新たな始まり
それから、数十分後。マコトがスペクトルの装置を使い、誠人達を彼らの世界へと戻すこととなった。
「今回は・・・感謝の言葉もない。これまでの非礼、どうか許してほしい」
装置の前に立った誠人達に、マコトは深々と頭を下げた。誠人は仲間達とうなずき合うと、もう一人の自分の肩にぽんと手を置いた。
「感謝するのはこっちの方だ。スペクトルに勝てたのは、君のおかげだ」
「いや・・・俺の力だけじゃない。俺やミナミ、そして仲間達を信じるお前の心が、勝利を掴んだんだ」
もう一人の自分にそう告げると、マコトはミナミの方へ向き直った。
「さっきの言葉は取り消そう。この男は・・・俺よりも何倍も強い奴だった」
「ええ、そうでしょうとも。だって、私が好きになった人なんですから」
「おい、ミナミ・・・」
誇らしげに口にしたミナミに、誠人が頬を赤らめながら声をかける。そんな彼を見て小さく笑みを浮かべると、マコトは自らの右手を差し出した。
「何かあったら、いつでもこの世界に来い。俺は、喜んでお前達の味方になろう」
「それは、僕達もだ。僕達はいつでも、君の味方だ」
差し出されたマコトの手を、誠人は強く握りしめた。それは異なる世界の垣根を越えて、確かな友情が築かれた瞬間であった。
「それで・・・これから、君はどうする?」
「この世界で、もう一度仲間を探してみる。・・・ミナミ達はもういないけど、今度こそ、真に仲間になれる奴らを探して、共にこの世界を守っていく」
「そうですか・・・・・・応援してますよ、私」
ミナミの言葉に、マコトは心からの笑みを浮かべた。そして彼の手によってスペクトルの装置が起動し、誠人達の世界に繋がる空間の扉が開いた。
「じゃあ、元気で・・・!」
「ああ、お前達もな」
マコトと笑みを交わしてうなずき合うと、誠人は空間の扉をくぐって元の世界に戻った。レイやカグラがその後に続く中、ミナミは一番最後に扉をくぐろうとした。
「ミナミ」
そんな彼女の背中に、マコトが声をかけてきた。振り返った彼女に、マコトはどこか照れ臭そうな笑みと共に告げた。
「あいつと、幸せになれよ。・・・こっちの世界の、ミナミの分まで」
その言葉に、ミナミはわずかに頬を赤らめた。それでも彼女は満面の笑みを浮かべると、大きくうなずいてマコトに応えた。
「ええ・・・もちろんです。私・・・絶対誠人さんと、幸せになりますから!」
マコトがその言葉にうなずくと、ミナミはゆっくりと後ろへ振り返り、空間の扉に足を踏み込んだ。彼女が扉を通って元の世界に帰還すると同時に、空間の扉は消滅するのだった。
「さよならだ、ミナミ・・・」
自分の気持ちに一区切りをつけると、マコトは研究所を後にした。友情を築いたもう一人の自分と、彼に寄り添うミナミ・ガイア。そして、二つの世界に幸せが訪れることを、心から願いながら。
番外編、いかがだったでしょうか。
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