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貿易国ツウリュウ

【貿易国ツウリュウ】

アトルリアの南に位置する巨大国。

超大陸ユグドラシルの国間貿易の中心となる都市。

あらゆる品々が一旦ここに集まり、職人の手を経て商品に生まれ変わる。

その後各国へ輸出され、売買される。

そのため貿易の中枢でありながら、世界最大の金融機関「オルバンク」も有する、ユグドラシルに必要不可欠な巨大国家である。


「まったくもう!情けないわね!初期呪文(スペルオブファースト)一回で倒れるなんて!」


俺とシエルはツウリュウに無事入国できた。

検問でどこの国から来ただとか怪しいものは持ってないかとか、あれこれ質問されたが全てシエルがお金で解決していた。流石はお嬢様。


現在はツウリュウの医療施設「メディコ」に来て2日目の昼だ。というのもヴェルデサーペントを打ち倒したボヘル1発で俺の魔力(マナ)は底をつき、歩くのもやっとになっていたからである。


メディコには宿泊施設も完備されており、旅の疲れを癒す冒険者などが多く泊まっているらしい。

シエルのお金で既に5日分の宿泊費を先払いしていた。


この医療施設と宿泊施設が合体したような『メディコ』の裏手には、ツウリュウの入国入り口からでも見えるほどの大きな屋敷が建っている。


「検査の結果から言うと急性魔力枯渇症候群きゅうせいまりょくこかつしょうこうぐんですね。あなた最近一気に、全部の魔力(マナ)を放出したりしてなぁい?」


困った表情でベッドに横たわる俺を見ている綺麗な爆乳のお姉さんは、メディコの魔力科担当医マザメルだ。


メディコの従業員は皆、胸に十字のマークが入った衣服を着ている。

マザメルも同じ格好をしているが、胸が大きすぎるせいかその十字が左右に伸びきっていた。


ツウリュウにはさまざまな種族が行き交っており、街の景観はアトルリアと変わらない。


しかし商店街の大きさはアトルリアの何倍もある。直線何キロにもわたって出店が並ぶ、ツウリュウストリートと呼ばれる商店街がこの街の特徴だそうだ。


この2日間でマザメルが色々と教えてくれた。

俺は自分の部屋と医療室のベッドの往復生活だったので、話を聞くくらいしかやることがなかった。ちなみにシエルとは別室だ。

少し期待していた俺としては残念だった。


「あ〜とっても心当たりありますね。その、、魔力(マナ)を全て使い果たすとこうなるんですか?」


「そうならない為にユグドラシルの子供たちは幼少期から魔力(マナ)の使い方を覚えるんですよぅ。あなたの親御さんは教えてくれなかったのですか?」


マザメルは涙目で近づき両手を合わせて訴えかけるように俺に質問した。

大きすぎるその2つの果実は自由に形を変え俺の腕に押し付けられていた。


「え、えっとそのなんていうか、物覚えが悪かったみたいで。小さい頃から魔力(マナ)の扱いが得意じゃないんですよ。ははは。」


「鼻の下伸びてるわよ。」


シエルは大きな紙袋を両手に抱え、こんがり焼けたパンをむしゃむしゃ食べている。


「ねえ!マザメル!トウヤの具合はどうなの?もうほとんど動けるようになってるみたいだけど。それに性欲もちゃんと復活してるみたいだし!」


俺の息子も元気に主張していた。

シエルには全て筒抜けみたいだ。


「しょ、しょうがないじゃないですか!俺だって男なんですから。」


「あらあら。いいのよ気にしないでぇ。うーんそうねぇ、今朝の検査でも血中魔力(マナ)量は基準値だったし、、、、でも回復が早すぎるのよねぇ。」


「ってことはもう大丈夫なのよね!?よし!行くわよトウヤ!」


シエルはマザメルを押しのけて無理やりベッドで寝ている俺の手を握り、引っ張ってメディコの中央扉までずんずん歩いていった。


「ちょ、行くってどこにですか?」


「あんたが寝てたこの2日間私が何もしてないと思ったの!?ちゃーんと調べ物とかしてたんだから!」


シエルはにっこり笑うと手に持っていた焼きたてのパンを俺の口に突っ込んだ。



シエルの使用可能呪文一覧


【ボヘル】


使用者:シエル・アトルリア

ランク:初期呪文スペルオブファースト

魔術系統:放出系呪文

内容:手のひらに火球を生み出し、前方に放出する。


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