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妄想置き場  作者: 山岸マロニィ
3/3

彼と彼女のバレンタイン

 「……ジーク、今日は何の日か知ってる?」

「……き、今日か。そう、だな……」

「はいっ、これ」

「……こ、これは……?」

「私の手作りチョコ。食べてね」

「あり、がとう……。……しかし、この大きさは……」

「私の愛の大きさを、そのままチョコにしたの」

「………」

「まさか、受け取れない、とか?」

「そ、そんな事はない!少し、大きさに驚いて……」

「……今、後ろに何を隠したの?」

「い、いや、気のせいだ、何も……」

「まさか、他の女から受け取って、証拠隠滅に食べてたり、してないわよね?」

「ま、まさか、そんなこと……、ハハハ……」

「こうすれば、すぐに分かるんだから」

 (唇を触れ合わせる)

「………」

「……GO〇IVAでしょ?」

「………」

「誰?」

「い、いや、その……。……すまない、断れなかったんだ……」

「フフッ、怒ってなんかないわ。

 ──だって、そんな女たちの羨望の的であるジークは、もう、私のモノ、なんだから」




 「……どうした、ベルゼブブ」

「今日はバレンタインでございます。日頃の気持ちを込めて、チョコを作って参りました。どうか、お召し上がりください」

「……確認したい」

「はい?」

「材料集めを、アンクイーネにやらせてないか?」

「……やらせました」

「では、この黒い粒々は……」

「黒ゴマです」

「………」

「和風トリュフです」

「………」

「黒ゴマです」




 「骨三郎、あげる」

「……どうした、アズ?プレゼントなんて」

「バレンタインだから、チョコ」

「………」

「なんで泣くの?」

「……いや、だって、嬉しいじゃねぇか……。アズが、手作りチョコ、だぜ……?」

「それ、もらったの」

「……誰、から?」

「ガラン」

「………」

「取り憑いてる、骨が作ったやつを、いらないから、くれたの」

「……うえーっ!泣いて損した!涙を返せーっ!」

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