第八話 邂逅
今回はちょっち短めでし。話の都合上?
それから数分後、俺は彼女に状況を説明してこちらが怪しい者ではないと力説すると、その彼女から「この人がわたくしを厭らしい目で見ていたのですわ」といい、姉貴にヘッドクローをかまされつつ「お姉様はいつも美しゅうございます!!」などと言ってようやく解放されたからほっとしってるとユウカさんからの視線が冷たい事に気付きすごく落ち込んだ。・・・なんで俺がこんな目に・・・?
「まぁ、別に素性はどうでもいいんだがこんなところに女性を一人残しておくのも不安だから俺たちのパーティーに入らないか?」
と言うと、彼女は目を背けて
「あ〜、え〜と、そのパーティーはお断りして・・・」
「クロト、こいつ多分パーティー組んだ事無さそうだぞ」
そう俺が言うと『ギクッ』という擬音のような音が聞こえた気がした。
「そ、そうよ!!悪い!?」
逆切れを喰らいました。・・・まあ、俺が全然悪くないって訳じゃないけども。
「まぁ、やり方くらいすぐ分かるさ」
そう言ってクロトはパーティー正体を送り、仲間のステータスが追加された時に全員度肝を抜かれた。
「なっ!?レベル35だって!?」
「え・・・名前は『アカ』!?」
そう言って思わず俺は指を指すとその人差し指を逆関節に曲げられそうになった。危ない。
「いきなり人を指差しするなんて失礼ですわね。というか、何故わたくしの名前をご存知で?」
「それは視界の右下に・・・」
「あぁ・・・これですの。ふぅん、これですの」
そう言ってジト目を俺に向けて言った。
「ですが、わたくしあなた方のお名前を知りませんからどなたがどなたか分かりませんわ」
「あ、あぁ、それはすまん。俺がクロト。こっちの失礼な奴がレン」
「失礼って言うなよ」
「で、こっちの女性がレンの姉のアキで、こっちが俺の妹のユウカだ」
「よろしくね〜『アカ』さん」
「よろ・・・しく・・・」
「はい、よろしくお願いしますわ」
と、その時姉が興奮を隠し切れない様子で口を開いた。
「ね、ねぇ、あなたプレイヤーランキングって知ってる?」
「プレイヤーランキングですか?いえ、わたくしスポーツなどはやっていませんので」
「そういうのじゃないよ〜。簡単に言うとこの世界の強さのランキングなんだけど、アカさん、あなたが一位なのよ!」
「・・・はい?なんと言いましたの?」
「あなたがこの世界最強の人物なのよ」
「・・・どうやらわたくしの脳みそはやられてしまったようですわ。もうお仕舞かもしれませんわね」
「ち、ちがうって。ほ、ほらメニューを開いて!」
姉貴はそう言ってメニューのランキングを見せる。そして、ランキングの『自分のデータ』というところをタッチするとアカのランキングデータが出て来た。
「・・・本当に一位ですわ」
「驚いたわ。まさか二位と一位が一緒のパーティーにいるなんてね」
「二位?どなたが二位ですの?」
「あぁ、俺だよ。しかし本当に驚いた。君がかの有名な・・・いや、逆に無名な一位とは」
「無名?」
「誰も、君の正体を知らないからな。男か女かすら分からないなぞの人物ってのが一般の見解だな」
「い、いつの間にそんな事に・・・」
「このランキングの集計が始まってだからこれが翌日くらいだな。・・・初日の時点では3離されていたな」
「ん?ってことは別に一人でも問題無いような・・・いてっ!姉貴何すんだ」
そんな事言ってると姉貴に殴られた。・・・痛かったです。
「アンタ馬鹿?女の子がどんなに強くっても一人にしちゃいけないのよ」
「・・・そういうもん?」
「そういうもんよ、馬鹿」
「まあ、なにはともあれ、俺たちは君を歓迎する・・・んだが、このあと、どうする?街に一旦帰るか?」
「わたくしは問題ありませんわ。・・・っと、敵が来たようですわね」
「索敵持ちか。いや、ほんと助かる」
「どうやら、キングマンキーみたいだぞ?どうする、クロト?」
「ん?どうせこのメンバーなら勝てるだろ?」
「まぁ、そうね。数で押されなかったら余裕ね」
「数は二体ですわ?どうなさいます?」
「任せたぜクロトリーダー」
そう俺がおちゃらけて言うとクロトは苦笑いして言った。
「よし、一体は俺とレン、もう一体はアカとアキに任せる。ユウカは支援。ほら、行くぞ!」
そう言って戦闘が始まった。
####数時間後####
「ふぅん、これがボス部屋かしら?」
俺たちは最上階にたどりつき、目の前にものものしい扉を発見した。
「たぶん、そうだろ?開けるか?」
「待てよ、クロト。こういうゲームのボスって大体大人数パーティー組んで行くやつじゃないか?」
「くっくっく、最強プレイヤーとその次点が揃ってるし、お前らも人類では上級の部類だろう。行けるって」
「・・・でも、勝てないかも・・・」
「その時は退却する。だから、まあ、いっちょ」
「いってみようや」
そして、五人は足を踏み入れた




