少女人形は目覚めた。
書籍化目指して頑張るぞ!
物語に拘りたいので、少し更新頻度はゆっくりかもしれませんが、毎日更新を出来るだけ続けて行こうと思うので宜しくお願いします!
タイトルとあらすじは、後程変更するかもしれませんので、変更があれば最新話の前書きにて報告致します!
凄いすごい! すごーい!
瞳が開いた瞬間に飛び込んで来た景色が凄い!
目の前にあるのは海? 違う!
波が立って無い! それじゃあ何?
周囲を見渡すと――ここは森の中みたい。
それじゃあ湖?
うん、湖だ!
広いなぁ……でも、底が見えるからそれ程深くは無いみたい?
私は……ミラ? そう! 私の名前はミラ!
でも、どうしてこんな所に居るんだろう?
周りに聳える木々は凄く大きいけど、それだけじゃない!
草も落ち葉も凄く大きい!
不思議な森……でも、凄く楽しい!
奥には何があるのかな?
歩きやすそうな、背の低い草の間を縫うように森の中を歩いて行くと、木の杭で作った柵がある。
わぁ! お花、綺麗! 大きいけど丸くて綺麗な花が咲いている! 赤に、ピンクに、紫に、白!
柵で囲ってあるし、誰かが手入れしているの? もっと奥に行けば他のお花も見つかるかな!
フンフフンっと鼻歌を歌いながら先へ進むと、ブーンっと言う音が聞こえた!
上を見上げると、私の腕よりも大きな蜂さんが飛んで行くのが見えた!
この森って虫さん達も大きいんだ! ちょっと怖くなってきちゃった、元の場所に戻った方が……あれ? 私どっちから来たんだっけ……?
キョロキョロと辺りを見回すけど、何処も同じ様な景色。
でも……たぶんこっち! こっちで合っているはず!
来た道を引き返そうとすると、ガサガサと草をかき分けるみたいな音が前の方から聞こえる……
何? 何かいるの!? 声を出しちゃ駄目! 見つかったら食べられちゃうかもしれない!
そーっと私はその場から離れて、来た道とは違う方へと進んで行く。
迂回して元の場所に戻れるかな?
頭に思い浮かべた方角を頼りに、湖のあった場所を目指して背の高い草の間を通っていく。
――嘘!? どんなに離れても私を追って来ているみたいに草をかき分ける音が聞こえてる。
怖い! こわいこわいこわい!
私は怖くなって耳を塞ぎ走り始めた!
耳は塞いでいるけど、しっかりと聞き取れる!
後ろで草をかき分ける音が強くなった!
やっぱり私、追われているんだ!
逃げないと……私も草をかき分けて必死になって前へ進んで行く!
後ろから地面を蹴る足音が聞こえた! 怖くても振り向いちゃ駄目! そんな余裕ない!
足音がまじかに聞こえて、私を追って来ている何かが、すぐ背後に迫ってきているのが分かる……ああ、私食べられちゃうのかな?
足音の主は私を追い越して、目の前に立ち塞がった!
大きなクリクリした吊り目は真っ直ぐ私を捕らえている。
全身が灰色がかったフカフカの体毛で覆われ、三角形の尖った耳。
手足には大きくて鋭い爪があって、口には牙! 間違いない……狼さんだ!
狼さんは人間の様に二足で立ち上がり、両腕を広げて私の方へ歩み寄って来る!
目を反らせない……きっと振り返ればすぐに飛びついて来て食べられちゃう!
私は恐怖心のあまり後退りして、石につまずいて転んでしまった!
足元の辺りまで、狼さんの影が迫って来る……誰か助けて!
声も出せず、ギュっと目を閉じ、いつ来るか分からない痛みに怯えて、小さくなって固まっていると……狼さんはいつまで経っても襲って来る事は無かった。
「助けて……たすけて……」小さく私は呟いた……
「ミラ、一人で出歩くのは危険だ」
え? 何? 誰かが私の名前を読んで声を掛けてきてくれた。
恐るおそる瞳を開けて見ると、目の前には狼さんが居て、優しそうな目でこっちを見ていた。
「一緒に泉へ戻ろう。 俺達のジェフパラディースに」
「私の事……食べないの?」
「食べるはず無いだろう。 着いて来るんだ」
何処に連れて行かれるのかな? もしかしたら巣には子供達が居て、そのエサにされちゃったりするの?
怖いけど、私は捕まってしまったから狼さんに従うしか無い。
言葉を話せるみたいだし、逃げ出そうとして、酷い目に合うより、食べられるなら痛くしないでってお願いしよう……
狼さんがかき分けてくれた草の間を通り、静かに着いて行くと、最初に見た湖へと戻って来ていた。
作者よりお願いです!
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