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はじまり

はじめましてこんにちはー!

どれくらい書けるかはまだわかりませんがなるべく長く楽しく続くように頑張りたいなと思ってます!

この物語のキャラ設定だけは2年ぐらい前から作ってたけど物語にはしてはなかったので頑張ってノロノロだとは思うけど書き進めます!


それではどうぞ!

誤字脱字注意です!


『私の神子、貴女だけは必ず…』

優しく包むような白い光

何度目かの同じ繰り返される夢

温かい、そして優しい光はいつも側で護ってくれる。


幼い頃から不思議なモノが見えていた(みやこ)は祖母に真っ白な勾玉を貰った。

その勾玉は何色にも汚れることなく綺麗な白だった。

祖母の幸子(さちこ)は都に『これは都を守ってくれる御守りだよ』と言って都に渡した。

その勾玉を持ちはじめてから都は不思議なモノを見ることがなくなった。

一度だけ家に忘れて外に出たことがあった。

不思議なモノをまた見てしまったためそれ以降は肌見放さず持っている。

不思議な、黒い影のような、そこにいてはいけない何か…


高2の夏、親戚の叔父の神社で行われている夏祭りに高校の友達と遊びに行くことになった都は祖母から貰っていた白百合が映える綺麗な浴衣を来て行った。

屋台を周り友達と談笑しながら巡る祭りは時間と共に段々と人が増えていく。

人混みの多さから都は友達とはぐれてしまった。

人波から逃れようと都は神社の本殿の方へ向かって進む。

すると本殿の脇にある雑木林の中に黒い影を見つけてしまった。

今まで勾玉を持ってから見ることのなかったモノ、いったいなんなのだろうと不思議に思う都だったがゾッと背筋が冷える感覚に都の中で『これは見ちゃダメなやつだ』と警戒する。

逃げなきゃ…

すぐにその場を離れようと本殿の方を向くが背中に刺さるなんとも言えない冷たく重たい気配に心臓がドクッドクッと重たく脈を打つ。

『逃げないと』ただそれだけ思うのに足がうまく動かず都は転んでしまった。

起き上がろうとついた手に力を入れようとしたが視界の端で黒い影が揺れた。

顔を上げられなくなった都はどこからともなく吹き出る冷や汗に無意識に首にかけていた白い勾玉を握った。

祖母が都を『護ってくれる』と言った白い勾玉。

肌見放さず持っていた白い勾玉は都が強く握った瞬間光だした。

白い光は黒い影を弾き飛ばした。

しかし黒い影は光の中心にいる都に手を伸ばすような動きを見せる。

眩しい白い光の中、光る勾玉と影の間に白髪の青年が『消えろ』と言い、影を吹き飛ばした。

弾け飛ぶように消えた黒い影に勾玉の光は段々と収まっていく。

勾玉の光が消えて祭り囃子が聞こえだした。

都はハッとして辺りを見回すが影の姿はどこにもなく、はぐれたはずの友達が都を呼びながら駆け寄る。


心身共に疲れきった都は祭りから帰ると首にさげていた勾玉を取り出した。

光っていた真っ白なはずの勾玉は濁ったような灰色をしている。

所々にマーブル模様のようなあの汚れぬ白さがあるものの明らかに色が変わっていた。

濁ってる?

都が首を傾げると後ろから『それは呪いだな』と言う男の声が聞こえた。

突如聞こえた声に「誰!?」と驚く都の後ろに立っていた赤髪に袴のような姿の男は『でかくなったな都!』と言って1人笑っていた。

突然現れた知らない男に戸惑う都だったが何故か少し懐かしさを感じた。

初めて会うはずなのにどこか知っている温もりに都の口からはおばあちゃんと零れていた。

赤髪の男は少し憂いな顔をして都の頭を撫でた。

「…あなたは、誰なの?」

都の言葉に男は名乗った。

『俺は炎を司りし赤き龍、天龍が一人、炎龍の(セキ)それが俺の名だ、幸子の孫、都よ』

そう名乗った赤は握っていた手のひらを開き都へ向ける。

手の中にあったのはかつて祖母が大事にしていた赤い勾玉だった。

朧気だが微かに覚えている、記憶の片隅にいつも祖母の側にいた気がする赤に都は赤の手にある勾玉を受け取った。

私はいつから彼の事が見えなかったのだろうか…

(シン)の力が弱まってる。しばらくは俺を持っておけ』

「真?」

『その白い宝玉のことだよ、白龍の真、いつも側にいたんだからわかるだろ?』

いつも?

