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有無の騎士  作者: 七咲衣
魔神の食堂編
17/79

第十七話 大蜘蛛登場

「よっと。ふぃ~着いた」


ロストはちょっとした岩場を飛び越え魔神の食堂の下方にあたる部分にたどり着いた。


「しかしここ、蒸し暑いな。どうなってるんだ?」


この下方はどうやら熱帯になっているらしく蒸し暑い。


「ま、いいか。とりあえず探索してみるとしよう」


ロストはこの下方を暫く探索することにした。



30分後・・・



「やばい、迷った」


ロストは今絶賛迷子中である。元々は自分の足跡や自分が所々に付けてきた木の目印を頼りにいろんな所から帰還してきたロストだったが今回はどうやら特別なようでこの森の植物は傷つけても数分すれば回復し、地面も草が踏み潰されても少しすれば元通りになるので足跡が残らない。この数分後だったり少しすればというのがカムフラージュになり、ロストは自分の付けた傷跡も足跡も付かないことに気づけなかった。


「くっそ~・・・どうしよう。周りは同じ見た目の木、木、木だ。地面も緑色一色・・・本気で分からなくなった」


そうぶつくさ文句を言いながらもロストはこの熱帯雨林を進む。


「あ~、ジメジメして気色悪い、暑い。拠点から大して離れてもいないのにどうしてこんなに暑いんだよ」


そうして更に数分歩き続けているとロストは湖を発見した。


「おっ!湖か!?やった!」


この熱帯雨林を探索していながらもいつ襲われても大丈夫なように常に警戒を怠らなかった。そのため緊張感なども半端じゃなく、疲労感も大変溜まっていた。


「少し水浴びさせてもらおう」


そう言って魔神の食堂に転移した時から着続けていた服を脱ぎ捨てる。


「あ``~生き返る・・・・」


そう言って湖に浸かる。


「ふぅ~、結構綺麗だし・・・いい所だなぁ」


そう呟いていた所ロストはこの湖の横側に魔獣が来たことを発見する。


(危なっ!視界に入っていなかったら気づきもしなかった・・・)


内心冷や汗を流すロスト。


(どうやら水を飲みに来たのか・・・見たことのない魔獣だな。あの形・・・牛、か?」


暫くその牛が水辺で水を飲んだりその近くに生えている草を食事する様子を観察する。


「どうやら俺の事には気づいていないようだが・・・」


そうしてのんびり見ていた瞬間だった。


ヒュッ、スパンッ!


「っ!?」


ロストは相当驚愕した。何せ今のんびりと食事をしていた牛が1秒経たずして一瞬で幾辺もの肉塊になってしまったのだ。


「一体何が・・・」


カサカサカサカサカサ


(物音・・・?」


ロストは茂みから何か物音がすることに気づき暫く気配を遮断しいつ襲われてもいいように警戒をする。そうして数秒後謎の物音の正体が分かった。


「キシャァァァァ・・・」


(あれは・・・蜘蛛か?何て大きさしてやがる)


物音の正体は全長8mはあろうという大蜘蛛だった。


「キシャアアア」


大蜘蛛は何を思ったのかその場で細切れになった牛を捕食し始めた。


「シャアアア」


その場にあった全長3m程の大型の牛はものの数十秒で大蜘蛛の腹の中に収まってしまった。


「シャアアア・・・」


(あの大蜘蛛、どうやってあの牛を細切れにした?蜘蛛の生態って自分が張った巣に掛かった獲物を捕食して生きる生き物だろう。それがどうやってあんな細切れ肉に出来た?)


大蜘蛛はその場から離れて去っていくとロストは考えていたが実際はそうではなかった。


(何をするつもりだ・・・?)


大蜘蛛はその場から少し離れた場所に向かった。


(おいまさか!?)


大蜘蛛はロストの服がある場所で立ち止まった。


「・・・・」


大蜘蛛は何もしていないがロストが脱ぎ捨てた服の場所で留まる。


(おいおい、匂いを辿って俺の場所を見つけるなんて真似はやめてくれよ。蜘蛛に嗅覚が備わっていないのは知ってるがここの魔獣共はただでさえ常識が通じない化物共なんだ。俺の知ってる知識なんて簡単に飛び越えてくる。頼むからそういう事はやめてくれ)


「・・・・」

「・・・・」


ロストも大蜘蛛もジッとしたまま動かない。互にジッとしたまま動かずいた。


「・・・」

「へっ・・・へっ・・・へっくしょい!!」


ここでロスト、痛恨のミス。ずっと水に浸かっていたため体が冷えてしまいクシャミが出てしまった。


「キシャアアァ!!」

「・・・あ」


思いっきり大蜘蛛に見つかってしまった。


「シャアアア!!」

「待て待て待て待てぇ!!」


大蜘蛛は全長8mはあろうという巨体を所持しているにも関わらずなんと水上を歩いてきたのだ。


「シャアアア!!」

「どうやってるんだよ!本当にこの森は常識が通じねぇなおい!」


ロストは一瞬で水上に氷の足場を無詠唱で作り出し、その上に乗る。


「シャアアア!!」

「くっ!」


しかし大蜘蛛は想像以上に足が速く、すぐに追いついてきてしまった。


「ちぃ!」


ロストはその足場をすぐに放置しその場から飛び去る。そしてすぐに別の足場を作成する。


「くそっ、動きが速い・・・でもやるしかないよなぁ」

「シャアアアア!!」


湖にて大蜘蛛とロストの激闘が幕を開けた。


最後まで読んでくださってありがとうございます。

誤字脱字がありましたらお手数ですが報告よろしくお願いします。

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