学校の悪魔8
お互いにお互いの事を気付いている今、先に仕掛けた方が勝つ。
私の素性がバレてしまうかもしれないが、もはや手段を選んでいる場合ではない。
強硬手段に出る。
クラスも名前も顔も分かっているのだ。奴らはどうせ身バレするのを恐れて放課後に動くはず、やるなら今だ。この昼休み中に片をつける。ついでに不安要素である村野コウイチもここで消しておくべきだろう。
私は授業が終わってすぐに村野コウイチに連絡を取ると、何かしらの理由をでっち上げて生徒会室に星ヶ丘ユウキを呼び出すよう指示を出した。
十二時三十分、生徒会室には星ヶ丘ユウキだけが現れた。さすがに焦り過ぎたのか、私の意図に気が付いたのであろう村野コウイチはその場に現れなかった。
まぁ、村野コウイチに関しては後でどうとでもなる。今はこの目の前の女が優先だ。
私は星ヶ丘ユウキが生徒会室へと足を踏み入れた瞬間に背後を取り拘束した。
「あなたはこちら側の事を知り過ぎた」
そしてゆっくりとその細い首にカッターナイフをあてがった。
*
「その“宮之阪カエデ”は紛れもない―――人間です」