赤の言葉にいつも着けている勾玉を見る都はあの光の中でみた白髪の青年を思い出す。

今、目の前にいる赤のように真は都をずっと護ってくれていたらしい。

「あの、どうやったら、その、真さんは赤さんみたいに会えますか!

私まだちゃんと真さんに助けて貰ったお礼言えてないんです!」

都はそう赤に訴える。

そんな都の様子に赤は少し考えるように頭を掻く。

少し悩む赤の様子に都は戸惑う。

赤は戸惑いがらも真っ直ぐにこちらを見る都に話す。

『真はしばらく出てこれねーよ、呪いの効力もどれくらいで解けるかわかんねーし、その間は俺が代わりに護ってるから気にすんな、あとさんはなくていい』

少し悩ましそうにでも赤は都にそう答えた。

「呪い…」

赤の言葉に都は少しばかし濁った勾玉を優しく握る。

「あの、この呪いってすぐに祓ってあげられないんですか?」

都の言葉に赤は眉を潜める。

『…できなくはない』

「じゃあ!」

『けど俺一人じゃ無理だな、その呪いは強力な呪縛、一種の猛毒みたいなもんだな』

「猛毒…」

赤は都の手から勾玉を取り覗き込む。

純白の中に深く渦巻く灰色の濁りに赤はふーと息を吹き掛けるかのように火を吐いた。

突如目の前で燃やされる勾玉に都は驚き赤から勾玉を奪い返そうと手を伸ばす。

しかし都の手が届かないように腕を上に伸ばした赤は勾玉を包む炎が弱まるのをみると都の手に返した。

「えっ!まだ燃えて!?…熱くない?」

都の手の中でいまだに優しく熱くない火に包まれる勾玉を不思議そうにさわる。

そして完全に火が消えた勾玉は焦げることもなく先程までのマーブル模様がほんの少しだけ変わったようだった。

『やっぱ無理だな他の天龍なら祓えるかもしんねぇけど今は無理だ』

赤はそう言うとその場に座った。

都も赤の前に座り聞いた。

「あの、天龍っていったいなんですか?それに呪いって、他にも聞きたいことたくさんあるんですけど」

都の言葉に赤は『まぁ、そっからだよな~』と少し考える素振りを見せながら話し始めた。

『本当は幸子の約束で二十歳までは内緒の予定たったんだがな~』

そういった赤は懐に手を入れ1つの便箋を取り出した。

『これは幸子が二十歳の都に渡す予定だった手紙だ』

目の前にだされた手紙を手に取った都は中から1枚の紙をだした。


「拝啓私の大事な孫 都へ

貴女がこの手紙を読むと言うことは私はもう天国へ行っている頃かしら?

まずは二十歳のお誕生日おめでとう、立派に成長する貴女を側で見れないなんて少し残念だけど、貴女のおばあちゃんはずっと貴女を見守っています。

だからこれから幾度となく大変な目に合うかもしれないし、幸せな家庭を気づくかもしれない、そんな貴女にもし困った事や子供ができたときには一緒にある赤い勾玉を持たせなさい。

