表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/104

39.暗殺依頼の交渉

 山々に囲まれた谷底の建物で、ノンたちを狙う幼鬼が、豚族の常幽呆印ジョウユウホウインと会っていた。

 常幽は、最凶の呪術教団を自称している統一恩無死理(オンムシリ)教の幹部である。

 異常に頭が大きい幼鬼と白い服を着ている常幽の二人がいるだけで、あたりには、凶気といえるものが渦巻いている。


 「これが、そちらの要求だヨ。」


 幼鬼が札束の入ったトランクを常幽に差し出し、開けて中を見せる。


 常幽はトランクをひっくり返して散らばった札束の一つを取り、バラしてゆっくり全てが偽札かどうか確認する。

 あまりにも、ゆっくりと確認しているので、痺れを切らした幼鬼が言う。


 「駄犬(ノン)の処理を受けてくれヨ。」


 しかし、常幽は返事をせずに幼鬼を見て言う。


 「不足オン。」


 一気に幼鬼の大きな頭全体に青筋が無数に現れる。


 「そちらの指定した方法と金額だぞ!」


 暗殺依頼(ポア)については、足がつかないように現金で一人につき一億円が提示されたので、幼鬼はわざわざ山の中まで持ってきたのだ。


 「ただの駄犬ではない。もう一億!」


 常幽が暗殺依頼(ポア)の値段を上げる。

 金を集めることは、教団にとって大変、大変重要なことなので、常幽は可能な限り巻き上げようと値段を上げる。

 幼鬼が断れないと足元を見た常幽が更なる金額を言ったのだ。


 幼鬼は、ノンたちには、数だけ集めても意味がない事を前回(ネズミ族たちの襲撃)で理解したので、今回は、仕方なく統一恩無死理教にきたのだ。


 「ふざけるなヨ!」


 幼鬼が闇の気を集め式(使い魔)をつくり始める。

 幼鬼がつくり始めた式を常幽が手印(手の指でつくる道具)で、切って消す。


 「あと一億、今の迷惑料も含めて三億オン!」


 幼鬼が歯ぎしりして言う。


 「わざと怒らせたねヨ。」


 常幽の表情は、変わらない。

 常幽は、わざと幼鬼を怒らせ、幼鬼の式を出させて迷惑料すらせしめるのだった。

 にやりとする常幽に幼鬼が悔しそうに言う。


 「後で二億の現金を持って来るヨ。」


 「後の二億の現金が来てから始めるオン。」


 金の為なら、人殺しもする統一恩無死理教団は、肉食妻帯不可とされる出家教団にありながら、トンカツ弁当を信者に売らせ、教祖は性交して子供をつくる。


 普通の人にはついていけない。

 普通の信者には、人は仏様に恩を感じて生きるべきですと言って、信者から取れるだけ金をむしりとる。 もし信者に金がないならサラ金に行かせ借金までさせる。

 もし万一、人が仏様に恩を感じるべきでも、本当の仏様は金勘定などしない。

 金勘定しているのは、仏様の名前を悪用している教団の幹部たちであり、その教祖たちである。


 なぜ、このような詐欺同然の行為があるのか?

 一つの理由は救われると信じたい者がいるからである。

 つまり、救われると信じたい者は、自分が救われたい為に信じるのである。 


 『信じる者は救われない。』


 これが統一恩無死理教団の事実だった。


 


 何か違和感がある。これがナナ子の感想だった。ノンがナナ子のお尻を見ない。触りたいとも言わない。

 ノンは、さっきからお腹に手を置いたままである。


 「フーン」


 ノンのため息にナナ子が地図を持ち出して、ノンに見せる。

 ノンがある地点を指差して、トイレに行く。

 ノンがトイレから戻ってきて、更に詳細の地図からある地点を指差して、またトイレに行く。

 ヨレヨレになったノンにナナ子が言う。

 

 「敵は統一恩無死理教団にありコン。」


 ノンが指差した場所には、統一恩無死理教団の施設があった。




 翌日、ノンたちは毒ガス(サリン)防護服を着て、統一恩無死理教団を取り囲んでいた。

 カオル姫の私兵もマサヒロの私兵も毒ガス防護服を着ている。

 統一恩無死理教団が毒ガスの開発を行っているという情報があるので、ノンたちは準備している。


 毒ガスを開発している時点で、統一恩無死理教団が、自分たちで、最強の呪術教団でない事を証明している。

 本当に最凶の呪術があれば、誰でも呪術で殺せるはずであり、毒ガスを開発した時点で、最凶でない事を白状している。


 今回は、あまり怒らないミツルが激おこである。豚族は、豚人族とよく間違われるので、本当にミツルたちは迷惑している。


 「多くの豚族は、欲望に弱く、コンプレックスが強いブー。」


 豚族たちは、欲望に弱く、コンプレックスが強いので、すぐ自分に嘘をつく。

 つまり、それほどでもないのに、最強だとか、解脱してないのに、解脱したとかである。

 あくまで現実を直視する客観的な見方ができない者たちが、豚族であり、豚族たちが、つくった教団が統一恩無死理教団だった。


 ノンを先頭に武器を持って抵抗する者たちを倒しながら、床に何匹かの鵺の絵柄のある部屋に常幽がいる。


 「仏に敵対する魔物ども、天罰を下すオン!」


 常幽が鵺のような闇の塊をノンたちに放つ。 


 「嘘つきワン!」


 ノンが叫び、十字剣で塊を斬るが素通りし、とりつかれてしまう。ノンだけでなく、ミツルも、ナナ子も、モエも、マサヒロも、カオル姫、サラまでも塊にとりつかれている。

 サラが塊にとりつかれながら、クナイを常幽に投げるが、常幽の前に現れた塊に防がれる。


 常幽の前に塊が現れる直前、床から塊が現れるのをミツルがみる。


 「この塊の実体は床ブー。」


 ミツルが床の絵柄を短槍で突く。


 塊が揺らいだのを見て、ノンも、マサヒロも、床を斬る。とたんに塊が揺れて離れ、常幽を取り巻く。

 常幽は兜を被り、体を闇で覆う。


 

 「われは、仏の加護を纏った。

  最早無敵オン!」


 ノンが闇に覆われていない常幽の頭部を必殺の兜割りで斬る。

 常幽は、頭が割れて信じられない表情で言う。


 「天魔か?」


 ノンが呆れて言う。


 「お前は阿呆ワン。」


 いくら自分に最強だと洗脳しても、ウソはウソ、常幽は妄想に死す。

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