Die or die
「ヘァッ!?」
カヅトは咄嗟に上体を捻って回避! 文字通りの間一髪! 弾丸が毛髪をかすめて突き抜ける!
「あー? 避けたの? マジで?」
ニヤニヤ! 再びカヅトを捉える銃口! ヤバい! その時!
「おい、あいつピストル持ってんぞ!?」
「マジカヨ!」「ヤベェヨ!」「アリエネェヨ!」
「しかもあの少年を撃ったぞ!?」
「マジカヨ!」「ヤベェヨ!」「アリエネェヨ!」
騒ぎ出す野次馬……銃声にはさすがに気がついたらしい!
「るっせーな……死ねよマジ、テキトーに殺すぞ?」
放火魔の男が野次馬の群れに向かって適当にトリガーを引いた! パァン! 誰かの胸に鮮血が散る……! なんたる乱暴か!
「マジカヨ!」「ヤベェヨ!」「アリエネェヨ!」
そのとおりだ! 悲鳴を上げ、逃げ惑う野次馬たち! 傍らでは火事!
混乱に乗じてカヅトも走った。とにかく走った! だってあり得ない! 泥棒にナイフを突き付けられるのもありえないが、放火魔に拳銃を突き付けられるなんて! ヤバいこと限りなし! 紛うことなき命の危機!
「逃げんなよぉ、キヒヒッ!」
パァン! カヅトの足元でコンクリが爆ぜた! 逃げるカヅト! 追う放火魔! いや、乱射魔か? とにかく魔物だ! 裸ジャケットの魔物がカヅトの命を狙っている!
「もうイヤだ! もうイヤだ! おかしいだろ! 狂ってやがる! あり得ねぇよ! くっそ、助けろ! 誰か誰かだれか!」
涙目のカヅト! 裸ジャケの足音が迫る!
「ヒヒッ、死ねや!」
拳銃が構えられる気配。振り返ったカヅトは、その銃口が自分の姿を捉えていることを確認し、目を覆った。今度こそ本当に、万事休す……!?
パァン!
銃声、静寂、そして――
「……んだそりゃぁ?」
裸ジャケの驚きの声……?
弾丸は確かに命中した……しかしそれは、カヅトの体にではない。青い炎を宿す刀身に、だ……! そう、カヅトの手には今、蒼炎の剣が握られていた!
「な、んで……これが、ここに……?」
カヅト混乱中! だがしかし! 当人を差し置いて、裸ジャケはそれほど驚いてはいない様子だ……?
「……あー、そう? ボウズも適格者だったのな……キヒッ! なかなかおもしれぇじゃん!」
「な、なに? ゲーマー……?」
「なんだ? あのふざけたバニー女に会ってねぇのか? まぁいいけど、知らなくても……ヒヒッ! どうせここで死ぬからなぁ!」
なんと!? 拳銃を再三突きつけてくる裸ジャケ! だが、今はカヅトにも武器がある! それでも、消し炭と化した泥棒の姿が脳裏を過ぎったが……やらなければ、やられるのは自分だ!
「くっ……!」
大剣を一閃! 咄嗟に腕を引いた裸ジャケ。その手元で拳銃が溶け落ちた! 圧倒的火力!
「あーあー、楽じゃねぇんだぞ、リアルで拳銃パクるのもさぁ……」
肩をすくめる裸ジャケ。この男には恐怖心がないのだろうか……? 大剣を構え直すカヅト。と、その時、路地にパトカーのサイレンがこだました。
「おぉっとぉ? もう来やがったか……。あー、警戒レベルが上がってんのかぁ?」
裸ジャケはどこからともなくスケートボードを取り出した。本当に、ど こ か ら と も な く ! 少なくともカヅトにはそう見えた。伸ばした手の先、何もない空中からスケボーが出現したのだ!
「ひとまず退散だ。覚えとけボウズ、次会ったら殺す」
裸ジャケは逃げだした! スケボーで!




