プロローグ
君は僕の炎――
『――お伝えします。先ほど発生したマンション火災で、放火犯と思われる男が現行犯逮捕されました』
僕の情熱
『出火元の部屋からは、幼児2名の遺体が発見され、身元の特定を急いでいます』
僕の生きる意味…
「死んじまえ、この凶悪犯!」
「死刑だ、死刑にしろ!」
浴びせられる罵声。
隣にいた警察官が、見かねて僕の頭にスッポリとフードを被せた。
視界が遮られる寸前に飛び込んできた、目を焼くようなフラッシュの渦が、瞳の奥で残像になる。
僕は頭を振って、警察官が被せたフードを取ろうともがいた。
「いいから、被ってろッ!」
警察官は苛立たしげに僕の腕を掴んだが、僕は頑として譲らなかった。フードを取り去ると、いくつものフラッシュの閃光が、僕を焼こうと襲いかかってきた。
「こんな光じゃ……足りない」
「何だとぉ?!」
僕が思わず呟いた言葉に、隣にいた警察官は目を吊り上げた。
だって、本当のことだった。
世界中の侮蔑と恥辱をこの身に集めても、僕を焦がすことなど出来やしない。
僕を焼き尽くすのは、君だけだから。
君は僕の炎――
罪と罰と愛の姿を内包した
ただ一つの、僕の炎――