷者を出していた。

 しかし、|亜喪利≪アモーリ≫は八千人のゴリラ族たちがいればモンセギュー砦を陥落されることは可能だと思っている。


 「異端派どもを殴り殺せ!」


 |亜喪利≪アモーリ≫の怒声によって鉄の爪を手と足に付けたゴリラたちが砦の城壁へ殺到する。

 ゴリラ族たちは、鉄の爪で城壁の岩に穴をあけ、城壁をよじ登ろうとしている。

 城壁の上からは大砲が撃たれ、火炎びんが投げられる。岩石も投げられる。

 しかし、ゴリラ族たちが城壁にたどり着き、鉄の爪を城壁に叩きつけた時、鋭い金属音が響く。

 城壁の表面は石ではなく鋼鉄で覆われていた。

 石に見えた城壁は表面に岩の絵が書かれた鋼鉄が張られいた。

 それでもゴリラ族たちは、鋼鉄を破壊しようと鉄の爪を叩きつける。

 火炎びんで火の塊となっても鉄の爪を叩きつけるゴリラ族たちを見ていた将頼が横にいるモモ子に言う。

 「麻薬をやってるな。」

 モモ子も頷き言う。

 「物理的に動きを止めないといけないわ。」

 思わずため息がでるモモ子にナナ子が言う。

 「だからこそ、私達の協力が必要コン。」

 モモ子が言う。「でも敵に強力な霊能力者がいるわ。」

 さっきから、モモ子が全力で鉄の塊を作ろうとしているができていない。

 ナナ子が言う。「きっと鎖に巻かれていた男だわ。」

 ナナ子たちが遠くから見ている中、鎖に巻かれていた男から鎖が解かれた後、強力な霊的圧力を感じ始める。

 モモ子が近くにいる将頼に言う。

 「あの男をどうにかして。」

 将頼が槍を持って飛ぼうとした所へ、ノンが現れ言う。

 「あの男こそ探していた男ワン。」


 ノンは地下牢に閉じ込められていた男が闇ミトラ教会が弾圧している本来のミトラ教会の霊能力者とモエから聞いている。 

 将頼が言う。

 「では、連れてくるべき二。しかし難しいニ。」

 アクスペリオスの周囲はゴリラ族たちに囲まれている。

 ノンたちがアクスペリオスを無事奪還するのはかなり困難だ。 


 ここでノンが誰もいないはずの空間に向かって言う。

 「困った時には、ニケタス師匠。お願いワン。」 

 ノンが目をうるうるさせてある空間を見る。


 暫くすると何も無かったハズの空間にフードを被り全身をコートで隠したゴリラ族が現れる。

 変装していたニケタス師匠だ。

 獅子族と猫人族のハーフで体格的には大柄である。

 ノンが説明する。

 カラス族たちの万人隊長へお守りを渡したり、ハイエナ族たちの万人隊長たちへお守りを渡したのは、全てニケタス師匠がゴリラ族に変装して行ったのだと。

 「ニケタス師匠はまったく凄いワン。だから今度もお願いワン。」

 「まったく|未来ロボット猫≪ドラロボット≫じゃないんだから、なんでも可能なポケットなんて俺は持ってない!」

 神出鬼没のニケタス師匠は、風音の師匠にあたる人で、今回のモンセギュール砦にノンが頼みこんで参加してもらった。


 憮然とした表情のニケタス師匠をノンがうるうるした瞳で見ながらお願いする。

 「師匠!お願いしますワン!」


 仕方なくニケタス師匠が言う。

 「せめて霧は出してくれ。あとは飛行船にあの男を引き上げるロープも必要だ。」


 ナナ子が言う。「了解しましたコン。なるほどあの霊能者がやる気がない理由が分かったコン。」

 モモ子が気づいて言う。「そうね、出来ないのは鉄の塊だけね。」

 ナナ子が言う。「他のは使えるコン。」





 ナナ子たちが話している頃、|亜喪利≪アモーリ≫の指示で一部のゴリラ族たちが近くの森から大木を運んでいた。

 攻城兵器は途中で燃やされたので、大木を使って城壁にたてかけて登るつもりだ。

 マサヒロたちの霊獅子(グリフォン)が空から火炎びんを投げつけ、大木と運ぶゴリラ族たちを火ダルマにする。

 もちろん、依然として鋼鉄の城壁へ鉄の爪で攻撃するゴリラ族たちもいる。

 砦からは大弩弓器(カタパルト)による羽根付き槍の雨が降り、ゴリラ族たちを生死に関わらず行動不能にしていた。


 城壁の下にはゴリラ族たちの死体が四千を越えていっぱいになる。それを見ていた|亜喪利≪アモーリ≫が叫ぶ。


 「動かないゴリラ族たちはあそこに積み上げろ!」

 ゴリラ族たちは、生死に関わらず城壁の下に歩か動かないゴリラ族たちを積み上げ始める。

 かつてアレキサンドリアで行われた死体による道と同じ道をゴリラ族たちが作ろうとしている。

 もちろん砦からは、まさに雨のように、砲弾と火炎びんと羽根付き槍がゴリラ族たちに降る。

 しかし、ゴリラ族たちは、運び続けて死体の道が積み上がる。


 ナナ子とモモ子がお互いを見て頷く。

 モモ子が呪文を言う。

