せめて、夢の中だけでも
見慣れた風景に、見慣れた人たち、、、
私の周りには、いつも見慣れたモノで溢れかえっている。
そんな見慣れたモノの中に、突然現れた【あなた】という特異点。
モノクロにしか映らなかった私の目に、様々な色どりをもたらしてくれた、【あなた】。
私は【あなた】の隣にいたいといつも思っている。
けれども、【あなた】は私のことを見つけてくれない。そう、【あなた】の目に、私の顔や姿は映っていないのだから。
夜、布団に入って目を瞑ると、【あなた】のことをいつも思い出す。私の頭の中だけでいいから、【あなた】の顔や仕草を思い出させて。
私の頭の中だけでいいから、ねえ、お願い。
今日もいつも通りの朝を迎える。そして、電車の中で【あなた】を見つける。
私は【あなた】を傷つけたくないから、そっと遠くから眺めておくだけでいいの。
それだけで、私のモノクロ世界に花が咲くのだから。
私はただ【あなた】を眺めておくだけでいい。たとえ、【あなた】の隣に、【あなた】と幸せそうな会話をしている人がいたとしても。
夜、布団で眠ると、いつも【あなた】が私の夢の中に現れる。私の夢の中だけでいいから、せめて【あなた】を感じさせて。
私の夢の中だけでいいから、、、ねえ、お願い。