第十九話 大蜘蛛との決着
今回もキリがよかったために短めにさせていただきました。
ロストは今現在必死に森の中を駆け回っている最中である。
「キシャアア」
「っ!来やがった!」
ロストは変わらず逃げに徹する。気配をすぐさま消し木の裏に隠れる。
「シャァァァ」
「・・・・・」
必死に息を殺す。自分の心臓があまりに煩く感じているロスト。
「キシャアア」
「・・・去ったか」
大蜘蛛はここにはいないと思ったのか去っていった。
「ふぅ・・・、あと少しだ」
そうしてロストは着々と準備をする。大蜘蛛を確実に狩るために。
「出来た」
ロストは準備を終える。
「あとはあいつを追い詰めるだけだ・・・」
ロストはそうして大蜘蛛を探しに行く。
「キシャアアア!!」
「おっと、探しにいかなくてもそっちから出向いてくれたのか。手間が省けた」
大蜘蛛は探しに行かずとも近くにいたようでロストを視認した瞬間猛スピードで突進をかけてくる。
「さぁ、来い!」
「シャアアア!」
ロストは駆ける。
「シャアアア!!」
「くぅ!危ない!」
糸を飛ばされ切断されかけるが僅差で避ける。
「あと少し!」
「シャアアア!!」
そして遂に追いつかれ足で押しつぶされるという時に
「ここだ!」
ロストは右腕を突き出し一気に下へ引いた。
キュルルルル!
「シャアアア!!」
「お前の糸、使わせてもらったぞ!!」
ロストは大蜘蛛が使わなくなった糸を回収し、武装に使えないかと考えた。大蜘蛛の糸は通常の鉄より何倍にも硬さに優れ頑丈さも一級品。それを物体に引っ掛けて一気に引くとどうなるか。当然糸は容易に切断されない。引っ掛けられたのは当然切断される。そしてロストが森の中を逃げ回っていたのは糸を張り巡らせるためでもあった。
「お前はもう俺の巣に入り込んだ」
「キシャアアア!」
「ハァ!」
さらに大蜘蛛は突進してくるために余計にロストが張り巡らせた糸に絡まる。
「そうだ、突っ込め!」
「シャアアア!!」
「させるか!!」
大蜘蛛が更に糸を吐こうとした瞬間ロストは更に大蜘蛛を締め付ける。
「うおおおおお!!」
「シャアアア!」
ロストは更に力を込めて引く。
「切れろおおお!」
「キ・・シャ・・・シャアア」
ここでロストは糸を自分の手に巻きつけてスパートをかける。
「はあああ!!」
「シャアア・・・・・」
「終わりだ!」
「・・・・・」
ロストは渾身の力を込めて大蜘蛛を切断した。
「ハァ・・・ハァ・・・終わったか」
大蜘蛛のバラバラの死骸を見る。
「強かったな・・・ん?」
大蜘蛛の腹に当たる部位が綺麗に残っていた。
「・・・!糸取れるんじゃないか?」
すぐさまロストは腹を風の刃で切り裂く。
「やっぱり!糸大量にある!」
ロストは武装の充実という面でもこれはありがたかった。そして何より・・・
「今俺全裸だし・・・服もダメになっただろうな」
そう、ロストは大蜘蛛との死闘は全裸で行ったのである。そのため今は服が欲しかった。
「服なんて編めないだろうけど体に纏わせて要所を隠すくらいはできるか。急所も隠しとかないとな。この糸頑丈だし防具としても十分機能するだろう」
そう結論を出し糸を大量に取り出す。
「さて、そろそろ拠点に帰るか・・・」
そこで重要な点に気付く。
「・・・あっ、拠点が分からないんだった!」
ここからまたロストは様々な魔獣との戦いを演じたのだが大蜘蛛の糸が大活躍をし、そこまで苦戦を強いられることはなかった。
「あ~っ、やっと帰った!!」
それからロストが拠点に辿りついたのは大蜘蛛との戦いから3日経った後だった。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
さて、ここで一つ決着がつきました。次回から本当に作者自身が描きたかった本物の魔神の食堂編開始です。次回からは投稿ペースは1週間に2話投稿できるかどうか、となります。一週間に一話も出来ないかもしれません。しかし今は8月なため大丈夫なのですが9月からは更に更新ペースが遅くなる可能性がありです。リアルな事情なためご了承をお願いいたします。次回からは今までとは桁が違う死闘を描けると作者自身もワクワクしております。拙い文章になりに頑張ってロストの死闘を描けるように頑張りたいと思います。こんな作品ですがこれからもよろしくお願いいたします。
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