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闖入者

 腕を広げ、壮絶に笑うJJ。ベロリと出された舌の上、ドクロのシルバーピアスも笑っていた。

「『クライムシミュレーション』――このジャンルがある限り、オレ様はどんな犯罪をしてもォ……絶対に『足がつかない』! 盗みも、レイプも、殺人も……! 街中を火の海にしたってなァ! キヒャヒャヒャヒャッ!!」


 JJの笑い声をどこか遠くの意識で聞きつつ、カヅトは内心焦りに焦っていた……もちろん、そんな胸中はおくびにも出さない。

 果たして、大剣一本であの狂人と戦えるのだろうか? JJのふてぶてしい態度……まだなにかアイテムを持っているという余裕の現れだろうか?


「さァて……? ボウズはどうやって殺されるのがお望みなんだァ~?」

「……くそっ」

 スケボーに足を掛けたJJに対し、カヅトは歯ぎしりをした。



 人生の中で、いわゆる『コンピュータゲーム』を一度もプレイしたことがない人は希有だろう。少し考えてみて欲しい。

 一言にゲームと言っても、そのプレイスタイルは千差万別である。大きなところで分けると、



 本気でやり込む / 気楽に気ままにやる



 の2タイプになるだろうか。他にも、



 攻略法を調べて取りかかる / 手探りで四苦八苦しながら進む



 1つの対象に入れ込む / 複数の対象を満遍なく扱う



 やることがなくなるまで / エンディングを見るまで



 ……などなど。列挙すればキリが無い。もちろん、ものの楽しみ方に正解などないのだから、自分の思うようにプレイすれば良い。

 RPGについて言えば、強敵を前にしても怯まず前進していく『大胆派』と、徹底的にレベルを上げて装備を調えてから旅に出る『慎重派』とに分けられるだろう。はてさて、どちらがよりメジャーなプレイスタイルかはわからないが……カヅトに関して言えば、それは明確だった。これまでの彼の行動からも大方推理できるだろう。



 カヅトは大活劇の主人公には向かない……彼が生粋の『慎重派』だったからだ。



 カヅトは大剣を構えたまま、 一 歩 退 い た 。

 それは彼にとってごく当然のこと。なぜなら、今の自分はMPが足りない……万全の状態ではないからだ。万全の状態でないのに強敵に立ち向かうのは、彼のプレイスタイルに反する。


 MPという概念までがこのリアルに組み込まれているのは予想外だった……ここは一旦退いて、態勢を立て直すべき――カヅトはそう考えた。だからこその行動である。


 だが、これがゲームだからといって、思い通りになるとは限らない――むしろ、ならないと考えた方が良かっただろう。なぜならこのリアルは……べリーハードモードである!


 カヅトはソレを視界に捉え、目を見開いた。思わず悲鳴が出そうになった。


「あー? 逃げんのかァ?」

 首の骨を鳴らすJJ――その背後、音も立てずに屋根をよじ登ってきたのは……ルリノ!?

次回更新は9/21(土)予定!

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