決戦
「ふふふ・・・二つの世界の衝突まで、あとわずか」
研究所の近くにある、切り立った断崖。頭上に迫りくる誠人達の世界を目にしながら、ルナティックカイザーがその場に降り立った。
「さあ、いよいよ我が悲願が成就する。二つの世界を一つに合わせ、新世界を生み出すのだ!」
「そうはさせるか!」
その時、頭上から誠人の声が響き渡った。ルナティックカイザーが目を向けると、そこにはデュアルスピーダーから飛び降り、剣を振り上げたイリスの姿があった。
『はああああああっ!』
勢いよく挑みかかってくるイリスの攻撃を、ルナティックカイザーは正確に読んでかわし続けた。彼は一瞬の隙をついて右手から波動を放ったが、イリスは吹っ飛ばされることを利用して後方に宙返りし、地面に着地して新たなカードを手に取った。
「ソフィアさん!」
『ムーンライトアーマー!』
イリスはソフィアと合体してムーンライトアーマーとなり、ランスモードのプラモデラッシャーを術で鞭のように伸ばし、遠距離から攻撃を仕掛けた。ルナティックカイザーはその攻撃も徒手空拳でさばき、一気にイリスとの距離を詰めようとする。
「カグラさん!」
『フレイムアーマー!』
イリスはさらに姿を変え、接近してきたルナティックカイザーに炎を宿した双剣で挑みかかった。ルナティックカイザーも両手両足に炎を宿し、その剣の攻撃を受け止める。
「はっ!」
『おりゃあっ!』
イリスは剣を振り払って宿していた炎を飛ばし、ルナティックカイザーも四肢に纏っていた炎を右手に集中させ、イリスに向けて飛ばした。二つの炎が空中でぶつかって相殺された隙に、イリスは次のカードをバックルにスキャンした。
「レイさん!」
『スプラッシュアーマー!』
イリスはスプラッシュアーマーに姿を変え、マグナムモードのプラモデラッシャーから水の弾丸を連射した。一撃一撃の威力は低かったが、イリスはそれを連射することで相手の動きを封じ、次の一手を打たせない。
「ミュウ!」
『フォレストアーマー!』
今度はフォレストアーマーに姿を変えると、イリスはアローモードのプラモデラッシャーから光の矢を連射した。ルナティックカイザーはその矢を自らの手から放つ光の矢で相殺し、高速移動で一気にイリスとの距離を詰めた。
「キリア!」
『ゴールドアーマー!』
相手の動きに合わせるように、イリスも高速移動を可能とするゴールドアーマーにその姿を変えた。両者の速さはほぼ互角で、どちらも一歩も譲らぬ攻防を繰り広げる。
「誠人さん、助太刀します!アーマー・オン!」
『アーマーイングランド!グランド!』
イリスを援護するため、ミナミがイリスV2になってルナティックカイザーに攻撃を仕掛けた。ルナティックカイザーはその攻撃をかわすと、イリスV2を標的と定めた。
「邪魔をするな!はあっ!」
放たれた強力なパンチが、イリスV2の腰に巻かれたドライバーに直撃した。その一撃でイリスV2は大きく後退し、そのドライバーにはいくつものひびが入った後に粉々に砕け散り、その変身が解除されてしまう。
「ミナミ!」
「もらった!」
ソフィアが思わず声を上げる中、ルナティックカイザーはミナミを仕留めようと光の矢を連射した。だがその時、ミナミの背後から飛んできた真紅の光弾が、その光の矢に直撃して相殺した。
『アーマーインサンライズ!サンライズ!』
「ミナミ、大丈夫か!?」
ジャンプしてライズガンセイバーから光弾を連射した真紅のイリスV2が、ミナミのすぐそばに着地して問いかけた。
「はい!これくらい、どうってことありません!」
「よし・・・下がってろ!はあああああああっ!」
ミナミを後方に退避させ、イリスV2は敵に挑みかかる。それと時を同じくして、ルナティックカイザーの撃破を誠人達に託したシルフィ達も、激しい戦いを繰り広げていた。
「ハハハ・・・カモン!」
フェイスが変身したスプラッシュアーマーのイリスV2が、デュアルに息もつかせぬ銃撃をお見舞いする。アックスガトリングの刃でそれを防ぐデュアルに、今度はエルダが変身するフレイムアーマーのイリスV2が、手にした双剣で激しく襲い掛かってくる。
『二人同時は厄介だ。一人ずつ片付けるぞ!』
「ええ・・・そうね!」
シルフィがディアナに言葉を返したその時、エルダが一気に距離を詰めて激しい攻撃を仕掛けてきた。何とかその攻撃をかわしたデュアルだったが、その隙にフェイスが必殺技の準備を整えた。
『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』
フェイスが手にする武器の銃口に、水の力を凝縮させた青い光弾がチャージされる。その力が最大まで溜まると、彼女は武器の引き金に指をかけた。
「グッドバイ、ガールズ・・・!」
『スプラッシュフィニッシュ!』
フェイスが引き金を引くと、青い光弾がデュアルに向かって飛んできた。デュアルは左手を光弾にかざして猛烈な風を発生させ、その風を障壁として光弾を受け止めた。
「御冗談を・・・お返しします・・・わ!」
