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15話 決戦前夜

「さぁ、キョウスケ! ここからは一対一の勝負になってくる。今までお互い助け合ってきたけど、ここからは敵同士だ。容赦はしないよ」


アリスは興奮したように、こちらを睨んでくる。


アリスが相手なら楽勝なんだがなぁ

俺はそう言うと、アリスはへそを曲げたようだ。


そうこうしているうちに、バトラーが入室してきた。

「皆さま、大変お待たせしました。お食事の準備が整いましたので、ご案内いたします。」


案内された賭博宮の食堂で、俺は目を疑った。

もちろん、豪華な食事や高そうな食器ではなく、そこにはブリング国王がテーブルに付いていたのだ。


一同は驚愕する。

国王は事もなげに言った。

「何を驚いている。我も参加者の一人に過ぎない。ここからは立場も同じだ。明日からの戦いの前に、お互いに親交を深めようと思ってな。」


言葉は砕けているが、威厳と自信に満ちている。


王は続ける。

「それに、二人の娘とも久しぶりに食卓を囲みたいと思ったのでね。なぁ、ローズとアリスよ」


娘…どういう事だ。俺はアリスの方に顔を向けるが、アリスは目を合わせようともしない。


ローズと呼ばれる黒髪の女性は、ワインを飲みながら

「光栄ですわ、お父様。明日はお父様と戦えることを楽しみにしております。」


アリスは俯いたまま、何も言わない。

妙な空気が場を支配する。

アリスは小さく、でもはっきりとつぶやいた。

「……とうとうここまで」


その沈黙を破って発言したのは、金髪の男だった。

「なんだよ王様、身内びいきはよしてくれ。そんな事じゃ賭博国家の名がすたるぜ。」


王は笑いながら答える。

「当たり前だ。我は身内だからといって、今回の戦いに忖度した事は一切ない。勝ち上がってきたのは、君と同様、実力によるものだ。君がこの中で勝負に勝てたら、もちろん王座は君のものだ。」


「そうこなくっちゃな。俺の名はスネイル。明日にはこの国の王になってるだろうよ」


「ちょうどいい、ほかの2人にも自己紹介をしてもらおうか?」


黒いフードを被った男がランドと名乗り、それ以上は何も言わなかった。


最後に俺の方に全員の視線が集まる。

あー、キョウスケと言う。とりあえずギャンブルしか能がないから参加してみた


国王がこちらを見据え、

「アリスが随分世話になったようだな。」

とさっきの砕けた表情とはまるで別人のような怒気をはらんだ顔をしている。


いや、まぁそれはお互い様という事で…

俺はその気迫に押されてそれ以上何も言えなかった。

せっかくの料理や酒の味も分からずに、奇妙な食事会は幕を閉じた。





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