首謀者
俺達はツウリュウストリートで猫耳少女について聞き込みをしていた。
「なかなか情報無いですね、、、というかシエル、あれどうします?」
メディコを出たくらいから陰に隠れて、ロゥリンが尾行してきている。
魔力のせいもあるが頭のお団子結びが隠しきれていない。
バレバレの尾行だ。
「多分だけどニコラスおじさんが、私たちを心配して尾けるように言ったんじゃない?」
「あ〜なるほど。本人は隠れてるつもりですね。このまま声かけるのも可哀想な気もしますが、、、」
「はぁぁぁ。しょうがないわね。一緒に行きましょう。頭数が多い方が聞き込みも捗るだろうし。」
俺達はストリートのガヤガヤした人混みをかき分けて、花屋の大きな植物に隠れているロゥリンに近づいた。
「ロゥリンこんなところで何してるんですか?」
「ふぇ!?ト、ト、ト、トウヤ!?なぜバレたアル!?完全に気配を消して植物と一体になってたのに!」
「最初からバレバレだったわよ。」
シエルはあからさまにめんどくさそうな顔をしている。
「ふぇぇぇ。旦那様に陰ながら監視しろって言われてたのに、、、知られたらまたお給料から引かれるアル、、、」
がっくり肩を落とすロゥリン。
最初に屋敷であった時もこんな感じで落ち込んでたな。
不憫属性でも付いてるのだろうか。
「だ、大丈夫ですよロゥリン。ニコラスさんには言わないでおきますから。こちらとしても人数多い方が、聞き込みも捗ると話していたところなんです!」
涙目になっているロゥリンを見ると可哀想になってきた。
心なしか頭のお団子も元気がないように見える。
「ほんとアルか!?トウヤありがとうアル〜!そうと決まれば聞き込みアル!、、、って何を聞けば良いアルか?」
顔がパァッと明るくなりお団子がぴょんぴょんしている。
すごい。
本当に機嫌と連動しているのかもしれない。
「えっとですね。奴隷輪のついた猫耳少女の目撃情報が欲しいんです。もしかしたらその子が盗難事件に関与してる可能性があって。」
「奴隷の獣人族アルか?そんなのドムラの飼い猫に決まってるアル。ツウリュウの裏社会を知ってる奴なら常識アルね。」
自慢げに話すロゥリンの言葉に驚いた。
こんなに早く答えに辿り着けるなんて。
「ははーん。なるほど。ニコラスおじさんはこの為にロゥリンをよこしたわね。」
シエルがニヤリと笑う。
そうか。
ニコラスさんはもう犯人がわかっていたんだ。
俺たちがすぐに辿り着けるように計らってくれたわけか。
「なるほど。そのドムラという人のところに行ってからが、本当のスタートという事ですね。」
「ふぇ?何の話アル?」
首を傾げるロゥリンにシエルが質問する。
「ロゥリン、そのドムラとかいうヤツ何者なの?」
「ドムラは奴隷商人アル。このツウリュウストリートの創設者、ザムザ・ストラウスの息子アルよ。親の権力とお金を使ってやりたい放題してる嫌われ者アル。」
ロゥリンは続ける。
「獣人族を多く抱え込んでるって話アル。汚れ仕事やヤバい案件はその奴隷達にさせてるはずアル。」
「、、、権力が王家にないこの国では、商人が実質的な権力を持っている、、、そのドムラってのが盗難事件の首謀者として可能性が高いわね。」
身に余る富と権力は人を狂わせる。
生まれた時から勝ち組。
そんな状況では性格が捻じ曲がってもおかしくない。
「ロゥリン。ドムラがいる場所ってわかる?ソイツのとこに行きましょ。限りなく黒に近いわ。」
腕を組んで質問するシエル。
「たしかオルバンクからずっと西にある、古い貿易船用の倉庫を根城にしてるはずアル。」
「、、、明らかに敵の棲家のど真ん中に入り込むようなものだと思いますけど、、、どうしますシエル?」
「もちろん正面突破よ!やりたくもない盗みをその獣人族の子達にさせてるとしたら、私がぶっ飛ばしてやるわ!」
目的が最初の主旨と違う気もするが、士気を下げない為に何も言わないでおこう。
それにテトの件もある。
「ですよね、、、わかりました。俺もシエルの意見に賛成です。ロゥリン、道案内頼めますか?」
「オッケー!じゃあ2人ともついてくるアル!」
―――ツウリュウ西 倉庫内
「獣人族の奴隷を探ってる2人組がいる?」
丸々と太った男は装飾が施された椅子に座っている。
傍にはボロボロの布を纏った数人の獣人族の娘達。
「へい。明らかにドムラ様の奴隷について嗅ぎ回ってる様子でした。1人は金髪で気の強そうな女、もう1人は白いフードのついたマントを着ている男。」
細身で猫背の男が手を合わせながらドムラに話しかけている。
「2人組、、、もしかしたらもしかするかもしれねぇな。ジャック!そいつらを俺様のところに引きずってでも連れて来い!」
「生死は?」
「好きにしろ。持ち物にしか興味ねぇ。」
「承知しました。」
ジャックと呼ばれた細身の男は闇の中に消えていった。
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八芒武装
晩年のオクタ・デクスが残した8本の魔具。
使用者の魔力を大量に消費するが、それぞれの武装は天変地異を引き起こすほどの能力を備えている。
八芒武装の所有者を八芒星と呼ぶ。
シエルの使用可能呪文一覧
【火焔球】
ランク:初期呪文
魔術系統:放出系呪文
内容:手のひらに火球を生み出し、前方に放出する。