デュアルが左手を再度突き出すと、暴風は光弾を構成していた水のエネルギーを取り込み、巨大な水竜巻へと姿を変えてフェイスのもとに飛んでいった。フェイスはその水竜巻に包まれ、悲鳴と共に空中へと打ち上げられる。
「もらった!」
『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』
勝利を確信すると、デュアルは武器にフィニッシュカードをスキャンさせた。そして襲い掛かってきたエルダの攻撃を軽くいなすと、デュアルは全身に風を纏って大きくジャンプし、竜巻に打ち上げられたフェイスのもとに一瞬で移動した。
『ハリケーンエンド!』
風の力を凝縮したアックスガトリングの刃を、デュアルは一気にイリスV2に振り下ろした。竜巻に打ち上げげられたことでろくに防御の構えもとることができず、イリスV2は斬り裂かれて空中で大爆発を起こした。
「フェイス!・・・おのれ!」
『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』
フェイスが倒されたことに逆上すると、エルダはフィニッシュカードをドライバーに読み込ませた。彼女が手にする双剣モードのプラモデラッシャーに、炎のエネルギーが溜まってゆく。
『フレイムフィニッシュ!』
「はああっ!!」
そしてそのエネルギーが最大まで溜まると、イリスV2は剣を振り払って溜まっていたエネルギーを飛ばした。するとデュアルは右手を突き出して強力な雷のエネルギーを放ち、炎のエネルギーにぶつけて大爆発を引き起こした。
「うっ!・・・はっ!」
爆発に思わず目を覆ったイリスV2だったが、その一瞬の隙をついてデュアルが空中から突進を仕掛けてきた。地面に倒れこんだイリスV2の目の前に着地すると、デュアルはガトリングモードにしたアックスガトリングにフィニッシュカードをスキャンさせた。
『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』
『じゃあ・・・あばよ!』
『ライトニングエンド!』
至近距離でアックスガトリングを突き付けると、デュアルは武器のトリガーを引いた。たちまち無数の弾丸が発射され、それを全身に浴びたイリスV2は大爆発を起こして消滅する。
その一方で、ファルコが変身したエージェント・シャドウは、モニカとキャロルが変身した二人のイリスV2と戦いを繰り広げていた。シャドウはポイズンコブラが変身した剣を左手に装着し、キャロルが変身したゴールドアーマーのイリスV2と激しい剣劇を繰り広げる。
「やっとあんたに仕返しできる・・・あんただけは、あたし達が殺してやるよ!」
「悪いが、ここで殺されるほど私もお人よしではない」
キャロルとの鍔迫り合いに押し勝つと、シャドウは左手の剣を振り払った。だがキャロルは得意の高速移動でその攻撃をかわし、シャドウの周囲を走り回りながらすれ違いざまに攻撃を仕掛け、隙ができたシャドウをモニカがアローモードのプラモデラッシャーで襲う。
「高速移動・・・生憎、その対処法は知っててね」
『マガ・ユナイト、ブラッディシャーク』
シャドウはポイズンコブラとの合体を解除し、右手にブラッディシャークが変化したクローを装着した。そして左手に持ったシャドウブラスターでモニカを牽制しながら、ブラッディシャークに内蔵されたロレンチーニ器官でキャロルの位置を特定し、背後から奇襲を仕掛けようとした彼女に強力なパンチを叩き込んだ。
「うあっ!」
「はっ!」
パンチが腹に直撃し、キャロルはうめき声と共にその動きを止めた。シャドウは彼女に叩き込んだクローからひれ状のカッターを連続で発射し、キャロルの体を吹き飛ばす。
「キャロル!」
モニカの一瞬の隙をつき、シャドウは彼女に向けて光弾を連射した。光弾が立て続けに直撃したことでモニカは大ダメージを負い、鎧から火花を散らせながら大きくのけぞった。
『デフィート』
シャドウはブラッディシャークとの合体を一時的に解除し、シャドウブラスターにカードを読み込ませた。そしてブラッディシャークと再び合体すると、ようやくふらふらと立ち上がったキャロルに狙いを定めた。
『ブラッディブレイク』
「はあっ!!」
シャドウが勢いよく右手を突き出すと、装着されたブラッディシャークの口から赤い水流が放たれた。その一撃をもろに受けたキャロルは力なくその場に膝をつき、程なく断末魔の叫びと共に大爆発を起こした。
「キャロル!・・・うわああああああああああっ!!」
モニカが怒りに声を震わせながら、叫び声と共にシャドウに突っ込んできた。シャドウはそれを冷静に見据えると、シャドウブラスターに再びカードを読み込ませる。
『デフィート』
シャドウの全身に、黒く輝くエネルギーが流れ始める。シャドウはそれを全て右足に集中させ、銃のトリガーを引いた。
『シャドウブレイク』
「はあああっ!!」
シャドウは大きくジャンプすると、エネルギーが充填された右足をモニカの体に叩き込んだ。その一撃を受けてモニカの身を守る鎧が無数の火花を噴き始め、やがて彼女の体を巻き込んで大爆発を起こすのだった。