 「エロヒム、エッサイム。我は求めん。霧を。」

 死体の道を濃い霧が覆う。

 ナナ子が呪文を言う。

 「エロヒム、エッサイム。我は求めん。狐火の戦士を。」

 霧で周囲が見えないほどの空間に狐火の戦士が現れる。


 地上ではマサヒロがいつの間にか連れてきたゴリラ族の男に語りかける。ゴリラ族の男は数日前に偵察していた処を捕まえていた麻薬中毒の男だ。

 ゴリラ族の男の耳元でマサヒロがささやく。

 「薬が欲しければ言え。裏切り者がいると。」

 麻薬中毒のゴリラ族の男が叫ぶ。

 「裏切り者がいるぞ!」

 「裏切りだ!」「裏切り者だ!」

 何度もゴリラ族の男が叫ぶ。


 すでに幻影である狐火の戦士がまぎれ込み、ゴリラ族たちが同士打ちを始めていたので、この言葉は決定的となる。  ゴリラ族同士が砲弾と火炎びんと羽根付き槍の雨の中、殺しあいを始める。

 霧の中では、|亜喪利≪アモーリ≫が直属のゴリラ族たち二千を率いて霧が消えるのを待っていた。

 彼らは、大木の燃えた後から使えそうな木を切り出していた。死体でできた道は、砦の上まであと少しである。

 |亜喪利≪アモーリ≫が呟く。「あともう少し。」

 横には、アクスペリオスがいる。

 

 |亜喪利≪アモーリ≫にとって砦を守る兵士などいくらいても敵ではないと思っている。砦に侵入できればあとはどうにでもなると思っている。


 霧が消える。後にはゴリラ族たちを死体でできた道が現れる。

 |亜喪利≪アモーリ≫が叫ぶ。


 「我らは、異端派をこの地から一掃する!」

 亜喪利アモーリに引きいられた直属のゴリラ族たちが死体の道を登る。


 その時、城壁の上ではナナ子とモモ子が共に手を繋いで呪文を唱えていた。

 「我らの願いを聞き届け、動きたまえ。」


 死体の道が蠢きはじめゴリラ族たちが飲み込まれていく。

 |亜喪利≪アモーリ≫が横のアクスペリオスを殴ろうとした時、既に将頼が下ろした綱にアクスペリオスは掴まり、上空へ逃げようとしている。

 |亜喪利≪アモーリ≫が叫ぶ。「裏切ったな!」

 アクスペリオスはが叫ぶ。「鉄の塊は動かない。それ以外は約束していない。」

 霊力はイメージの力であるので、鉄の塊だけ阻止するように念をアクスペリオスは布に込めた。

 |亜喪利≪アモーリ≫が怒鳴る。

 「奴を殺せ!」

 ゴリラ族たちが槍を投げようとするが、将頼たちが火炎びんを投げつける。周囲が炎に包まれ|亜喪利≪アモーリ≫も炎に包まれる。

 亜喪利アモーリが炎の中で立ち上がる。

 「殺してやる。」

 |亜喪利≪アモーリ≫が槍を投げる。

 槍がアクスペリオスのつかまる綱を傷つけ、綱が切れる。

 その瞬間、将頼がアクスペリオスをつかむ。

 |亜喪利≪アモーリ≫は炎の中に倒れる。


 この時、|亜喪利≪アモーリ≫は、最高司令官として最低限の義務を果たさなかった。

 本人とその側近も勝敗の結果について阿鼻へ連絡する事を考えていなかった。

 彼らの頭の中では勝利の報告をする事だけが報告内容だ。

 つまり、モンセギュール砦で敗北した報告は、|亜喪利≪アモーリ≫たちからは上がらない。



 

 ナナ子とモモ子が力を合わせてゴリラ族たちの鎧と武器を死体ごと塊にして動かしている。

 ゴリラ族たちの死体は、かなりの重量なのでモモ子とナナ子が力を合わせて動かしていた。

 

 ゴリラ族たちの武器と死体の塊は、砦から離れて深い谷へ飛び込む。

 まだ砦のまわりに残っていたゴリラ族たちは、城壁からの攻撃で全滅する。



 モンセギュー砦が勝利でわいている処に 一人の擦りきれたズボンの神族がいる。


 ノンの前で彼は言う。

 「我が名はアクスレピオス、闇ではないミトラ教会の者だ。」

 ノンが叫ぶ。

 「待ってたワン。」

 横にいるナナ子が質問する。

 「闇ミトラ教会と闇ではないミトラ教会は、何が違うのコン?」


 アスクレピオスが答える゙。

 「本来ならミトラ神とは、衡平、公正を実現する神なのです。そこにあるのは、事実に基づく仮説です。

 だから、ミトラ教会は科学と心理学への橋渡しができるハズだった。」


 ナナ子が言う。

 「現実には、ウソで誤魔化す強欲な聖職者たちの集団だった。」


 アスクレピオスが頷き、言う。

 「奴らは神を信じていない。」

 

 衡平と公正の神ではない。ウソと金儲けの神を信じているのが、闇ミトラ教会の本質だ。

 

 ノンが単純に言う。

 「ウソつきは泥棒のはじまりワン!」


 

 

 

 

 

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