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アインアルド王子を見返してやる、と決めたからには、本気で婚約発表のパーティーに挑まないといけない。なんとなくこなす、失敗しなければいい、ではないのだ。十二分に成功せねば。
現状、社交界での評判はわたしのほうがオクトール様の足を引っ張っている、と言っても過言ではない。
『社交界に出てこない引きこもり王子』というのがオクトール様の認識ではあるものの、少なくとも魔法道具の功績は多く残しているし、社交的であれば、とオクトール様の人見知りを嘆く人もいる。『引きこもり王子』と言われても、その通りに馬鹿にして使っている人だけではない。
対して、わたしの『おさがり』というあだ名は不名誉ながら、その通りである。アインアルド王子の寵愛を受けられない不愛想な女として見られているのだ。
この二つをどうにか払拭して、婚約発表のパーティーに挑みたい。そんなことをしなくとも婚約発表のパーティーまで結構スケジュールがかつかつなのだが、不幸中の幸いと言うべきか、王族の婚約発表のパーティーともなれば、それはもうド派手にやるので、準備期間は長い。
その間に、やれることはたくさんある。
「――というわけで、二人で夜会に出ましょう!」
オクトール様の部屋での作戦会議。わたしは張り切って彼に提案した。
オクトール様の部屋への入室許可が出るまで時間がかかるだろうと思っていたが、あっさりと通ってしまった。まあ、作戦会議と言う名の、王位を目指すための会話をするのだ。他人が聞き耳を立てやすい場所でするものではないから当然ではある。
ちなみに研究者は皆、部屋が汚いものだと勝手にイメージしていたのだが、オクトール様の部屋はかなり綺麗だった。物も少ない。
閑話休題。
テーブルの上に、わたしは数枚の招待状を並べる。どれもこれも、わたしの友人の家で開かれる夜会だ。『おさがり』と馬鹿にされるわたしにだって、友人の一人や二人はいるのだ。
「夜会に出てどうするんだ」
かちゃ、とオクトール様が眼鏡のブリッジを押し上げる。参加する、と発言しただけで動揺しないでほしい。せめて会場についてからとかにしてくれ。
彼が社交界に不慣れなことは分かり切っているから、わたしも全力でサポートするつもりだが、出よう、と声をかけただけでビビられるとわたしも不安になる。
いや、頑張るけど!
「わたくしとオクトール様がいい仲であるということを周囲に知らしめるのです」
わたしはぴっと人差し指を立てて、考えた作戦の概要を彼に話す。




