第四十二話 ここから始まる
随分短めです
「ふぅん・・・」
ロストはエルから聞いた話を真面目に聞き、沈黙する。
「・・・」
クロエはこの過去を知っていたのか眠たそうに眼を擦る。
「ま、こんなところさ」
「・・・なるほどな。お前が12魔騎士に対して憎悪がある理由がわかってスッキリしたよ」
ロストは腕を組みイスの背もたれによりかかる。
「そうかい?それはよかった」
「ま、お前の復讐は俺の復讐でもあるからな」
「そうだね。それで?これからどうするんだい?」
「ん?これから?」
「一応すぐに上に出られる用意はあるけど、すぐに12魔騎士に復讐しにいくかい?」
「ああ。当然だ・・・っといいたいところなんだがな」
「何か?」
「装備等の問題もあって今すぐには動けない状態だ。残念だがな」
「なるほど。確かにそれは深刻な問題だ」
「でもあんたは直してくれるんだろう?」
「勿論だ」
「そうかい?ならゆっくりしていてくれ」
「あ、でも」
「でも?」
「一応銃は作ってくれ鍛錬とかに使うからさ」
「分かったよ。銃は一応作っておく」
「ああ」
ロストはイスから立ち上がり部屋から出ていく。それにならってクロエもロストの後を追う。そしてその背後にエルが呼びかける。
「クロエ」
「ん?何?」
エルは一度深呼吸をしてはっきりと告げる。まるで医者が余命宣告をするように。
「クロエ。君の時間もそう長くは持たない。覚悟を決めておいた方がいいよ」
エルはクロエにそう告げる。告げられたクロエはその言葉を聞き、花開く笑顔を見せる。
「大丈夫だよ。私の騎士様が助けてくれるもの」
「そうか・・・」
そう答えたエルは少し寂し気に笑った。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回の話も随分短くなりましたがこれで完璧にエル主役の話は終わりですね。一応この話の最後に伏線は引いておきました。この後新章に入る予定です。
エルの言葉とクロエの言葉でこれから何が起こるのか・・・ ご期待ください