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オリヴィアの覚醒-1

初めての作品なので、拙い文章ですが楽しんでいただけると幸いです。

私は百寿を迎えたその数カ月後、この世を去った。

結婚し、子供二人も大きくなって、最後は病気で亡くなったけど幸せな人生だった。

でも、一つ心残りがある。


それは...BLを満喫できなかったことだ。


BLは好きだけど、ネットにあるBLを読み漁るだけで、自分の好きを表に出せなかった。だから、一人でずっと悶々と思いを募らせていたのだ__ということを、庭でつまずいた先にあった石に頭をぶつけた衝撃とともに思い出した。


太陽の光を感じ、目が覚めた。

目が覚めたら豪華なベッドの上だった。どうやら私は、つまずいて石に頭をぶつけた拍子に、前世の記憶を思い出したらしい。

芋づる式にもう一つ重要なことを思い出した。名前が昔読んだ漫画の主人公の名前と同じだったのだ。それだけ聞くと喜ぶべきであろうが、

転生先がよくある乙女ゲームに転生した悪役令嬢、

オリヴィア・ヴァン・アストルフォに転生していることにも気づいたのだ。


ベットで考え込んでいると、身体を拭く用のタオルを持ってきた私の専属メイド、セシルがやってきた。

「おはよう。あなたが看病してくれてのよね、ありがとう。お父様とお母様を呼んでくださる?」

穏やかに頼んだつもりだったが、セシルの顔はみるみる青ざめていった。


(……信じられない。あのお転婆お嬢様が敬語? 感謝? これは、後でまとめて私をクビにするための罠だわ。そうに違いないわ!)


セシルは「失礼いたしますっ!」と、小走りに部屋を飛び出していった。


従者に優しくしただけで逃げられるあたり、相当慕われてない事がわかる。


父で公爵家当主のセルフォンスと母リヴェロがメイドからの知らせを聞き、走って私の部屋に入って来た。

「オリヴィアもう大丈夫なのか。。おでこから血を流して倒れているお前を見て、私まで失神しそうだったよ」

「丸二日も寝ていたのよ」

「目が覚めてから時間が経ちましたので、もう大丈夫です。ご心配をおかけしました」

二人は驚愕の表情を浮かべた。

「いつもそんなかしこまった発言しなかったじゃないか。どうしたんだい」

「本当に大丈夫ですよ。丸二日も眠ったおかげで、かえって頭がスッキリしましたわ」

「額の傷もあるし、お医者さまに見ていただきましょう」

「すまないが私達は仕事があるから行くが、くれぐれも安静に。」

数時間後、医師に診てもらって、健康状態に問題はなく、幸い額の傷が残らないと診断された。


翌日、様子を見に来た父から「先日お会いしたユリウス様がお見舞いに来たいと言っていたよ。」

と告げられた。

そう、騒動の原因はこの国の王子、ユリウス様にある。

前世の記憶が蘇る前の私は、相当な面食いで、お気に入りの男性を見つけては、ベタベタと付きまとっていた。今のお気に入りはユリウス様で、父の登城に無理やり同行させてもらった。ユリウス様がお庭でお茶を用意して待っていると聞き、嬉しくなって走ったら石につまずいた。まあ...そのおかげで思い出せたのだからユリウス様には感謝である。


私は、ノートを広げ、今わかっていることを書き出した。

・4人の攻略対象が主人公にひかれていたことと

・漫画でヒロイン役だった子も主人公にひかれていたこと


「ざっくりとした内容しか覚えてないわ」

「でも、まず第一にあのユリウス王子をどうにかしないといけないわね」


私は脳内会議を始めた。


100歳の私(理性)

「作中では彼と額の怪我を理由に必死に婚約回避しようと頑張っていたわよね」

腐女子の私(欲望)

「でも、それだと彼に気に入られちゃう。私はイケメンがいちゃつく姿を影から見たいの‼」

7歳の私(本能)

「イケメンはずっと見てたいわ‼」

腐女子の私

「そうね。イケメンと繋がってれば自然とイケメンは集まるし、王子との供給ラインを捨てるのは惜しいわね」

100歳の私

「でも、このままいい感じなって結婚しちゃうわよ。それに漫画のおかげで解決済みな気がしているけど、今の私は何もしてないから断罪ルートままだわ。」

腐女子の私

「確かに、私には漫画の主人公のような天真爛漫さはないわね...腐ってるし」

7歳の私

「まず、こんな美少女を断罪するのはおかしいわ‼」

腐女子の私

「美少女は当て馬になりやすいのよ。だから、十分に断罪にされる可能性があるわ」

全員

「うーん....」

100歳の私

「とりあえず、物語の強制力も考えて、主要メンバーとの関係は変えずにいくのが無難かしら」

腐女子・7歳の私

「そうね」

100歳の私

「じゃあ解散」

私は、彼が興味を持たないよう婚約は承諾しつつ、そのまま彼とは必要最低限の交流に留める程度しか思いつかなかった。


このとき、私はこの判断が後々後悔することになるとは思っていなかった。







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