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壱章 木漏れ日の中で

溝口和也みぞぐちかずなりは平凡な高校生。彼はありきたりで退屈な日々に不満を抱きながら過ごしていた。しかし、ひょんなことから激動の日々に巻き込まれる。

           ぁぁ暖かい……

 木漏れ日に包まれる感覚が心地よい。

(俺……まだ死んでないのか……ぁぁぁでもダメだ……もう動けねぇ……このまま……)

 頭にさまざまな出来事が走馬灯のように巡っていく。思えばあれが全ての始まりだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(ひまだなぁ)

 俺は溝口和也みぞぐちかずなり。ただの平凡な高校生だ。特に人より秀でるものもないし、こんなつまらない毎日はもう飽き飽きだ。暇すぎる。だけど何か行動するのも面倒くさいんだ。どうしようかというところだが、そういえば今日は親父も出張に行ってるから帰ってこない。

一一ーーー      普段入るなと言われている部屋      一一ーーー

 俺は親父にそう言われている部屋のことを思い出した。今日なら親父もいねぇし入っても大丈夫だろ、!そう思い俺は親父の部屋にむかった。

(書斎……?)

 入ったはいいものの、特に何かがあるわけではなく、俺は少し損した気分になった。


そこであの本を手に取らなければ、こんなことにはならなかっただろう。

題名のないふしぎな本。ただ気軽に開いただけだったのに……




ーーーーー      すると      ーーーーー



        

(硬いな……)

 俺は見知らぬ場所にいた。どうやら寝ていたらしい

 

「ここは……?!!!!!!」

 数人の見知らぬ男女に囲まれていた。少しして、すぐに全員の服装がおかしいことに気がついた。まるで時代劇のような格好だったのだ。俺は咄嗟に

「誰だ」

そう口走っていた。すると目の前にいた人相の悪い男が口を開いた。

「お前こそ誰だ。身分を明かせ」

 俺は困惑する余裕すらなかった。だが向けられた殺意のようなものには危機を察した。

 

 男の貫く冷たい月夜のような視線。俺は無意識に口を開いていた。

「…………お、俺は……溝口和也……だ」


すると、被せるように

「溝口?!」

障子の向こうから聞こえてきた。盗み聞いていたらしい。女の声だ。

「おい、こっちへはくるなと言っただろう」

男がより一層眉間に皺を寄せていった。すると

「まあいいじゃない、あんたもそんな顔しないで。それにこの子、特に何も隠していなさそうだし」

部屋にいた気前の良さそうな女がそう言った。

「ああ悪い! じゃあ戻るよ」

 外にいるヤツはそう言って消えた。男は呆れたようにため息をつき、呟いた。

「わあったよ。こいつをどうするかは明日だ。そこでこいつの事情もそこでたっぷり聞く。こずゑ、こいつの面倒はお前がみてやれ」

「静ちゃんに頼む、あの子なら安心だし」

「勝手にしろ」

 やがて部屋にいたやつらは全員外に出ていった。

一体俺はどうなるんだ? そういう不安と恐怖で一杯だった。

  

 しばらくすると女が入室してきた。

「失礼します、しずと申します。明日の朝餉まで私が世話をさせて頂きます。」

 鈴のような声。

(こいつがさっき言ってた奴か……?)

 俺はこの状況に耐えられなくなり喋り始めた。  

「ここはどこだ!お前らは誰だ!!俺はどうなるんだ!!etc……」

責め立てるように聞くと、彼女は困ったような口調で言った。 

「どうか落ち着いてください……!!大丈夫です、あの人たちはあなたを殺すようなことはしません」

 彼女は俺に茶を差し出しながらそう言った。

「こ、殺す……? なんだよそれ、どういうことだよ!!! 俺は……!!」

「お、落ち着いてください、!! あなたの身は安全ですから……!」

 俺は差し出された茶を飲んで、平静を保とうとした。

「そ、そうか」

 しかし完全に気が動転していた俺は平静を装いながらもまるで宙を歩いているような感覚だった。

「ここはどこなんですか?」

そう聞くと彼女は

霞野村かすみのむらです。あなたはどこからいらっしゃったのですか?」

(霞野村?どこだ?聞いたことがない。というか、こんなやつらに俺がどこからきたかなんて言って信じてもらえるのか?)

 俺は流石に状況が正常ではないことを悟り始めた。自分とここの人間の差。同じ環境を生きる人間ではないと。

「な、なあ今、何年なんだ?」

「30XX年ですよ?」

「は? 30XX?! どういうことだ!」

(せめて江戸時代とかそこらへんじゃないのか?!)

「とても疲れてらっしゃいますね、今日はお休みになってください」

「あ、ああ」


「では失礼します」

 彼女は俺の寝床を準備し終わると、去っていた。

 今日は一日が嵐のように早く過ぎ去った。

 

 その日、何も理解できていない俺は今日起きた出来事について整理しようと試みたが、すぐに気絶するように深い眠りについた。

 この時、俺はまだ期待していた。夢であると。こんな意味不明な状況を認めたくなかった。だがそんな期待はすぐに打ち砕かれたのだった。


ーーーーー      1日目終      ーーーーー


こんにちは、初投稿です。手探りです笑

あとがきは何を書いたらいいかよくわかりません。

もし見てくださった方がいらっしゃいましたら感想待ってまーす!

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