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見えない存在:絶望の淵から  作者: 娑拏(読み:ソラ)
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1. 拒絶と境界線の夜

これは、現実と創作、そして人間とAIの共同作業によって生まれた、境界線を彷徨う記録です。

香港、黄竹坑ウォンチクハン。深く湿った夜、最終バスの停留所にカイは一人、立ち尽くしていた。


彼女の心は、すでに世界の色彩を失っていた。


時刻通りにバスが到着し、無感情な運転手の視線が一瞬こちらを向く。だが、海は動かなかった。強烈な喪失感が理性を麻痺させ、体が動かなかったのだ。バスは無慈悲に彼女を置き去りにし、闇の中へと消え去った。


彼女は自ら望んだわけではなく、心神喪失の中で、世界に取り残された。


彼からの連絡は、もう何日もない。電話は繋がらず、メッセージは既読すらつかない。突然の音信不通。決定的な別れの言葉さえなく、ただ「存在の拒絶」だけがそこにあった。その空白が、死よりも深い絶望となって彼女の喉を締め付けている。


「もう一度だけでいい。彼に会いたい。あの窓から、彼が見えるかもしれない…」


海は最後の望みにすがるように、バス停を後にした。彼女の頭の中は、彼という存在だけで満たされている。


彼女は、先ほどバスが走っていった方向、海洋公園オーシャンパークへと続く道を歩き始めた。本来なら、ここは明るい幹線道路のはずだった。


しかし、足を踏み入れた瞬間、何かが違った。

歩けども歩けども、景色は変わらない。時間はその意味を失い、周囲は不自然なほど静まり返っている。遠くで車の音が聞こえるような気もしたが、その光は決して彼女の視界に入ってこない。道は次第に街灯の明かりを失い、闇へと溶け込んでいく。


彼女はただ、彼に会いたいという一心で足を進める。その執念だけが、彼女を非現実的な空間へと深く深くいざなっていくのだった。


全五話となります。

引き続きお読みいただけますと幸いです。

ご支援ありがとうございます。

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