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NEW LIFE GAME  作者: 樹実源峰
ゲームの始まり
6/10

第5話 乱入

 集合時間の5分前に俺は待ち合わせ場所となった噴水前にいた。待ち合わせの相手は姉貴だ。これから姉貴のクエストの手伝いにいくのだ。あのおっさんに話しかけてくるようにメールで伝えておいた。たぶん、姉貴は俺の拙い文章も理解してくれると思っている。

 因に、俺は買い物の目的はほぼ達成できていなかった。「プレートメイルセット」なるものは2000Gだったので却下。ただ、初期装備だとなんだか格好悪いので「ジャージ上下」を買った。1000Gだった。つか、ファンタジーな世界観にあってない気がする。

 あと、残りの2000Gで回復薬などやらを買った。

「やっほ、レン。待った?」

「・・・ああ、10分くらい、な」

姉貴が来たのは約束の時間から5分後だった。時間指定してきたのはあっちなのに・・・。と、思いつつ非難の視線を浴びせるが、姉貴はケロッとしている。まあ、いつもの通りなのでほっとくとして、問題は・・・

「おっ、この子が弟クン?俺にも紹介・・・」

「じゃ、いい暇潰しになりました。ばいばーい。さて、行こうか、レン」

暇つぶしの為にそこらへんからつれて来たであろう男がいることだ。いきなり別れを突きつけられ呆然としている男に背を向けて俺達は去った。

 これは、姉貴の数多ある悪癖の一つなのだが、暇なときは街とかに繰り出して逆ナンまがいのことをして、暇が潰れたらあっさり振ってしまうのだ。・・・姉貴曰く「付き合ってないから振った訳じゃない」んだと。

「なあ、姉貴」

「んー?」

「・・・あれ、もうやめたら?」

「やーよ、というかいつもどおりじゃない」

「まあ、いいや。ところで姉貴」

「なによ?また文句?」

「方向逆」

くるっと方向転換して先程から呆然としたまま固まってる男の目の前を通りフィールドへと繰り出した。


「えいっ、ストライク!」

ザシュンと、姉貴が目の前に現れたスライムを切って、『カゼナオール』を取得したあとに出現したスライムは全て倒された。

「よぉし、絶好調〜♪」

姉貴がふんふん鼻歌を歌いながら帰ろうとすると森中にサイレンが響き渡った。

「な、なんだっ!?」

『緊急警報発令デス。現在「カタール森林」ニテ、「キングマンキー」ノ出現ヲ確認。レベルハ1デスガソノ強サハフツウノ「マンキー」ノ十倍デス』

その時、ドサッと、何かが落ちるような音が背後でした。おそるおそる振り返ってみるとそこには、男が倒れていた。彼は恐怖に目を見開き固まっていた。そして、すぐにパリンと、ガラスが割れるような音ともに彼の体は砕け散った。

 そのあとに残された回復薬やMP回復薬を、俺は無意識に素早くアイテムパックにしまっていた。

「あ、姉貴、聞いただろ?とんでもない奴が来てる。早く逃げ・・・」

ドォン、ドォン、という地鳴りが近づいて来た。音の発生源へと目を向けると体長3mほどの大きい猿がいた。右上に表示された情報によると『キングマンキー Lv.1』だそうだ。そう、警報にあった奴だ。

「こうなったら、姉貴だけでも逃げろ!」

そう言って俺は剣を抜いてキングマンキーと対峙する。その時俺の脳裏に浮かんだのは先程の男の恐怖の顔。覚悟を決めきれずに尻込みしそうになった時、キングマンキーが吹っ飛ばされた。そして、一人の男が現れた。

「無事か、二人とも!」

そう言って振り返ったのは見たことのある顔。先程街でぶつかって来た人だった。

「クロトさん!!」

「お?誰かと思えば・・・なんてな。さっきの警報を聞いて嫌な予感がして来てみれば・・・災難だったな」

「ど、どうしてここが?」

俺は当然の質問を投げつける。すると、クロトさんは笑って

「フレンドの居場所はある程度調べられるんだぜ?」

と言った。

クロトの言っているのはフレンドとなった機能の一つだ。それを使うことで、フレンドが今どこらへんにいるか、と言った情報が手に入るのだ。

「まー、敏捷力ガン上げしておいたおかげでギリギリ間に合った。よかったよかった」

「で、でも、こいつ滅茶苦茶強いんですよ?」

「ああ、うん、まあ、確かに1桁じゃあキツいよな」

その言葉に俺は血の気が引いた。1桁なら?でも彼は15レベル。

「さて、行くか」

大剣を抜刀し、一瞬で距離をつめて

「ストライク!」

剣の腹で殴りつける。しかもストライクで威力が増した一撃はキングマンキーにそれなりにダメージを与え、モンスターの頭上に表示されているHPゲージの三割が削られる。さらに、そのまま後ずさった猿を踏み台にして跳躍し、

「フォーリング・インパクト!」

落下の衝撃を込めた一撃をキングマンキーの脳天に与える。その瞬間ゲージは残り7割を全て削り切った。ファンファーレがなりレベルアップの音とともにキングマンキーは霧散する。

「レベルが上がったみたいだな、おめでとう」

「あ、ありがとうございます!」

「いやいや、いいってことよ。ま、いいや。ちょっと山分けにしようぜ」

といってクロトさんはドロップアイテムの山を三つに分ける。

「え?いや、でも倒したのは・・・」

「まあ、いいっていいって。お近づきの印、な」

「いや、悪いですって」

「いいじゃねえか」

そのままなすり付けあいみたいなことをやって俺が折れたのは言うまでもないことだろう。

キングマンキー、あっさり倒されましたがあれでも強い方なんですよ。Lv.15のクロトが強過ぎるだけなんですよ・・・。

という設定にはしてありますが、此の後出現するキングマンキーは雑魚・・・あ、いえなんでもないです。


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