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38.明法先生の長い説明

 「忘れちゃいやニャン。」


 サラが結婚式の約束を忘れないでねとマサヒロにお願いする。


 「僕は決して忘れない。」


 マサヒロがサラに約束して、サラにキスする。

 長い長い長すぎるキスが始まる。


 (また、また、じっと待つことになるワン。)


 ノン以外は、暖かい視線と和やかな表情で見守る。

 やっと長いキスが終わり、サラが視線を周囲に移す。


 岩列床岬に赤いハマナスが咲いている。

 更には小さな白いモフモフした小鳥、シマエナガが枝にとまっている。


 「とっても可愛いニャン。」


 「僕は、サラが同じくらい可愛いと思う。」


 歯が浮くようなノロケを近くで聞いてしまったノンは、思わずナナ子を見る。

 ノンとナナ子は婚約している。

 だから、ノンもナナ子に、マサヒロのようにノロケた言葉を言うべきなのか、言うべきではないのか、その大問題がノンに発生してしまう。

 だから思わずノンはナナ子を見る。


 ここは、岬にある別荘であり、今まさにマサヒロとサラの結婚式が行われている。


 「さあ、僕たちは飲んで騒いで夜が明けるまで楽しもう。」


 マサヒロがサラを見ながら宣言する。


 数日前、マサヒロがサラとの結婚を宣言し、急遽サラの持つ別荘(以前はクニカの別荘)で二人の結婚式が行われることになったのである。 

 参加者は、二人の上司になるノンとナナ子、それにサラの育ての両親と実の母親シズ、それにマサヒロの母親トクだけだった。


 キヨヒトは、まだクニカやヨシカネの残党たちの動きを警戒してマサヒロにサラの地所にいる。

 そしてキヨヒトは一言、言った。


 「本当に残念だの。」


 大陸から肺炎殺し(コロナウイルス)が、この国に渡って来ている為に人数はなるべく少なくしていた。



 ノンにとっては、始めての結婚式参加である。

 只でさえ緊張しているのに、ノロケるかどうかの大問題である。答えがでずに、頭がくらくらしてしまう。


 (まずはケーキを食べて落ち着こうワン。)


 よいアイデアだと思って先ずケーキを手に入れてようとする。

 しかし、ナナ子がノンのところへやってくる。


 「長官、遠隔(テレビ)会議で決まった事を連絡コン。」


 現在、緊急の遠隔会議が行われ肺炎殺し(コロナウイルス)感染爆発(パンデミック)対策として、臨時政府は野戦病院の設営、救急車での検査、病院従事者への防護服などの支援を決定した。


 (ナナ子の話が早く終らないかなワン。)


 野戦病院には、丁度世界競技(オリンピア)用に作っていた関連施設を転用する。もちろん、それだけでは足りないので、学校の体育館も転用する予定だ。

 野戦病院では、短時間検査キットで感染しているかどうかを検査し、感染しているなら、野戦病院に入院するか、自宅療養する。

 ここには、救急車か、自家用車、タクシーでやって来て、それぞれ車内で待機してもらう。

 更に救急車での隊員の防護服着用と短時間検査の実施である。救急車の隊員が感染すると病院も、感染する。


 (長いワン。長すぎるワン。)


 更に病院従事者への防護服の支援である。もちろん重症化しやすい老人施設への支援も病院同様に必要だ。

 ケーキを取る時間を作ろうとノンがナナ子に問いかける。


 「救急車で検査はワワン?」


 しかし、ナナ子は完璧に答える。


 「検査しなければ、病院が感染コン。」


 ノンが考えるだけでも、膨大な人、物、金、施設が必要だと思える。

 ノンは何とかケーキを取ろうとするが、ナナ子はまだ、ノンを解放しない。

 そんなノンにナナ子が一人の男を紹介する。

 金色に頭の髪を染め、黒いサングラスをかけた柴犬族である。


 「はじめまして、明法みょうほうです。」


 「明法先生は、大陸の|均一主義《コミュニズム》大国について詳しく、今回の肺炎殺し(コロナウイルス)について重要な話を聞かせてもらえます。」


 ナナ子が説明した後、明法先生が説明を始める。

 