必ず彼が護ってくれるから、貴女の幸せを護ってくれる、だから何か困った事が起きたら彼を頼ってね。

少し意地っ張りな所もあるけど彼は優しいから安心して聞きなさい。

そして貴女の力を正しく使えるように教えて貰いなさい。

貴女にはきっと彼らに愛される素敵な魅力があるから安心しなさい。

貴女が大好きなおばあちゃんより 敬具」


1枚の便箋、祖母からの大事な手紙に読み終わる頃には涙が勝手に出ていた。

大事な家族、その寂しさが都の涙が止められない。

寂しいという思いでいっぱいになる。

目の前の赤は泣いている都をただ泣き止むまでじっと待ってくれていた。


『もう平気か?』

赤くなってしまった目を冷やす都に赤は訪ねる。

「はい、泣いちゃってすみません…赤はずっとおばあちゃんといたの?」

都の言葉に赤はぽつぽつと話し出す。

『幸子が産まれて半月の頃からずっと側にいたさ、赤子の頃から成人になり都の祖父と結婚して子供ができて、そしてお前と暮らす最後まで俺はずっと側にいたよ』

赤の言葉は少し寂しそうで、憂いでいた。

『さて都、お前が聞きたいことを話そうか。天龍のこと、そして呪いのこともな』

赤はそう言うと都の前に向き直り話し始めた。


天龍とはこの地に司る神々の末裔が産み出した神使いのことだ。

大昔この地に住まう九十九(つくも)の神々がこの地をより良い場所にするために神力を与えて生まれたのが五体の天龍だった。

産まれたばかりの天龍たちは神々から分け与えられた神力を使いこの地を護り繁栄させてきた。

ある時一人の神見習いが禁術を使ってしまい未曾有の時代が訪れた。

見習いが行った禁術とは(まじな)いの術だった。

九十九の神々と天龍により禁術は再び封印された、しかしその時の術の名残か堕ちた神見習いの憎悪が原因かこの地に度々災いが起こるようになった。

その災いこそが黒い影であり呪いと呼ばれるモノとなった。

神々の命により天龍は各地に聖域を造り、そこで産まれた神子と共に呪いを祓い平穏な世を作っていった。

その天龍というのが炎龍の赤、そして白龍の真だ。

他にも水龍に地龍、黒龍の三龍がいるが今はどこにもいるかわからない。

天龍はその地で産まれた神子を護り、神子と共に呪いを祓う、その神子が神力をもち龍が見初め寵愛を与える神子なのだ。

祖母幸子は炎龍に見初められていたが神子には慣れなかった。

神力はあれど祓う力はなかったのだ。

そしてそれは都にも近しい物があるといえる。

現に幼子の頃から側にいた白龍は具現化することはほとんどなく、都は黒い影が見えるが関わった事がなかった。

そして強い影によって白龍は呪われた。

祓うにしても神力は足りぬうえに、都の神力は不思議と何かが違った。

言葉にするには難しく不可思議な感覚だが、その少し違う神力によって本来出せるはずの力は出ることなく、呪いも解けないと思われる。

もし解くなら炎龍の力のみでは足りなかったから水龍や地龍、そしてもっとも危険な黒龍に呪いを喰ってもらうほかないだろう。』

赤の言葉を聞き終えた都は決意を固める。

「探そう他の天龍を!それで真の呪いが解けて苦しい思いをさせないようにしたい!

神子とか神力とかはよくわかんないけど、私が真や赤の力になれるならなりたい!」

真っ直ぐに見つめるその目は祖母幸子とよく似ていた。

赤は都の瞳に飲まれるように、そして懐かしく思った。

『探すのはなかなか骨が折れると思うぞ』

「それでも探すわ!だって真と赤はずっと私やおばあちゃんを護ってくれてたんでしょ?なら絶対に私は真を助けてお礼いわなくちゃ!」

夏の向日葵が咲いているような笑顔に赤はそっと目を閉じた。

『あぁ、やるか天龍探し』

幸子、お前の孫はきっと他の天龍たちにも見初められるだろう、何せ一番めんどくさい白龍が幼子の頃より懐いていたのだからな。


主人公:片桐都[かたぎりみやこ]♀

高校2年生17歳

現在一人暮らし

両親は小学1年生の時に交通事故により他界。

中学からは祖母の片桐幸子[かたぎりさちこ]と2人で暮らしていた。

祖母の実家は神社で現在は祖母の弟の子の夫婦が後を継いでいる。

幸子は都が高校進学後老衰のため他界。

祖母の他界後、親戚の叔父夫妻(現神社の神主)に一緒に住まないかと言われたが高校進学のこともあるので断り一人暮らしをスタート。

叔父たちの協力によりアパートに安く住まわせてもらっている都は高2の夏を境に様々な事件に巻き込まれる。


天龍(炎龍、水龍、地龍、白龍、黒龍)


炎龍(名:赤[セキ])

炎を司りし赤き龍

幸子の守り龍、普段は赤い勾玉に身を宿している。

幸子亡き後は幸子の荷物と共に都の住むアパートにしまわれていた。

夏祭り以降、白龍に代わり都を守るために姿を表し幸子との約束を守るべく都を助けるために動く。


白龍(名:真[シン])

光を司りし龍

都が幼き頃から側で守り続けていた。

都が見えていた不思議な物は一般的に妖怪や霊(呪い)といったたぐいの物で、幼少の頃から不思議な神力を持っていた都を守るべく幸子に頼み都の守護龍となった。

しかし幼い都は勾玉を依代としている真を幸子の赤のように人形に具現化出きるほど神力は持っていなかったため勾玉の姿のまま都を守っていた。

夏祭りの日、かなり強い呪いの影にすぐに都の現れることができず助けるの少し遅れた。

だが都が勾玉を握った瞬間、真に神力が流れ込み光と共に少しだけ具現化することが。

しかし呪いを少し弾き損ねて呪縛を食らった真は守りの力が弱まるまでの呪いを受けた。

真は都が家に帰ってから近くにいる赤に都を守ってくれと頼み勾玉の中で眠りについた。


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