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警備兵強襲


「貴様!名を名乗れ!!」

「ここに何の用だ!」


倉庫の警備兵は全員が同じ制服を着ており、腰には金属でできた丸い輪のような物をぶら下げている。


完全に警戒されてしまった。

気づかれずに近づいて忍び込む計画だったのに。

まぁ、大声を出して見つかった俺が悪いんだが。


「えっと、、、ドムラさんって人に会いたくてここまできたんですけど、、、」


俺がドムラという名前を出した途端、警備兵は皆表情を変える。


「おいアイツ今なんて言った?」

「確かに言ったな。」

「倉庫に近づけるな。」


3人いるうちの真ん中の警備兵が一歩前進する。


「ここの場所を知る者でドムラ様の名前を口に出すものはいない。なぜだかわかるか?」


そういえばロゥリンに案内はされていたものの、やけに入り組んだ道や隠れた道を通っていたな。

偶然辿り着く人間はまず居ないだろう。


「いや〜なんでですかね?」


警備兵3人ともが腰の輪を右手首に装着する。


「名前を知るものはひとりとして生きてないからだ!!」


警備兵の腕輪から魔力(マナ)が噴き出す。

同時に3人が俺に向かって走ってきた。


「トウヤ!呪文よ!」


隠れていたシエルが茂みから駆け出す。

その瞬間俺はリュックから魔術書(ブック)を手に取る。


火焔球(ボヘル)!」


「ぐわぁぁあ!」


シエルの右手から出た火焔球(ボヘル)が真ん中の警備員を吹き飛ばす。


前に出たシエルに両側の警備兵2人が襲い掛かる。


「ぐっ、まだ仲間がいたのか!」

「この女、魔具も無いのに一体どうやって魔術を!」


片方の警備兵がシエルに殴りかかる。


「オラァァアア!」


ガキィィン!


ズザザザサッ


両手でガードしたシエルは少し後ろにノックバックする。


「くっ!何この異常な腕力!その魔具の力ね!」


もう1人の警備兵に向かって、しゃがんでいたロゥリンが跳躍する。


「ヤァァア!」


ガァアアン!


模擬戦で見せた空中落下式踵落とし。

しかし警備兵は両手でロゥリンの攻撃をガードする。

ガードした警備兵の足元は力を分散しきれていないのか(へこ)んでいた。


「チィィィイ!まだひとり隠れてやがったか!」


「コイツ私の(かかと)落としを受け止めたアル!」


「この女ァっ!」


警備兵がロゥリンの足を掴もうとした瞬間、その手を蹴って後ろへ戻る。


「おい!キース!この金髪と後ろの白いフードの男。もしかしてドムラ様が言ってた王国大戦(ワールドクラウン)参加者じゃねぇか?」


シエルの前方の男はもう1人の警備兵に喋りかける。


「はっ!なるほど!この黒い服の女の方はわからねぇが、どっちにしても倒しちまえば問題ねえ!まずは後ろの男からだ!」


キースと呼ばれた男はロゥリンを避けて俺の方に走り出した。


この警備兵、たぶん俺より近接格闘(インファイト)術が上だ。

何より問題なのはそのパワー。

ロゥリンの蹴りをガードするとかヤバすぎるんですが。


「トウヤ!」


シエルが俺の方に助けにこようとするが、目の前に警備兵が立ち塞がる。


「キースの方には行かせねえよ?」


「このっ邪魔よ!あんた!」


シエルが飛び蹴りを繰り出す。


ガギィイン!


それを右腕でガードするとそのまま足を持って、ロゥリンの方にシエルを投げ飛ばした。


「オラァァ!」


「は?え!きゃああああ!ちょっと、ロゥリンどいてえええええ!」


キースを追いかけていたロゥリンはシエルの方を確認していない。


「へ?なんでシエル吹っ飛んできてるアル!?」


ゴン!


2人の頭がぶつかる。


「痛いアルー!」

「痛ぁあい!」


俺はというとキースに追い詰められていた。


「さぁ、痛い目に会いたく無いならその魔術書(ブック)を渡すんだな!さもないと、、、」


グシャァァ!


キースは近くにあった木の幹を片手で握りつぶす。


「こんな風になっちまうぜ!?」


「ははは、それは勘弁してほしいですね。お金じゃ見逃してくれませんか?」


「ダメだな。」


「ですよね〜。」


万事休すだ。

シエルとロゥリンはまだ遠くだし。

ここは自分の力だけでなんとかするしか無い。


「渡さないみたいだな、、、死んでも後悔するなよ!」


キースは拳を繰り出す。


ガギィイン!


ギリギリでガードできた。

しかしもう手が痺れている。


「ほらほら!どうした!!」


ガン!ゴン!ガン!


間一髪で強打をガードできているがやはりキースの方が何枚も上手だ。

だんだんラッシュに追いつかなくなっていく。


ガン!


俺の両手のガードが上がった。

しまった。

下からのアッパーに耐えられなかった。


「終わりだ!」


顔面に向けて拳が飛んでくる。

目を瞑りその衝撃に備えた。


「うっ!」



――瞬間、風が横を通り過ぎた気がした。



ドサッ


目を開け下を見ると、うつ伏せ倒れたキース。


キースの後ろには白銀の髪の見覚えのある猫耳少女が立っていた。


「また会ったね。速いお兄ちゃん。」


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