 (ワーン、ワーン、ケーキを取りたいワン。)


 ノンの心の叫びは無視される。


 今回の肺炎殺し(コロナウイルス)は、均一主義コミュニズム大国がブショウの細菌研究所で作った細菌兵器が漏れてしまった可能性がある事。

 更に均一主義(コミュニズム)大国が、当初隠蔽を計り、世界に拡散させてしまった事。

 更には、頭脳主義(キャピタリズム)の新大陸大国に責任を押し付けようとして、経済戦争状態である事を一気に説明する。


 ノンは長官である為に、せっかくバイキング形式の結婚式で、食べたい料理がたくさんあるのに話を聞いていなければならない。

 しかも、話が難しくて心の中でぼやく。


 (長官はツライヨ)

 

 ナナ子がノンに変わって質問する。


 「なぜ、明法先生は知っているのですか?」


 明法は、これらの話は台話国と英語のニュースでは、いっぱい流れている事を説明する。

 ノンは思わず口が開いてしまう。


 「それではマスゴミはまるで増すゴミ(情報隠蔽)ワン。」


 そこへマサヒロがやってくる。


 「明法先生の話は、非常に重要だと思って、急遽、来てもらいました。」


 ノンは頷くが、ノンは心で再びぼやく。


 (長官はツライヨ)


 ノンの心は、河川敷にそった道の上をヒラヒラと黄色のモンキチョウのように飛んでいく。




 ノンは、やっと明法先生の話が終わって、美味しい食事に移ろうとしていたが、ここで、マサヒロとナナ子が話を始める。


 マサヒロが持論をノンに説明しはじめる。


 「僕は、遠隔勤務、遠隔教育、遠隔医療などに巨大な資金を投入するべきと考えます。」


 この国が怠ってきた情報変革を、ここで取り戻さなければ、この国には、明るい未来はない。


 「でも、ただの情報では、ゴミの山になるコン。」


 情報は、整理され信頼性について補足されなければ、ゴミと変わらない。マスゴミは情報を垂れ流しているから、マスゴミなのだ。

 そして、スキャンダル誘導、反復洗脳で国民を奴隷化していた。


 「どうやって知的情報(インテリジェンス)を持てるかが問題なのです。」


 マサヒロがこの国が、独自情報を集める事を殆ど軽視している事を嘆く。この時、ノンの危機管理であるムスコが縮んだ。


 「何か企んでいるのワワン?」


 ナナ子とマサヒロとサラまでも頷く。


 「情報担当を追加で採用しましょうコン。」


 丁度、マサヒロの異母兄に天弧族のマサモチがいるので、適任という話なり、情報担当を作ることになった。


 ノン長官は、何か自分の知らないうちに、物事が決まっているような気はしなかったが、ケーキを取れず思わずまたも心で叫ぶ。


 (長官はツライヨ)


 ノンは、ノンの心だけでも、シマエナガにこの岬から、とってもとっても連れ出してもらいたかった。

 


――――――――――‐――――――――――――――――――‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 (面倒くさい話:長い話の補足)

 均一主義(コミュニズム)国は、ほぼ独裁国家となり、その独裁が個人であるか、集団であるかは問わず、結局、官僚による腐敗をもたらし、報告は歪曲される。詳細は以下の文献


 『中国五千年の虚言史』 石平 著 徳間書店


 (面倒くさい話:知床での観光船事故)

 他の国の事を言っている場合ではない。

 痛ましい事故が知床で起きてしまった。

 幾つかの問題があったことは既に報道されている。

 ただ、このような事故を防ぐ為に、最低限しなければならないことも明らかになったと思う。

 それは、救命ボートなどの必要性だと考える。

 救命衣は、知床半島の海では数分間しか救命しない。これは、タイタニック号の悲劇でも証明されている。

 最低限必要なことは、緊急の救助が間に合う為に、救命ボートが法令により必要とされる法令の改正だと考える。

 全ての観光船に必要かどうかの判断は、専門家に任せるが、知床半島の海のような環境では必要であり、次に寒冷な海で同じような事故が起きるなら、これは不作為の殺人ではないだろうか?

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